
専門研修ブログ
茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。
水戸済生会の脳神経内科専門研修2025
今回は水戸済生会の脳神経内科についてです。
2023年秋に脳神経内科の木村先生が常勤医として赴任され、総合内科のメンバーとして一緒に診療にあたっています。木村先生は長いこと救急診療で有名な青森の八戸市民病院で救急専門医を取得され、さらに神経内科専門医や脳神経血管内治療専門医を取得し、自身で血管内治療(脳梗塞に対する血栓回収)を行う先生です。現在も週1回はドクターヘリにも搭乗していますし、2024年春から血管内治療を行う脳神経外科医とともに24時間体制で脳血管内治療に対応できる体制を整えて、わずか1年間で県内有数の血栓回収症例数を行うまでに増加させました。
血管内治療を行った脳梗塞患者は、担当した術者の診療科(つまり脳神経内科もしくは脳神経外科)が入院管理を行っていますが、脳神経内科では当然ながらそれ以外の疾患も担当しています。具体的にはALSやパーキンソン病などの変性疾患、自己免疫性脳炎、視神経脊髄炎、てんかんなど多岐にわたります。また認知症に対する新しい治療薬(レカネマブ)の導入も行っています。ほかにも新しい治療薬や血漿交換や免疫吸着などの症例も明らかに増加しており、茨城県の県央・県北地区でもともと少なかった脳神経内科領域に貢献しています。
内科の他の診療科に関心があるあなたにとっても脳梗塞はコモンな疾患ですから、ある程度対応できるようになる必要があります。また治療可能な脳神経内科領域の疾患も、もしかしたらと気づいて専門医につなげるセンスを養っておく必要があります。そんな時に、水戸済生会の内科研修では良い環境を提供できます。
そしてもし、あなたが脳血管内治療に興味があって、脳外科ではなく内科領域にも関心があるのなら水戸済生会の脳神経内科はフィットするかもしれません。ぜひ、下記フォームからご連絡いただき、病院見学にお越しください!
(編集長)
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
総合診断能力を有するスペシャリスト
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また、各診療科の専攻医にZoomで質問できますので、その旨もお知らせください!
専門医の役割は何なのか?
クリニックから80歳の狭心症患者が紹介されてきました。ADLは自立していますが、腎硬化症のためCr3.5㎎/dlと腎機能の低下があります。この1か月で労作時の胸痛が増悪傾向です。すでにクリニックでアスピリンと硝酸薬が処方されていますが、症状は改善なく悪化傾向。心電図ではST上昇はないけど、労作でST低下を認めます。
腎機能に問題なければ、増悪傾向にある不安定狭心症として早期に心臓カテーテル検査やPCIをやりたいところです(ガイドライン的にもOKです)。
ところがよく話を聞くと、あなたのところに紹介される前に別の病院を受診していて、その病院の循環器内科専門医に「心カテをやらないといけないけど、腎機能が悪いのでうちでは対応できない」と言われたそうです。
これってどうでしょう?
(循環器専門医の役割は何かという質問に置き換えて、あなたなりに考えてみてください)
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高齢の患者さんでは、併存疾患があるのが当たり前と言えます。腎機能が悪くて心カテがためらわれる患者さんは編集長の外来にもたくさんいます。編集長なら、カテができないなら、抗血小板療法を強化する、β遮断薬を限界まで増やす、エビデンスとしては高くないけどニコランジルなどの抗狭心症薬を追加する、、、など内服薬をモリモリにして何とか症状を抑えこむことを試みます。あくまで編集長の印象ですが、5~6割は心カテなしで何とかコントロールできるように思います。
ガイドラインに沿った診療をするのは、専門医でなくともできることですが、ガイドラインに沿った患者さんばかりではないのが実臨床です。「心カテができないから、うちでは対応できません」ではなくて、心カテができない患者さんを何とかするのが専門医の役割ではないかと思うのです。
多くの問題を抱えている患者について、様々な制約の中で最適解を考えて出して実行していくのが専門医の役割の一つではないでしょうか?そして、あなたにもそんな専門医になってもらいたいと考えています。
水戸済生会の内科専門研修では、地域の基幹病院としていろいろな背景をもった患者さんの診療を行います。患者さんにとっての最適解を考えていく場をこれからも提供していきます。
(編集長)
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総合内科の専門研修2025
今回は総合内科での専門研修について紹介します。
水戸済生会は大学とは異なって地方の市中病院ですので、全ての内科診療がそろっている訳ではありません。このブログでも紹介してきたように消化器内科、循環器内科、腎臓内科は以前から症例数もスタッフも多く、県央地域での地域完結できる医療を目指して今日も頑張っていますが、呼吸器内科、血液内科、神経内科などは常勤の専門医がいなかったため、内科専門プログラムでは近隣施設で研修していました。
しかし、専門医がいないからと言って診療しないわけにはいきません。例えば肺炎胸膜炎、尿路感染などの感染症、糖尿病性ケトアシドーシスや甲状腺クリーゼなどの代謝疾患は総合内科で担当してきました。
そんな水戸済生会に、2023年秋から脳神経内科とリウマチ膠原病内科医、2024年春から血液内科の常勤医が赴任し、これらの診療科の入院患者も総合内科で担当するようになっています。
実際のところ、扱う疾患が非常に幅広くなったのはもちろんですが、膠原病と血液疾患、そして自己免疫性脳炎など脳神経内科疾患はオーバーラップする部分もあるため、同じような薬剤を使用することも多くあります。このため専攻医にとってだけでなく、指導医同士でもいろいろな相談ができる貴重な場になっています。
総合内科とか総合診療科を標榜する病院はいろいろありますが、上述のように複数の領域の専門医が集まっている総合内科というのはあまりないようです。あなたが内科の中でも診療科をどうするか迷っているなら、水戸済生会の総合内科は間違いなく良い環境になるはずです!
(編集長)
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水戸済生会総合病院の専門研修2025
今回は当院の専門研修の概要について紹介します。
当院は472床の総合病院で、救命救急センター(3次救急)を有しており、ドクターカーやドクターヘリの基地病院でもあります。また、茨城県立こども病院と隣接しているため、茨城県の県央・県北地区の総合周産期母子医療センターとしてハイリスク分娩などを一手に引き受けています。
専門研修は内科で基幹型プログラムを有していますが、それ以外の診療科は、筑波大学をはじめとした専門研修プログラムの協力施設として、専攻医を受け入れています。
初期研修医の定員は10名で、おかげさまで5年連続でフルマッチが続いています。この当院の初期研修医の中から、ほぼ毎年のように1~2名が当院の内科専門研修プログラムに進んでくれています。
さらにこの数年は、他施設で初期研修後に当院の内科専門研修プログラムを選択してくれる人も増えてきて、非常に活気づいています。
内科以外の診療科では、お隣の県立こども病院での小児科専門プログラム、筑波大学の産婦人科や外科系、内科系診療科が多く、そのほかに県外の施設に進む人も数名います。
ちなみに筑波大学の産婦人科や消化器外科に進んだ人は、当院での初期研修後にそのまま半年~1年間程度当院に在籍して、経験症例数を稼いでから大学に行くケースが多いようです。
内科専門プログラムについては、もともと消化器内科、循環器内科、腎臓内科が充実していましたが、2023年秋から脳神経内科、リウマチ膠原病内科医の指導医も赴任し、2024年春から血液内科の常勤医も赴任しました。呼吸器内科の指導医が不在なことが弱点ですが、診療科が充実したことで経験症例が幅広くなり、JOSLERの症例確保に困ることはなくなりました。
今後、水戸済生会の内科専門プログラムについて詳しく紹介していきます!
(編集長)
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BeyondERに記事が掲載されました♪
BeyondER(ビヨンダー)という雑誌をご存じでしょうか?
メディカルサイエンスインターナショナル(MEDSi)という出版社から発行されているER関連の雑誌ですが、ERに関する記事だけでなく、周辺の話題も取り上げていて他の雑誌とはちょっと一線を画しています。
例えば、「使命と収益のハザマ(2023年第4号)」とか「在宅診療にコミットする(2023年第5号)」といった感じです。編集委員には当院にもご縁のある東京ベイの舩越拓先生も名を連ねています。
そんなBeyondERの最新刊に当院脳神経内科 木村健介先生の記事が掲載されています。
「脳卒中ーココが皆の困りどころ,気になるところ」という特集のなかで、「脳卒中の画像検査:俺の4つのアルゴリズムー迅速な血栓回収療法の開始につなげるためには?」という記事を書いています。
木村先生は脳神経外科とともに脳梗塞のカテーテル血栓回収療法の術者として活躍しており、そのおかげで水戸済生会は茨城県内でも症例数が急速に伸びている施設となっています。そんな木村先生が画像検査を切り口に分かりやすく解説してくれています。もちろん他の記事も非常に勉強になるものばかりですよ。
なお、この雑誌は表紙に2023年9月第5号と書いてあるのですが、発行されたのは2024年12月(!)。それだけ編集者らの気合がこもった雑誌と言えます(??)。あなたも是非ご覧になってください。
(編集長)
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新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
いつもこのブログをお読みいただき有難うございます。今回が今年最初のブログになりますが、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
病院は今日から通常営業というところだと思いますが、すでに当番で仕事を始めている人も多いのではないでしょうか。大変お疲れ様です。
編集長も大晦日の日勤をしましたが、インフルエンザの患者さんばかりでした。もっとも心不全で退院直後の高齢者とか、保存期腎不全で透析直前の患者さんとか、インフルエンザを契機に不安定化しそうな患者さんばかりだったので、単に抗ウイルス薬と解熱剤を処方すればいいという訳ではなく、内科医の腕の見せ所でした。
さて、あなたは今年1年の目標とか、将来の目標を考えたでしょうか? 普段はなかなかスルーしがちですが、年初めというチャンスにぜひ少しの時間をとって考えてみてください。
とは言っても、目標を立てたところですんなり到達できるわけではありません。調子が良い時もあれば悪い時もあります。専攻医になると、できることが増えてやりがいがある一方で、失敗すると自分で何とかしなければいけない場面が増えますし、研修医の時とは比べものにならないくらい影響が大きくなって、かなりへこんでしまいます。
こういった経験は、大なり小なり誰でもすることなのですが、こんな時に参考になる本を紹介したいと思います。
スペンサー・ジョンソンの「頂きはどこにある?」という本です。
読んだことがある人もいるかもしれませんが、調子が良い時(山)と調子が悪い時(谷)の対処法について書いてあり、薄くて、さっと読み終えることができる本です。検索すれば、すぐにYouTubeなどの要約サイトが出てきますので、探してみてください。
こういった本は調子が良い時には、あなたに響かないかもしれませんが、調子が悪い時には刺さる内容だと思いますので、今すぐ読まなくとも存在を覚えておいても良いと思いますよ。
まだまだ寒さも続きますので、体調に気を付けながら仕事に頑張っていきましょう!
(編集長)
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年末のご挨拶
早いもので、もう年末ですね。インフルエンザが猛威を振るっていますが、いかがお過ごしでしょうか?
水戸済生会の内科専門研修を紹介する目的で2020年7月から始めたこのブログですが、気づいたら約4年半たっていました。週1回のゆっくりしたペースで記事を書いていますが、4年たっても閲覧数は全然増えていません(笑)。編集長としては、気にしていないと言ったらウソになりますが、扱うテーマもだいぶニッチなものばかりなので、閲覧数狙いは無理だと思っています。でも、今こうしてあなたに記事を読んでいただいているので、ホントにうれしい限りです。どうも有難うございます。
さて、今年は水戸済生会の内科専門研修プログラムに大きな変化がありました。
それは、2023年秋から脳神経内科医とリウマチ膠原病内科医が常勤になり、さらに今年4月から血液内科医が常勤となったことで、呼吸器内科以外の内科系疾患を幅広く診療できるようになったことです。
これは専攻医にとってJOSLER症例の確保が非常に容易になっただけではありません。以前は、水戸済生会の内科専門研修プログラムの特徴と言えば消化器内科、循環器内科、腎臓内科でした。そこに3つの診療科が加わったことで、内科の中でも症例の幅が広がり、診療レベルの向上という相乗効果を実感しています。
もちろん、早く自信をもって対応できるものが欲しいという専攻医のニーズに応えるため、できるだけ早くサブスペシャルティ領域の専門医資格を取得することを目指すというプログラムの方針は変わりありません。
同時に、指導医側としてはいろいろな状況でも活躍できる内科医になってもらえるように、さまざまな経験をしてもらうことも重要と考えています。これら3つの診療科が加わったことは、この点からも非常に意味のあることだと考えています。
水戸済生会の内科専門プログラムでは、臨床の現場で活躍できる内科医を育てていけるよう、スタッフ一同頑張ってまいりますので、来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
(編集長)
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リスクをどう伝えるか?
あなたは内視鏡やカテなどの処置や手術の説明をして、患者さんやご家族から同意書にサインをもらったことはありますか?手術の同意書はないけど、造影CTや輸血の時などはサインをもらったことがあるはずですよね。
手術に限らず造影CTでも輸血でもリスクがあるから、説明したうえで同意書にサインをもらう訳ですが、このリスクをどう伝えたらいいのか、あなたは考えたことはあるでしょうか?
例えば、高齢で腎機能も悪い患者さんで周術期死亡率が5%と予想される手術の説明をするとしましょう。
患者さんは「先生におまかせします」というばかりですが、死亡率5%の手術は死亡率1~2%と言われる冠動脈バイパス手術(CABG)と比べると、かなりリスクの高い手術ということになります。なので、あなたはもっと深刻に捉えて欲しいと思っています。
この時、あなたは
① この手術は死亡率は5%の手術です。
② この手術では20人に1人が死亡する可能性のある手術です。
どちらで説明しますか?ちょっと考えてみてください。
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リスクを自分のこととして捉えてもらいたい時は、②の説明の方が伝わりやすと言われています。
「5%」も「20人に1人」も、どちらも同じことを言っているのですが、「20人に1人」と言われた方が人は、より「もしかしたら自分の身に起こるかもしれない」と考えるそうです。
似たようなことがコロナワクチンでもありました。
1回目のワクチン接種が始まったころに、「ワクチン接種後に〇〇人死亡した」という報道が良くありました。でも、ワクチンの接種回数がその時点ですでに何万回という状況だったので死亡率は非常に低い頻度だったはずです。さらにワクチンと死亡には前後関係はあるかもしれませんが、ホントにワクチンの影響なのかという因果関係は分からない状況だったのに、患者さんの中には非常に不安に受け止めていた人が多くいました。「〇〇人死亡」という実数でリスクを自分のことと受け止めやすくなったのだと思います。
リスクを伝えるとき、同じことを言っているのに相手にどのように受け取られるかについては、私たちはもっと注意を払うべきではないでしょうか。
(編集長)
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2025年度の専攻医登録が始まります!
すでにご存知かもしれませんが、2025年4月開始の専門研修プログラムの専攻医登録が11月1日(金)の正午から始まります。
手続きとして、まず専門医機構のサイトで専攻医登録(アカウントの取得)をします。それから希望の専門研修プログラムに専攻医登録サイトから応募します。研修先での面接等の選考を経て採用が決まります。
1次募集の締め切りは11月15日(金) 正午までです。1次募集で希望のプログラムに採用されなかった時は2次募集で別のプログラムに応募することになります。
おそらく多くの研修施設では、例年同様に面接や書類の提出を行い、内定を出しているところが多いかもしれませんが、上述のように専門医機構に専攻医の登録をしてから各研修施設のプログラムに応募しないとできないシステムとなっています。J2のあなたは、よく確認して早めに登録をしてください。
さて、ここで水戸済生会の専門研修についても紹介させてください。
当院は422床の総合病院で、救命救急センター(3次救急)を有するため、ドクターカーやドクターヘリの基地病院としての役割や、茨城県立こども病院と隣接しているため、県央・県北の総合周産期母子医療センターとしてハイリスク分娩などを一手に引き受けています。
専門研修は内科で基幹型プログラムを有していますが、それ以外の診療科は、筑波大学をはじめとした専門研修プログラムの協力施設として、専攻医を受け入れています。
初期研修医の定員は10名で、4年連続でフルマッチしています。このうち当院での内科専門研修に進むのは例年1~2名ですが、近年は他施設で初期研修を終えた専攻医も増えてきています。
水戸済生会の内科専門研修プログラムについてですが、当院には消化器内科、循環器内科、腎臓内科、血液内科、総合内科、糖尿病代謝内科があり、昨年秋から脳神経内科とリウマチ・膠原病内科、さらに今春から血液内科も増員されました。呼吸器内科は現在非常勤のみですが、診療科が増えたことで内科全体の診療がレベルアップしています。
このため、内科専門研修プログラムでは呼吸器内科は水戸地区を中心とした近隣の連携施設で症例を経験できるようにしていますが、それ以外はJOSLER症例の確保に困ることは無くなりました。
また、当院の内科専門研修プログラムの特徴を一言でいえば、消化器内科、循環器内科、腎臓内科を中心に、できるだけ早くサブスペシャルティ領域の専門医資格(以下、サブスペ専門医)を取得することを目指しています。
消化器内科、循環器内科、腎臓内科では施設を異動することなく、当院のみの研修でサブスペ専門医試験の受験資格を得ることができます。そして、これら各診療科の関連する多くの資格を取得可能です。さらにリウマチ膠原病科もリウマチ教育施設に、血液内科も専門研修教育施設に認定されたことから、個々の希望を聞きながら希望診療科の連動研修(並行研修)を取り入れてプログラムを組んでいます。
少しでも早くサブスペシャルティの資格を取りたいあなたは、ぜひ当院の内科専門医プログラムをご検討ください。
(編集長)
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「専門」の落とし穴
ある日のことですが、内科外来をやっていると看護師さんから相談がありました。
「検診で肝機能異常と尿酸高値を指摘された患者さんが受診したのですが、初診の消化器内科の先生は尿酸の方は診れないって言っているので、先生に診てもらえませんか?」
患者さんの診察をする前から、肝機能異常はOKだけど、尿酸はNGという対応って、あなたはどう思いますか?
外来患者さんが多くなると、早く患者さんを診療しなくてはいけないので、だんだんと焦ってきて、自分の専門分野以外のことは診たくない、他に回したくなる気持ちは実によく良く分かります。
でもこれが尿酸ではなく、例えば健診で血糖高値の指摘でも、おそらく診れないと言うのではないでしょうか? 内科ではどの領域でも糖尿病を診ない訳にはいかないという現実があるにも関わらずです。
検診で指摘された程度であれば、まずは話を聞いて、病歴を確認する程度で、いきなり処方を出したり、その日のうちに入院させて精査が必要になることは通常ありません。肝機能のフォローついでに、尿酸もフォローして、その間にどう対応すればよいのか調べる時間はあります。たとえ糖尿病だとしても、すぐにインスリンが必要なんてことは、外来診療では稀です。
しばらく前に当院で内視鏡のトップとして活躍してくれていた消化器内科の先生が開業されたのですが、その先生とお会いした時に「クリニックで診療している患者さんのうち消化器内科疾患はどのくらいの割合ですか?」と聞いたことがあります。
その先生の答えは「約2~3割」とのこと。それ以外の大部分が高血圧とか脂質異常症そして糖尿病と言っていました。つまり、専門領域に関わらず内科のコモンな疾患については、ある程度の対応ができないといけないと言えるでしょう。
今は内科専攻医、そして勤務医として急性期病院で働いているあなたでも、将来はどこで仕事をするようになるか分かりません。自分の専門分野は○○と思っていても、実際にそれを生かせるのは日常臨床の中の割合から言えばごく小さいことがほとんどです。専門分野を習得することは重要ですが、今から自分のできることを狭めるのはもったいない。どんな状況でも対応できるように、内科のコモンな疾患の評価や管理を自分でやってみるのが大事だと思います。
専門にこだわり過ぎて食わず嫌いにならないように、まずは話を聞いてみることから始めてみてください。
(編集長)
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