専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。

水戸済生会の消化器内科専門研修2023

2023.07.31
カテゴリー: ブログ

水戸済生会総合病院では基幹型の内科専門研修プログラムを有しており、特に腎臓内科、消化器内科、循環器内科は内科専門医を取得後に異動することなく各サブスペシャルティ領域の専門医資格を取得できる施設です。

 

今回は消化器内科の専門研修について紹介します。

 

令和5年度は消化器内科には7名のスタッフと7名の消化器内科志望の専攻医がいます。当院の初期研修あがりは3名で、残る4名は他施設での初期研修を終えてから当院の内科専門プログラムを選択してくれました。内科専門プログラムでのローテーションもあるので、全員が消化器内科に固定されている訳でありませんが、若手が多くなって例年になく活気があります。

 

どの病院でも消化器内科は忙しい診療科ですが、水戸済生会の消化器内科は以下のような特徴があります。

 

① 高いQOL

チーム制を実効性のある形で導入しているので、仕事の時はみっちり仕事。休みの日は、完全オフ。仕事と趣味を両立できます。それを実現するために、上下の隔たりなく仲間として全員で力を合わせて診療しています。

 

② 幅広い治療手技

内視鏡治療は当然のこと、当院ではエコー下穿刺治療、血管内治療もすべて自科で行います。食道静脈瘤に対するBRTOや憩室出血や腹腔内出血も血管内治療グループと共に治療にあたりますので、消化器内科がカバーすべきほぼすべての治療手技+αを習得できます。

 

③ 高難度治療

EUS下穿刺治療、胆道鏡(SpyGlass)を積極的に行っており、さらに小腸内視鏡も導入されました。これからの内視鏡医に求められる新しい治療技術も身に着けられます。また、外科との合同手術(LECS)も導入し、協力して治療を行っています。

 

④ IBD(炎症性腸疾患)診療

IBD診療も積極的に行っております。典型的初発症例の寛解導入は当然ながら、ステロイド抵抗例などの難治例、外科治療を考慮すべき重症例まで対応しています。IBDの基本治療薬である5-ASA製剤の使い分けはもちろん、栄養療法、血球除去療法、免疫抑制剤、生物学的製剤など、ありとあらゆる医療リソースを用いたIBDの幅広い治療戦略を学ぶことができます。

 

冒頭でも紹介したように専攻医が増えてきていますが、偏りなく内視鏡検査なども経験して、日に日にレベルアップしています。あなたも水戸済生会の消化器内科で一緒にレベルアップを目指しましょう!

 

ご質問など、どんな小さなことでも遠慮なく、下記の問い合わせフォームからご連絡ください!

(編集長)

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大動脈弁狭窄症(介入のタイミング) 

2023.07.24
カテゴリー: 循環器

前回はSAVRとTAVIのそれぞれの特徴を紹介しましたが、どちらの治療を選択するとしても、あとはどのタイミングで外科的な治療介入を行うかが問題となります。

 

今回はガイドラインでの推奨度を確認してみましょう。

 

【AS に対する手術適応の推奨度】

ClassⅠ

・有症候性重症AS 患者に対する手術介入

・無症候性重症AS を有し,心機能低下(LVEF < 50%)を認める患者に対する手術介入

・無症候性重症AS を有し,他の開心術を施行する患者に対するSAVR

・無症候性重症AS を有し,運動負荷試験で症状を呈する患者に対する手術介入

 

ClassⅡa

・無症候性重症AS を有し,運動負荷試験で有意な血圧低下を呈する患者に対する手術介入

・無症候性の超重症ASを有し,低手術リスク* の患者に対する手術介入

・無症候性重症AS を有し,AS による著明な肺高血圧(収縮期血圧60 mmHg 以上)を認め,低手術リスク* の患者に対する手術介入

・無症候性中等症AS を有し,他の開心術を施行する患者に対するSAVR

 

ClassⅡb

・無症候性重症AS を有し,急速に進行(Vmax 年0.3 m/ 秒以上増加)する低手術リスク* の患者に対する手術介入

(* ここでの「低手術リスク」とは,解剖学的/患者背景をふまえて,その手技(SAVR・TAVI含む)が低リスクであることを意味する)

 

 

このように有症状であれば手術を勧めるのは問題ないのですが、無症状だけど重症もしくは超重症のASを見つけた時に手術をどうするかが昔から議論されてきましたが、いまだに結論が出ないところです。

 

そもそもASは高齢者に多く、高齢であるがゆえに症状の判断が難しく,また有症状の定義が不明確という問題があります。

 

また、当然ながら無症候患者に手術を勧めるためには,突然死や不可逆的左室心筋障害の回避など,早期手術により得られる利益が,手術リスクや人工弁に関連する合併症など,早期手術により被る不利益を上回らなければならない訳です。

 

もちろんガイドラインで推奨されているように、EFの低下や運動負荷で症状や血圧低下を来す場合、超重症ASの場合などは明らかに予後が悪くなるので、我々としては手術を強くお勧めしたいところですが、高齢者ほど患者やその家族らとよくよく話し合って決めていく必要があります。

 

なお、経過観察をする場合は、通常は重症ASであれば6ヵ月から1年毎,中等症ASであれば1年から2年毎,軽症ASであれば3年から5年毎のフォローアップを推奨するとされています。

 

参考:弁膜症治療のガイドライン2020年改訂版

(編集長)

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大動脈弁狭窄症(SAVRとTAVI) 

2023.07.17
カテゴリー: 循環器

前回まででASの重症度評価を紹介してきました。今回から治療に関してです。

 

今さらですが、ASは内科的治療では限界があり、外科的治療介入が必要な病気ですが、どのタイミングで、どの外科的治療を選択すべきかは症例ごとに非常に悩むところです。

 

外科的治療には、ご存じの通り外科的大動脈弁置換術(SVAR)と経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)があり、その特徴はおさえておきましょう。

 

SAVRの周術期死亡率は全体で3.0%(SAVR単独2.4%、SAVR+CABG5.4%)、特に80歳以上では5.2%(SAVR単独4.6%、SAVR+CABG7.1%)となっています。長期成績についてもTAVIと同様のウシ心膜を用いた生体弁を70歳以上に植え込んだ場合、人工弁関連死回避率は15年で91~100%,20年で70%となっています。

 

一方でTAVIの30日死亡率は2%以下となっていますが、弁の耐久性は10年以下ならSAVRと遜色ないものの、10年以上の成績が出ていないこと、TAVIを植え込むことで房室ブロックを来してペースメーカー植え込みが必要になることがあるのが弱点です。

 

ガイドラインでもどの治療を選択するのかなど、治療方針を決める際には患者の希望も十分考慮しつつ、ハートチームで以下の点を協議して決めるように推奨しています。

 

①患者背景に関する因子

【SAVRを考慮する因子】

 ・若年
 ・IEの疑い
 ・開胸手術が必要な他の疾患が存在する

   CABGが必要な重症冠動脈疾患
   外科的に治療可能な重症の器質的僧帽弁疾患
   重症TR
   手術が必要な上行大動脈瘤
   心筋切除術が必要な中隔肥大

 

【TAVIを考慮する因子】

 ・高齢
 ・フレイル
 ・全身状態不良
 ・開胸手術が困難な心臓以外の疾患・病態が存在する
   肝硬変
   呼吸器疾患
      閉塞性肺障害(おおむね1秒量<1L)
      間質性肺炎(急性増悪の可能性)
   出血傾向

 

②SAVR,TAVIの手技に関する因子

【SAVRを考慮する因子】

 ・TAVIのアクセスが不良
   アクセス血管の高度石灰化,蛇行,狭窄,閉塞
 ・TAVI時の冠動脈閉塞リスクが高い
    冠動脈起始部が低位・弁尖が長い・バルサルバ洞が小さいなど
 ・TAVI時の弁輪破裂リスクが高い
   左室流出路の高度石灰化があるなど
 ・弁の形態,サイズがTAVIに適さない
 ・左室内に血栓がある

 

【TAVIを考慮する因子】

 ・TF-TAVIに適した血管アクセス
 ・術野への外科的アプローチが困難
   胸部への放射線治療の既往 (縦隔内組織の癒着)
   開心術の既往
   胸骨下に開存するバイパスグラフトの存在
   著しい胸郭変形や側弯
 ・大動脈遮断が困難 (石灰化上行大動脈)
 ・PPM(prosthesis-patient mismatch:人工弁患者不適合)が避けられないような狭小弁輪

 

参考:弁膜症治療のガイドライン2020年改訂版

(編集長)

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【院内開催報告】アブレーションシンポジウム

2023.07.10
カテゴリー: 循環器

水戸済生会の循環器内科では、「地域で完結できる循環器診療」を合言葉に循環器領域の幅広い診療を行っています。近年は不整脈に対するアブレーション治療が大幅に増加して、年間340~350件とPCIの年間250~300件よりも症例数がずっと多くなっています。

 

当院メインオペレーターの長谷川先生(右)

 

以前からアブレーションを行っていましたが、これだけ増えたのは元筑波大学循環器内科教授でアブレーション治療のレジェンドである青沼和隆先生が当院の最高技術顧問に就任したことが契機となっています。

 

そんな青沼先生が中心となって、6月に院外の先生方7名ほどをお招きしてアブレーションシンポジウムを開催しました。

 

テーマは「PSVTに対するアブレーション」で、従来の解剖学的に焼灼部位を決める方法ではなく、マッピングシステムをもとに焼灼部位を決めるという戦略でディスカッションしました。準備した4症例とも非常にうまく、短時間で治療を終えることができ、参加した先生方は非常に手ごたえを感じたそうです。

 

市中病院で充実したアブレーション環境がそろっている水戸済生会の循環器内科では、あなたの見学を歓迎します。ぜひ下記フォームに、必要事項に加えて「アブレーションの見学希望」を入力してお問い合わせてください。

見学申し込みフォームはこちら

(編集長)

青沼先生(右から3番目)を中心に

アブレーション中のディスカッション

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肝性脳症にまつわる誤解 その③

2023.07.03
カテゴリー: 消化器内科

皆様こんにちは。消化器内科の蒼いRX2です。肝性脳症にまつわる3つの誤解、いよいよ今回でラストです!

 

誤解③ とりあえずアミノレバン入れておけばOK!

 

おそらくこれが一番よくある誤解だと思います。この先がとても重要なので、皆様もう少しだけお付き合いください。肝性脳症の治療の本質は、誘因を検索し、その誘因に対して適切に介入することです。その過程を怠り、とりあえずアミノレバンでお茶を濁すような対応をしていると、思わぬ落とし穴に嵌ります。

 

さて、肝性脳症の誘因となるものはたくさんあるのですが、ここでは絶対に見落としてはならないものと、臨床でよく遭遇するものを紹介します。

 

☆絶対に見落としてはならない肝性脳症の誘因

①    消化管出血:特に食道静脈瘤破裂

②    感染症:特発性細菌性腹膜炎(SBP)など

 

吐血や血便のエピソードはないか?血液検査で貧血の進行がないか?もしあるなら、忙しい救急外来でも直腸診をためらってはいけません。エコーで腹水貯留が増悪していないか?しているなら腹腔穿刺・培養を一度は考慮すべきです。

 

☆臨床でよく遭遇する肝性脳症の誘因

①    便秘

②    脱水

③    薬剤・アルコール

 

肝性脳症の患者が来たら、必ず便通に関する問診は行うようにしましょう。食事がとれないことや下痢、利尿薬の過剰投与により患者はしばしば脱水になります。最近新たに処方された薬はないか?特にベンゾジアゼピン系睡眠薬は要注意です。またアルコール性肝硬変の患者が結局断酒できていないことはあるあるですね。患者の家族からの情報収集も非常に重要です。抜かりなく行いましょう。

 

これらの誘因に対するアプローチを適切に行った上で初めて、ではアミノレバンを投与しようか、という段階に進むわけです。どの製剤をどのように使うか、栄養管理は具体的どのようにするかも重要ではあるのですが、ここにはとても書ききれないのでご興味のある方は是非参考文献をご覧ください。

 

いかがでしたか?3回にわたり肝性脳症に関してお送りしてきましたが、救急外来や一般内科外来で忘れた頃にやってくる重要な疾患です。忙しい中ではありますが、雑なマネジメントで患者の命を危険に晒すことがないよう、是非よく復習しておいて下さい。

 

それでは、また次の機会にお会いしましょう。

 

参考文献:1) Hospitalist vol.6 No.3 2018『肝胆膵』

(蒼いRX²)

ERCP中

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