専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。

日循地方会で登壇しました♪

2024.02.26
カテゴリー: 循環器

水戸済生会では心臓血管外科と連携して大動脈弁狭窄症(AS)に対するTAVIを行っていますが、2月17日に開催された日本循環器学会関東甲信越地方会でのTAVIのスポンサードセッションで当院の川原先生が登壇しました。

 

セッションの趣旨としては、TAVIを実施していないクリニックなどの施設の先生方に、ASの怖さや早期の治療が必要なこと、治療のチャンスを逃さないことを伝えるものでした。

川原先生は当院で実際に経験した症例を交えての講演で、治療対象となる患者像がイメージしやすかったようです。

 

発表中の一コマ

 

ちなみに川原先生が演者に選ばれたきっかけは、今回の地方会の大会長である三井記念病院の田邉先生が若手の発表の場を作りたいとのご意向があり、おそらく国内最年少のTAVI指導医である川原先生にお声がかかりました。

 

当院では山田先生と川原先生が中心になってTAVIを行っていますが、先に指導医を取得した山田先生に続き、川原先生も実施医そして指導医を取得しました。今後も県央地区でのTAVIの普及に頑張ってください♪ 

(編集長)

セッション終了後

同じく登壇した虎の門病院の山口先生と

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総合内科の専門研修2024

2024.02.19
カテゴリー: ブログ

今回は総合内科での専門研修について紹介します。

 

水戸済生会は大学とは異なって、地方の公的病院ですので全ての内科診療がそろっている訳ではありません。

 

しかし、このブログでも紹介してきたように消化器内科、循環器内科、腎臓内科は以前から症例数もスタッフも多く、県央地域での地域完結できる医療を目指して今日も頑張っています。それ以外の診療科は外来のみの体制でしたので、当院の内科専門研修では、呼吸器内科、血液内科、神経内科などを中心に、近隣の施設で研修させてもらっています。

 

と言っても、当院で肺炎患者さんを診療しない訳にはいきませんので、一般内科としてのコモンな症例は総合内科で担当しています。具体的には肺炎や胸膜炎、尿路感染などの感染症、糖尿病性ケトアシドーシスや甲状腺クリーゼなどの代謝疾患、膠原病を含めた不明熱の精査など、地味ですが幅広い症例を担当しており、内科専門研修としてはJOSLER症例確保に役立ってきました。

 

そんな水戸済生会の内科に、昨秋から脳神経内科、リウマチ膠原病内科医の常勤医が赴任しました。この脳神経内科とリウマチ膠原病内科の入院患者さんも総合内科で担当するようになり、すでに自己免疫性脳炎や痙攣重積発作、SLEやEGPAなどの症例を当院の専攻医が主治医として担当し、JOSLER症例になっています。

 

つまり、これからの水戸済生会の内科専門研修では、脳神経内科領域と膠原病領域の症例確保が容易になり、かつ長く症例をフォローできるということです。

 

さらに今年4月からは現在非常勤で外来をお願いしている筑波大学血液内科から、常勤医が赴任する予定です。実は、血液内科の指導の下でリンパ腫やMDSの化学療法はすでに総合内科で始めていますが、4月以降も総合内科で一緒に診療する予定です。

 

今まで水戸済生会の内科は、消化器内科、循環器内科、腎臓内科に絞ってアピールしてきましたが、これからは脳神経内科、リウマチ膠原病内科、そして血液内科を考えているあなたにもチャンスがある環境になります! ぜひご期待ください!! 

(編集長)

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専門医の役割は何か?

2024.02.12
カテゴリー: ブログ

80歳台後半の女性。ADLは自立して、畑仕事も元気にやっている方でした。ある時、胃痛を主訴に他の医療機関を受診しました。そこで上部消化管内視鏡検査を行ったところ進行胃癌が見つかりました。

 

ところが、心電図で前壁領域の異常Q波を認め、心エコーでも同領域の壁運動低下とEF45%の収縮能の低下を指摘されました。どうやら胃痛の原因は心筋梗塞で、胃癌はたまたま発見されたようです。

 

循環器内科をやっていると、ときどきこんな症例に遭遇しますが、この患者さんは前の医療機関では「手術できない、緩和ケア病棟に入院したら」と言われたそうです。

 

本人は今では胃痛も消失し、いたって元気。認知症もなく、病状も良く理解されています。ご家族も、そんな状況で緩和ケア??と納得できずに当院の外来にやってきました。

 

胸部レントゲンでは心不全兆候もなく、本人は以前と同様に畑仕事をやっていて、症状はありません。すでに発症から1か月以上は経過しているようです。

 

さて、あなたならこの患者さんの治療方針をどう考えますか?(循環器専門医の役割は何かという質問に置き換えて、あなたなりに考えてみてください)

おそらく心筋梗塞があると全身麻酔がかけられない、おまけに抗血小板薬を飲むから、手術の時に止めなくてはいけない、その時に心筋梗塞が悪化したらマズいのでは・・・、とあなたも考えるのではないでしょうか。

 

でも心筋梗塞といっても、心筋ダメージは小さくEFは正常で、日常生活に何も支障ない場合から、心不全で繰り返し入院したり、心室頻拍でICDを植え込む場合もあります。この患者さんは、心筋梗塞後も心不全症状はなく、畑仕事をやっても症状がないので、耐術能はありと考えます(もちろん心エコーとか、CTでの評価は行いました)。消化器内科と消化器外科と相談し、胃全摘を無事に終えました。もとが元気な方でしたので、退院後もADLの低下は無いようです。

 

ガイドラインに沿った診療をするのは、専門医でなくともできることですが、ガイドラインに沿った患者さんばかりではないのが実臨床です。特に高齢の患者さんでは、併存疾患があるのが当たり前ですが、「心筋梗塞だから手術できない」とか「進行胃癌だから心カテできない」といった感じで思考停止にならず、ホントに必要なことは何か?何が患者さんにとって大事で優先させなければいけないことなのかを考えて、判断していくのが専門医の役割ではないかと思うのです。

 

あくまで編集長個人の考えですが、多くの問題を抱えている患者について、おかれた条件の中で最適解を考えて出して、実行していくのが専門医の役割の一つだと思いますし、あなたにもそんな専門医になってもらいたいと考えています。

 

水戸済生会の内科専門研修では、地域の基幹病院としていろいろな背景をもった患者さんの診療を行っています。患者さんにとっての最適解を考えていく場をこれからも提供していきます。

(編集長)

 

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腎臓内科の専門研修2024

2024.02.05
カテゴリー: ブログ

今回は腎臓内科の専門研修についての紹介です。

 

当院は日本腎臓学会認定の研修施設で、診療内容として腎炎やネフローゼ、急性腎不全はもちろんのこと、慢性腎不全の治療選択(血液透析、腹膜透析)、透析患者のアクセス(シャント)まで行っています。腎臓内科医がいる施設はもともと多くありませんが、幸い当院には専攻医も含めて腎臓内科医がいるので、地域の症例が集まるだけでなく、透析導入施設としての役割も大きく、透析導入数は全国トップクラスに位置しています。もちろん、他科に入院中の透析患者の合併症も含めて、多くの症例に触れることで幅広い経験を積むことができます。

 

さらに当院の大きな特徴が2つあります。

 

1つ目は、当院は茨城県立こども病院と隣接しており、総合周産期母子医療センターがあります。このため腎炎合併妊娠や透析患者さんの妊娠などの、普通の施設では、まずお目にかかれないような症例が経験可能です。腎生検や透析導入症例も多く、実に多彩な患者を経験できます。

 

2つ目は、透析のアクセス症例の多さです。透析患者さんのアクセス(シャント)は言ってみれば命綱ですが、残念ながらアクセストラブルは避けられません。当院ではアクセストラブルに対するPTAを腎臓内科でカバーしており、コロナの影響で一時的に減少したものの、2021年度のPTAが536件と年々増加しています。水戸地区だけでなく、かなり遠方からも症例を紹介いただき、かなり難渋する症例も含まれるのですが、ほとんどを腎臓内科のみで対応しています。ちょっと考えにくいと思いますが、腎臓内科医なのに朝から晩まで手術室かカテ室で過ごす日があるほどです。

腎臓内科のサイトはこちら

 

ここであなたも考えてみてください。

 

あなたが腎臓内科の専門研修を受ける時、まだ十分な専門知識のない時期に、症例数だけ多い病院で研修しても、診療に深みがでません。一方、質は高いけれど、症例の偏りがある病院で研修しても診療に幅がでません。数の点でも、質の点でも腎臓内科領域の症例をバランスよく、そして多くの症例を経験できるのが当院の特徴と自負しています。

 

当院では内科専門医プログラムを終えて、腎臓内科のサブスペシャルティ研修へと、腎臓専門医取得までシームレスな研修環境を提供できます。他にも透析専門医や高血圧専門医、アフェレーシス専門医などを取得することが可能です。

 

現在は、腎臓内科を志望している専攻医が1名在籍しており、女性医師も多くいます。家庭やプライベートとのバランスも整えながら日々研修に励むことができます。症例に困ることもなく、数と質を担保された当院で、あなたも内科専門研修そして腎臓専門医の取得を目指してください!

 

水戸済生会の腎臓内科に関して、どんな小さなことでも質問や疑問があれば、遠慮なく下記の問い合わせフォームからご連絡ください!

(編集長)

 

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