専門研修ブログ
茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。
【循環器】腎動脈疾患・・・検査その1
今回は腎動脈狭窄(RAS)を疑った時の
検査についてです。
検査法としては以下の3つです。
・ドップラーエコー
・CTアンギオ
・血管造影
以前は腎シンチグラフィ、ACEI誘発前後の
血漿レニン測定、静脈レニン測定なども
行われたこともありましたが、動脈硬化性
腎動脈疾患の診断には、もはや考慮
されなくなりました。
今回はドップラーエコーについて
紹介します。
①ドップラーエコー(DUS)
DUSはスクリーニング検査として第一選択
となる検査で、経時的に繰り返し評価する
ことが容易です。
最大収縮速度(PSV)で評価しますが、
ESCガイドラインには具体的なカットオフ値
は記載されていません。一般的には
PSV>1.8~2.0m/secが目安になります。
弱点としては、狭窄度を過大評価する
可能性あり、後述するRRIなど他の基準も
合わせて評価する必要があります。
また、腎動脈が複数ある場合(Accesary
renal artery)の評価は困難です。また
当然ながら、肥満患者などで腎動脈を
うまく描出できなければ評価はできません。
腎抵抗性指標(RRI:Renal resistive index)は、
血行再建の治療反応の予測に役立つ可能性があります。
RRI=(PSV-EDV)/PSV
正常値は0.60~0.70
ただし、RRIは腎臓だけでなく、腎臓以外の
因子(大動脈弁狭窄、徐脈など)の影響も
受けるため、正常値より高くとも、低くとも
異常であり、解釈には注意が必要です。
一般的には、RRIが低値(0.60未満)で
あれば、血行再建後に腎機能回復と
血圧コントロールを得られるの可能性が
あります。
逆に、RRIが高い(>0.75-0.80)場合には
腎実質病変を示すので、血行再建後の
腎機能や血圧の改善は期待できないと
されています。
(Angiologist)
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