専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。

【循環器内科】TAVI 200 症例達成しました!

2025.01.27
カテゴリー: 循環器

当院での大動脈弁狭窄症(AS)に対するTAVIが、先日200症例を達成しました!

 

TAVIとはTranscatheter Aortic Valve Implantation(経カテーテル大動脈弁置換術)のことで、TAVR(Transcatheter Aortic Valve Replacement)とも呼ばれます。

 

当院では循環器内科の山田先生と川原先生を中心に心臓血管外科や麻酔科、看護師、生理検査技師、放射線技師、ME、リハビリスタッフなどからなるハートチームで順調に症例を重ねており、100症例到達が2022年春でしたので、約3年で100例をこなしたことになります。

 

当院のTAVIについて

 

TAVIは対象となるのが外科的な弁置換術(SAVR)ができない、もしくはハイリスクな高齢の患者さんばかりです。症例によってはアプローチ部位の制約など、なかなか大変な症例がありますが、標準的な大腿動脈アプローチ(TF-TAVI)に加えて、心尖部アプローチ(TA-TAVI)、鎖骨下動脈アプローチ(TS-TAVI)、内頚動脈アプローチ(TC-TAVI)といろいろ対応できるようになっています。

 

未診断のASの心不全に対しても、急性期に緊急で大動脈弁バルーン拡張(BAV)を行って落ち着けてから、その後TAVIにつなげる症例も増えており、緊急対応にも慣れてきた感じです。

 

もしあなたが循環器内科を考えていて、TAVIにも取り組んでみたいなら、ぜひお問い合わせください!

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(編集長)

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BeyondERに記事が掲載されました♪

2025.01.20
カテゴリー: ブログ

BeyondER(ビヨンダー)という雑誌をご存じでしょうか?

 

メディカルサイエンスインターナショナル(MEDSi)という出版社から発行されているER関連の雑誌ですが、ERに関する記事だけでなく、周辺の話題も取り上げていて他の雑誌とはちょっと一線を画しています。

 

例えば、「使命と収益のハザマ(2023年第4号)」とか「在宅診療にコミットする(2023年第5号)」といった感じです。編集委員には当院にもご縁のある東京ベイの舩越拓先生も名を連ねています。

 

そんなBeyondERの最新刊に当院脳神経内科 木村健介先生の記事が掲載されています。

 

 

「脳卒中ーココが皆の困りどころ,気になるところ」という特集のなかで、「脳卒中の画像検査:俺の4つのアルゴリズムー迅速な血栓回収療法の開始につなげるためには?」という記事を書いています。

 

木村先生は脳神経外科とともに脳梗塞のカテーテル血栓回収療法の術者として活躍しており、そのおかげで水戸済生会は茨城県内でも症例数が急速に伸びている施設となっています。そんな木村先生が画像検査を切り口に分かりやすく解説してくれています。もちろん他の記事も非常に勉強になるものばかりですよ。

 

なお、この雑誌は表紙に2023年9月第5号と書いてあるのですが、発行されたのは2024年12月(!)。それだけ編集者らの気合がこもった雑誌と言えます(??)。あなたも是非ご覧になってください。 

MEDSiのサイトはこちら

(編集長)

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CPXの実際(6) VE vs VCO2 slope

2025.01.13
カテゴリー: 循環器

CPX(心肺運動負荷試験)で負荷中の指標を紹介しています。

 

前回は最高酸素脈とVE/VO2、VE/VCO2について紹介しました。今回はVE vs VCO2 slope、PETCO2PETO2です。

 

【VE vs VCO2 slope】

前回紹介したVE/VCO2と同様に、換気血流不均衡がどの程度改善されるのかが分かる指標です。つまり心不全の重症度の指標になるもので、34以上になると予後不良とされています。

 

求め方としては、下図のようにVEが増加し始めた点からRCPまでの傾き(①)を用います。RCP以降だと傾きが急峻になる(②)ので健常人でも値が悪くなる、つまり運動耐容能が低いと評価されてしまいます。

 

【PETCO2、PETO2

PETCO2(終末呼気中のCO2分圧)は、肺血流が少なかったり換気血流不均衡が大きい場合に低値となります。肺血流量、心拍出量、肺血管床減少度の指標となります。

 

これは、血液中のCO2がほぼ完全に肺胞に拡散されるため、すべての肺胞で適切なガス交換が行われていれば肺動脈血CO2分圧と肺胞内CO2分圧と終末呼気中のCO2分圧とがほぼ等しくなるはずですが、ガス交換がうまくいかないと終末呼気中のCO2分圧は低くなるからです。正常値はRCPでのPETCO2が45㎜Hg以上と覚えておけば良いようです。

 

一方、PETO2(終末呼気中のO2分圧)は、負荷中に漸減していきます。運動に伴い呼吸が深くなって、ガス交換がよくなり、呼気中に残っているO2が減少するのですが、ATに達すると逆に増加し始めます。

 

(参考文献:安達仁編著 CPX・運動療法ハンドブック)

(編集長)

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新年のご挨拶

2025.01.06
カテゴリー: ブログ

新年あけましておめでとうございます。

 

いつもこのブログをお読みいただき有難うございます。今回が今年最初のブログになりますが、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

病院は今日から通常営業というところだと思いますが、すでに当番で仕事を始めている人も多いのではないでしょうか。大変お疲れ様です。

 

編集長も大晦日の日勤をしましたが、インフルエンザの患者さんばかりでした。もっとも心不全で退院直後の高齢者とか、保存期腎不全で透析直前の患者さんとか、インフルエンザを契機に不安定化しそうな患者さんばかりだったので、単に抗ウイルス薬と解熱剤を処方すればいいという訳ではなく、内科医の腕の見せ所でした。

 

さて、あなたは今年1年の目標とか、将来の目標を考えたでしょうか? 普段はなかなかスルーしがちですが、年初めというチャンスにぜひ少しの時間をとって考えてみてください。

 

とは言っても、目標を立てたところですんなり到達できるわけではありません。調子が良い時もあれば悪い時もあります。専攻医になると、できることが増えてやりがいがある一方で、失敗すると自分で何とかしなければいけない場面が増えますし、研修医の時とは比べものにならないくらい影響が大きくなって、かなりへこんでしまいます。

 

こういった経験は、大なり小なり誰でもすることなのですが、こんな時に参考になる本を紹介したいと思います。

 

スペンサー・ジョンソンの「頂きはどこにある?」という本です。

 

 

読んだことがある人もいるかもしれませんが、調子が良い時(山)と調子が悪い時(谷)の対処法について書いてあり、薄くて、さっと読み終えることができる本です。検索すれば、すぐにYouTubeなどの要約サイトが出てきますので、探してみてください。

 

こういった本は調子が良い時には、あなたに響かないかもしれませんが、調子が悪い時には刺さる内容だと思いますので、今すぐ読まなくとも存在を覚えておいても良いと思いますよ。

 

まだまだ寒さも続きますので、体調に気を付けながら仕事に頑張っていきましょう!

(編集長)

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