専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。

これからは、あなたが決める番です

2023.03.20
カテゴリー: ブログ

今J2のあなたは、あと2週間もしたら初期研修医を終えて、専攻医としてのトレーニングが始まります。

 

今までは上級医や指導医に判断してもらい、それを忠実に実行していれば評価されたかもしれません。でも専攻医になると、重要な方針は指導医と相談しつつも、細かい指示や判断までいちいち指導医に仰ぐのではなく、あなたが決めなくてはなりません。

 

「決める」「判断する」ということは、思っている以上に大変なことで、不安がつきものです。例えば、もし専攻医になったあなたが当直中に、こんな症例に遭遇したらどうでしょうか?

70歳代の男性で主訴は心窩部痛。当日早朝から心窩部痛を自覚し、何度か嘔吐もありました。自宅で様子をみていたけど、飲水も食事も十分出来ずに、心窩部痛が持続するため夜になってERを受診しました。

 

受診時のバイタルは血圧90/60 mmHg 脈拍40bpm 体温35.6度 呼吸数22回心電図では心室レートが40回/分の完全房室ブロックと下壁誘導のST上昇を認めました。

 

どこから見てもSTEMIで、しかも徐脈とショックになっているので早急な対応が必要です。ER当直中のあなたは循環器内科をコールして、緊急PCIの準備を看護師さんたちに指示しました。

 

ところが採血結果が出たので見てみると、Cr3.6mg/dlと腎機能が悪いことが判明しました。PCIではヨード造影剤も多く使ってしまいます。もしかしたら造影剤を使うことで透析導入になってしまうかもしれない。

 

循環器内科医をコールしたけど、コールしない方が良かったのか? もしかしたら怒られるかも?? PCIはやらない方が良いのか???

 

初期研修中は不安になることもなく言われた通りに対応してきましたが、いざ自分で判断するとなると、急に不安になって、悩んでしまう状況は良くあります。

 

でも、「臨床は例外対応の連続」なので、ガイドラインなどを踏まえつつ、

・何を優先させるのか?

・何を犠牲にするのか?

といった常に厳しい判断が求められます。

 

この症例は70歳台のショックを呈するSTEMIですから、たとえ腎機能を犠牲にしても救命のためにPCIすべき症例だと思います。後から考えれば、それ以外の対応はないと思いますが、たとえ循環器内科をコールしても不安はつきもの。でもこれからはあなたが判断する番になります。

 

そんな時に適切な判断が出来るようなるためには、知識のアップデートも大事ですが、先輩や指導医がその症例の何を重視して判断したのか?どの臨床情報が重要なのかを必ず聞き出してみてください。もちろん初期研修中に経験した症例を思い出しておくのも役に立ちます。「どう判断するのか」にフォーカスすることで、あなたの専門研修もレベルアップするはずです。

 

追記:このSTEMIの患者さんは約半日の脱水状態で腎機能の悪化を来したと考え、PCIに取り掛かるまでの間に約1Lの輸液を行いました。PCIも上手くいって、術後も順調に腎機能が回復してくれました。

(編集長)

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日循で発表してきました♪

2023.03.13
カテゴリー: 循環器

先週のことですが、日本循環器学会学術集会が福岡で開催され、当院の本田先生がポスター発表をしてきました。

 

昨年まではコロナの影響でオンライン中心の開催になっていましたが、久しぶりのリアル開催で、なおかつオンデマンド配信を見ると専門医更新の単位もとれるので、地方にいる循環器内科医には有難い開催形式だったと思います。

 

福岡ということもあり、編集長は初日の朝に茨城空港から直行便で福岡へ。福岡は夜でも上着がいらないほどの暖かさと天気のよさで快適でした。2日間いて、ちゃんと勉強してきました。やはり国内最大規模の循環器学会ですので参加者も多く、心不全療養指導士など医師以外のセッションも非常に盛り上がっていました。

 

 

学会2日目の午前に本田先生の発表がありました。内容は心房細動に対するアブレーションに関するものでしたが、似た内容の論文が最近発表されていて、別の結果だったのですが、その点に関する質問も無難にこなしていました。本田先生、お疲れ様でした。

 

日常臨床の忙しい中で発表の準備をするのは、なかなか大変なものですが、今後はもう少し学会発表を増やしていきたいと思っています。

(編集長)

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STEMIか?解離か? CTはいつ撮るべきか

2023.03.06
カテゴリー: 循環器

50歳代の男性が胸痛で搬送されてきました。心電図は下壁誘導(Ⅱ、Ⅲ、aVF)でST上昇が見られます。

 

バイタルは血圧170/100mmHg、心拍数86bpm、体温36.5℃、呼吸数20回/分。STEMIと診断して、緊急PCIの準備に取り掛かりました。そんな最中に、「A型解離の可能性は大丈夫かな?」「CTどうする?」と誰かが言いました。

 

こんな時、あなたならどうしますか?

 

確かに、急性A型大動脈解離では胸痛の訴えが多いですし、右冠動脈を巻き込むことが多く、下壁梗塞の心電図を呈します。では、下壁梗塞とか、胸痛を訴える患者さんは、A型解離を鑑別するために、全員に造影CTを施行するべきなのでしょうか?

 

一方で、STEMIに比べれば、急性A型大動脈解離は頻度がずっと少ないですし、CTを撮ればPCI開始までの時間が長くなり、せっかちな循環器医は待ってくれません。

 

こんなときに参考になるのが、大動脈解離診断リスクスコア(ADD-RS : Aortic DissectionDetection Risk Score)です。(Circulation 2011; 123:2213-8)

 

 

 

3つのカテゴリーがありますが、各カテゴリーの中で1つ以上該当するものがあれば1点とし、0点から、最高3点となります。0点は低リスク、1点は中リスク、2点以上は高リスクとします。

 

このスコアでは、症状も重要で、裂けるような痛みと表現されています。(ちなみにSTEMIでは胸痛と言っても、「象に乗られたような、胸全体が苦しい感じ」という表現に近くなります。ですので、胸痛と一言で片づけないで、良く症状を聞き出しましょう)

 

さらに、このADD-RSとDダイマーをあわせて、大動脈解離を除外していくアルゴリズムも提唱されています。(Circulation.2018; 137:250-8.)

 

 

「解離の可能性は?」「CTを撮るべきか?」 悩んだ時は参考にしてみてください。

(編集長)

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専攻医のための仕事の進め方

2023.02.27
カテゴリー: ブログ

2月と3月は編集長にとって、とても忙しい時期です。と言うのは、初期研修医の修了判定のため各病院で研修管理委員会が開催されるので、タイミングによってはZoomのはしごで出席しなくてはいけません。

 

さらに内科専攻医についても同様で、JOSLERでの29編の病歴要約の査読が終わったと思ったら、今度は承認作業となります。いくつかの大学の管理会議にも参加していますが、例年病歴要約以外にも多職種評価など、さまざまな必須項目があって、結局3年で内科専門プログラムを修了できない人がかなりの割合でいます。これは全国的に同様の傾向なので、やはり日ごろからコツコツとJOSLERの入力をしていくのが一番の近道です。

 

でも、そうは言っても院内の仕事もあるし、当直もあるし、ついつい後回しになるのは良く分かります。でも、JOSLERを含めてどの仕事から先に片付けるべきか? 生産性を上げるにはどうしたらいいか? あなたは意識したことがあるでしょうか?

 

仕事の進め方をどう考えるのかはすごく大事で、当院の医学生・初期研修向けのブログでも過去にたびたび取り上げてきました。編集長自身も分かっているけどできていないので、ときどき時間をとって考える時間を作るようにしています。元ネタは「7つの習慣」という本の中の「時間管理のマトリックス」というものです。さらに少し前に読んだ本に、このマトリックスを発展させた考え方が書いてあり、なるほどと思ったのでシェアしたいと思います。専攻医のあなたにも必ず役立つはずですよ。

 

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まずは、7つの習慣の中にある「時間管理のマトリックス」について説明します。

やらなければいけない仕事を、下の図のように4つのカテゴリーに分けた時、あなたは最初にどのカテゴリーの仕事に取り組みますか?

 

最初はⅠのカテゴリーを選びますよね。これには異論はないと思います。

 

では2番目に取り組む仕事は何でしょう? たいていの人はⅢのカテゴリーと答えます。

 

でも、具体的な仕事を想像してみてください。専攻医の仕事でⅢのカテゴリーに入るのは・・・、例えば退院直前になって退院指示とか診断書を書いてくれと看護師さんに言われるとか、夕方になって翌日の点滴の指示を出してくれと看護師さんから電話がかかってくるとか・・。よく考えると、前もって処理できそうなものがほとんどです。

 

では、カテゴリーⅡに入る具体的な仕事は・・・、例えば学会の発表とか抄読会の当番、JOSLERの入力や専門医試験に向けてのお勉強が相当すると思います。ところが、学会発表の準備が前日まで終わっていないとか、明日の抄読会の準備が出来ていない、と言っても許してもらえませんよね。JOSLER入力も終わらなけれ専門医試験を受験できません

 

つまり、油断していると緊急度も重要度も高いⅠのカテゴリーに移ってしまいます。当たり前ですが、学会や抄読会、JOSLER入力をちゃんとしていれば、カテゴリーⅡからⅠの事案にならずに済むわけです。仕事を進めるコツは、カテゴリーⅡの仕事を上手く処理して、カテゴリーⅠの事案にならないようにしておくことなのです。

 

さらに、カテゴリーⅢの仕事を大きくしないように、効率よく片付けることです。Ⅱを大きくして、Ⅲを小さくするように優先順位を決めて取り組んでいくのが理想的です。

 

ところが、カテゴリーⅡの仕事は大事なことは分かっているけど、どうしても取り掛かりにくいという特徴があります。JOSLER入力や学会発表の準備をやらなくてはいけないのは分かっているけど、いざとなると後回し・・・。

 

こんな時に「時間投資思考(ロリー・バーデン著)」という本には、重要度(Important)と緊急度(Emergent)に加えて、「将来的意義(原著ではSignificant)」という3つ目の軸を加えて考えると良いことが書かれています。

 

将来的意義(Significant)のイメージ

 

例えばあなたのキャリア形成を考えてみるとイイと思います。将来、どの診療科に進むか?専門医資格などを、いつ取得するのか?といったキャリア形成から見た場合に重要なことがカテゴリーⅡに相当します。専門医資格取得にはJOSLER、学会発表が条件となっていることが多いですから、学会発表ととらえるより、その先の専門医資格のための準備ととらえると、少しやる気がでませんか?。

 

「今」重要なのは何か?だけでなく、「後」に重要な効果を生むものは何か?ということまで考えて判断を下すと、カテゴリーⅠに行かないように、カテゴリーⅡの仕事に取り組めるようになるという話でした。これであなたもちょっと意識を変えて仕事に取り組めるはずです。

(編集長)

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腎臓内科の専門研修2023

2023.02.20
カテゴリー: 腎臓内科

今回は腎臓内科の専門研修についての紹介です。

 

当院は日本腎臓学会認定の研修施設で、診療内容として腎炎やネフローゼ、急性腎不全はもちろんのこと、慢性腎不全の治療選択(血液透析、腹膜透析)、透析患者のアクセス(シャント)まで行っています。腎臓内科医がいる施設はもともと多くありませんが、幸い当院には専攻医も含めて腎臓内科医がいるので、地域の症例が集まるだけでなく、透析導入施設としての役割も大きく、透析導入数は全国トップクラスに位置しています。もちろん、他科に入院中の透析患者の合併症も含めて、多くの症例に触れることで幅広い経験を積むことができます。

 

さらに当院の大きな特徴が2つあります。

 

1つ目は、当院は茨城県立こども病院と隣接しており、総合周産期母子医療センターがあります。このため腎炎合併妊娠や透析患者さんの妊娠などの、普通の施設では、まずお目にかかれないような症例が経験可能です。腎生検や透析導入症例も多く、実に多彩な患者を経験できます。

 

2つ目は、透析のアクセス症例の多さです。透析患者さんのアクセス(シャント)は言ってみれば命綱ですが、残念ながらアクセストラブルは避けられません。当院ではアクセストラブルに対するPTAを腎臓内科でカバーしており、コロナの影響で一時的に減少したものの、2021年度のPTAが536件と年々増加しています。水戸地区だけでなく、かなり遠方からも症例を紹介いただき、かなり難渋する症例も含まれるのですが、ほとんどを腎臓内科のみで対応しています。ちょっと考えにくいと思いますが、腎臓内科医なのに朝から晩まで手術室かカテ室で過ごす日があるほどです。

腎臓内科のサイトはこちら

 

ここであなたも考えてみてください。

 

あなたが腎臓内科の専門研修を受ける時、まだ十分な専門知識のない時期に、症例数だけ多い病院で研修しても、診療に深みがでません。一方、質は高いけれど、症例の偏りがある病院で研修しても診療に幅がでません。数の点でも、質の点でも腎臓内科領域の症例をバランスよく、そして多くの症例を経験できるのが当院の特徴と自負しています。

 

当院では内科専門医プログラムを終えて、腎臓内科のサブスペシャルティ研修へと、腎臓専門医取得までシームレスな研修環境を提供できます。他にも透析専門医や高血圧専門医、アフェレーシス専門医などを取得することが可能です。

 

現在は、腎臓内科を志望している専攻医が2名在籍しており、女性医師も多くいます。家庭やプライベートとのバランスも整えながら日々研修に励むことができます。症例に困ることもなく、数と質を担保された当院で、あなたも内科専門研修そして腎臓専門医の取得を目指してください!

 

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昨年開催した内科専門研修

プログラム説明会の一コマ

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循環器内科の専門研修2023

2023.02.13
カテゴリー: 循環器

もしあなたが、循環器内科に興味があって

 

・STEMI患者のPCIをできるようになりたい

・アブレーションで不整脈を治したい

・早いうちからTAVIもMitraclipもやりたい

・PADやAortaなど心臓以外もやってみたい

 

これらいずれかに当てはまるなら、この先を読む価値があります。そして医局に入らずに循環器専門医資格を取りたいと思っている

なら、なおさら最後まで読んでください。

 

ご存じの通り、循環器領域は日中でも夜でもERに最も呼ばれる診療科の一つで、決して楽な診療科ではないかもしれません。ですが、自分の治療で患者さんがみるみる良くなることも実感できる診療科でもあります。さらにデバイスの進歩が目覚ましく、治療戦略が次々にアップデートされ、それだけやりがいのある領域です。水戸済生会の循環器内科は「地域完結」をキーワードの一つに掲げて、循環器領域の大部分の診療をカバーしています。

 

循環器内科のサイトもぜひご覧ください

 

もう少し紹介すると、水戸済生会の循環器内科はPCIではもともと県内で有数の施設でしたが、さらにカテーテルアブレーションやICD、CRTにも早くから取り組んでおり、今ではアブレーションも県内有数の症例数となっています。また循環器内科医が関わることの多いPADに対するEVTも県内トップの症例数で、さらに心外との連携が密で、大動脈瘤、大動脈解離へのステントグラフトや大動脈弁狭窄症に対するTAVI、そしてMitraclipも順調に症例を重ねています。

 

新しいデバイスは症例数の多い施設から導入されることが多いので、あなたが専門研修施設を選ぶ時は当然考慮すべきポイントです。さらに最近では、新しいデバイスの術者になるための要件として、ほとんどの場合で循環器専門医資格が必要になっています。循環器専門医を取得したうえで、他の循環器領域の資格であるCVIT専門医や不整脈専門医などを取得するシステムになっています。

 

つまり、循環器専門医を持っていないと、いくら経験や技術はあってもその次の資格が取得できないようになっているのです。あなたが循環器内科を考えているなら、最初にすべきことは内科専門医を最速で取得し、最短で循環器専門医資格を得ることです。そして、そんな時に当院は有利です。

 

先ほど紹介したように主要な疾患をカバーしていることに加え、県立こども病院が隣接しているため成人の先天性心疾患症例も含めて当院は症例数も多く、異動することなく1つの施設で専門医取得のための症例が全部経験できるのです。そして専門医資格を取得後も、PCIをはじめとした各種の施設認定を受けているので循環器領域の各種の資格取得もスムーズです。しかも、大学の医局とは関係なく専門医資格を取得できるのが当院の強みです。

 

当院の内科専門医プログラムから循環器領域をじっくりと腰を据えて、技術の取得と経験症例数の確保に専念できる環境ですので、あなたも当院での内科専門医プログラムから循環専門医取得を目指してください

 

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消化器内科の専門研修2023

2023.02.06
カテゴリー: 消化器内科

今回は消化器内科の専門研修について紹介します。

 

今年度(令和4年度)の消化器内科には7名のスタッフと消化器内科志望の専攻医が5名います。専攻医5名のうち、2名が他施設の内科専門研修プログラムからのローテーションで来てくれていますが、3名は当院の内科専門研修プログラムに在籍しています。

 

そして次年度(令和5年度)からは消化器内科志望の専攻医が4名加わってくれます。(なんと、応募してくれた専攻医全員が消化器内科志望でした♪)他施設からのローテーションの2名は自施設に戻りますが、それでも2名の増員となるので、ますます活気がでますね。

 

どの病院でも消化器内科は患者さんも多く、とても忙しい診療科ですが、水戸済生会の消化器内科は以下のような特徴があります。

 

① 高いQOL

チーム制を実効性のある形で導入しているので、仕事の時はみっちり仕事。休みの日は、完全オフ。仕事と趣味を両立できます。それを実現するために、上下の隔たりなく仲間として全員で力を合わせて診療しています。

 

② 幅広い治療手技

内視鏡治療は当然のこと、当院ではエコー下穿刺治療、血管内治療もすべて自科で行います。食道静脈瘤に対するBRTOや憩室出血や腹腔内出血も血管内治療グループと共に治療にあたりますので、消化器内科がカバーすべきほぼすべての治療手技+αを習得できます。

 

③ 高難度治療

EUS下穿刺治療、胆道鏡(SpyGlass)を積極的に行っており、さらに小腸内視鏡も導入されました。これからの内視鏡医に求められる新しい治療技術も身に着けられます。また、外科との合同手術(LECS)も導入し、協力して治療を行っています。

 

④ IBD(炎症性腸疾患)診療

IBD診療も積極的に行っております。典型的初発症例の寛解導入は当然ながら、ステロイド抵抗例などの難治例、外科治療を考慮すべき重症例まで対応しています。IBDの基本治療薬である5-ASA製剤の使い分けはもちろん、栄養療法、血球除去療法、免疫抑制剤、生物学的製剤など、ありとあらゆる医療リソースを用いたIBDの幅広い治療戦略を学ぶことができます。

 

冒頭でも紹介したように専攻医が5名いますが、他院のプログラムから来た専攻医は、自院ではあまり内視鏡などの手技をできていなかったようですが、当院ではすでに数多くの症例を経験し、どんどん上達しているようです。あなたも水戸済生会の消化器内科で一緒にレベルアップを目指しましょう!

 

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専門医の役割は何なのか?

2023.01.30
カテゴリー: ブログ

80歳台後半の女性。ADLは自立して、畑仕事も元気にやっている方でした。ある時、胃痛を主訴に他の医療機関を受診しました。そこで上部消化管内視鏡検査を行ったところ進行胃癌が見つかりました。

 

ところが、心電図で前壁領域の異常Q波を認め、心エコーでも同領域の壁運動低下とEF45%の収縮能の低下を指摘されました。どうやら胃痛の原因は心筋梗塞で、胃癌はたまたま発見されたようです。

 

循環器内科をやっていると、ときどきこんな症例に遭遇しますが、この患者さんは前の医療機関では「手術できない、緩和ケア病棟に入院したら」と言われたそうです。

 

本人は今では胃痛も消失し、いたって元気。認知症もなく、病状も良く理解されています。ご家族も、そんな状況で緩和ケア??と

納得できずに当院の外来にやってきました。

 

胸部レントゲンでは心不全兆候もなく、本人は以前と同様に畑仕事をやっていて、症状はありません。すでに発症から1か月以上は経過しているようです。

 

さて、あなたならこの患者さんの治療方針をどう考えますか?(循環器専門医の役割は何かという質問に置き換えて、あなたなりに考えてみてください)

おそらく心筋梗塞があると全身麻酔がかけられない、おまけに抗血小板薬を飲むから、手術の時に止めなくてはいけない、その時に心筋梗塞が悪化したらマズいでしょ。とあなたも考えるのではないでしょうか。

 

でも心筋梗塞といっても、心筋ダメージは小さくEFは正常で、日常生活に何も支障ない場合から、心不全で繰り返し入院したり、心室頻拍でICDを植え込む場合もあります。この患者さんは、心筋梗塞後も心不全症状はなく、畑仕事をやっても症状がないので、耐術能はありと考えます(もちろん心エコーとか、CTでの評価は行いました)。消化器内科と消化器外科と相談し、胃全摘を無事に終えました。もとが元気な方でしたので、退院後もADLの低下は無いようです。

 

ガイドラインに沿った診療をするのは、専門医でなくともできることですが、ガイドラインに沿った患者さんばかりではないのが実臨床です。特に高齢の患者さんでは、併存疾患があるのが当たり前ですが、「心筋梗塞だから手術できない」とか「進行胃癌だから心カテできない」と思考停止にならず、ホントに必要なことは何か?何が患者さんにとって大事なことなのかを考えて、判断していくのが専門医の役割ではないかと思うのです。

 

あくまで編集長個人の考えですが、多くの問題を抱えている患者について、おかれた条件の中で最適解を考えて出して、実行していくのが専門医の役割の一つだと思いますし、あなたにもそんな専門医になってもらいたいと考えています。

 

水戸済生会の内科専門研修では、地域の基幹病院としていろいろな背景をもった患者さんの診療を行っています。患者さんにとっての最適解を考えていく場をこれからも提供していきます。

(編集長)

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水戸済生会総合病院の専門研修

2023.01.23
カテゴリー: ブログ

今回は当院の専門研修の概要について紹介します。

 

当院は472床の総合病院で、救命救急センター(3次救急)を有しており、ドクターカーやドクターヘリの基地病院でもあります。また、茨城県立こども病院と隣接しているため、茨城県の県央・県北地区の総合周産期母子医療センターとしてハイリスク分娩などを一手に引き受けています。

 

専門研修は内科で基幹型プログラムを有していますが、それ以外の診療科は、筑波大学をはじめとした専門研修プログラムの協力施設として、専攻医を受け入れています。

 

 

初期研修医の定員は10名で、おかげさまでこの数年はフルマッチが続いており、このうち当院の内科専門研修プログラムに進むのは毎年1~2名です。最近では他施設で初期研修後に当院の専門研修プログラムを選択してくれる人も少しづつ増えてきて、いろいろと活気づいています。

 

ちなみに過去3年間の当院で初期研修を終えた研修医の進路は、

 

・当院の内科専門研修プログラム

・筑波大学の内科専門研修プログラム(呼吸器内科、膠原病内科、循環器内科)

・筑波大学の消化器外科、麻酔科、整形外科、産婦人科、脳外科、救急科、皮膚科

・県立こども病院、こころの医療センター、栗田病院

 

など県内の施設が多いのですが、毎年2~3名は県外の施設での研修を選択しています。

 

筑波大学の産婦人科や消化器外科に進んだ人は、当院での初期研修後にそのまま半年~1年間程度当院に在籍して症例数を稼いでから大学に行くケースが多いようです。

(編集長)

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専門診療科を決めるときに考えるべきこと

2023.01.16
カテゴリー: ブログ

年が明けて、もう2か月もすると後輩ができることに気づいたJ1のあなた。

後輩にイイところを見せられるかという心配とともに、3年目以降の専門研修をどうするか? どこに、いつ頃見学に行こうかと、そろそろ考え出していると思います。

ほんの10か月前、初期研修が始まったばかりの頃は、目の前のことをこなすのに精いっぱいでしたが、今では少し余裕ができて、いろいろなことが見えてくるのではないでしょうか?

当院の研修医も専門研修をどうするのか悩んでいますが、もともと志していた診療科に進む人、ローテーションしてみて

興味を持った診療科に進む人、実際にローテーションしてみて当初考えていた診療科は不向きだと気付く人、といろいろあります。

以前に当院のマッチング研修医の動向を調べたことがあるのですが、初期研修開始時の希望診療科と3年目で選択した専門診療科が同じだったのは約4割でした。つまり、学生の頃に考えていた診療科はあるけれど、半分以上の人が初期研修中に悩んで悩んで診療科を決めているという感じなのだと思います。

編集長が研修医らに話すのは、どうして医師になったのか? もともと考えていた診療科をどうして選んだのか?

そこを、もう一度考えてみることを勧めています。

自分が医師になったきっかけは、実際のところ自分や家族の病気がきっかけだったり、ブラックジャックなどの漫画(意外と多い!)やドラマでカッコいいと思った、など人それぞれです。

ただ、実際の専門診療科を選ぶとなるともう少し現実的かもしれません。医学生のときと違ってローテーションしてみると、自分は不器用で手技は向かないとか、興味なかったけどすごく才能があって面白くなったとか、その診療科のリズムが合う、合わないということが分かります。他にも上級医の対応がかっこよくて無理だと思っていた患者さんを助けることができたので自分もできるようになりたい、といったことも少なからずあります。

医師という職業はとてもやりがいがありますが、決して楽な職業ではありません。どの診療科に進むとしても、それなりの覚悟は必要です。労働条件とか給料といった条件で比較することも大事ですが、損得勘定よりもリズムが合うとか、カッコイイという憧れの気持ちも大事にした方が仕事が楽しくなりますから、じっくり考えてみてください。

(編集長)

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