
専門研修ブログ
茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。
キャリアのVSOP論
先週のことですが、エムスリーのキャリア対策セミナーに登壇して、少しお話をさせてもらいました。
このセミナーは、前半に専門研修以降のキャリア、特に内科医がリタイアするまでのキャリアについての説明があり、後半で水戸済生会の初期研修と内科専門プログラムに関する説明をする時間をいただきました。
前半では、あくまで一般的な傾向としてですが、年代ごとに年収や家族のことなども取り上げられていて、キャリアを選択する際に考慮すべきことなどリアルな内容で、さすがエムスリーという感じの内容でした。
30名以上が参加していましたが、初期研修に加えて医学生の参加も多かったのに驚かされました。編集長の推察ですが、参加者は専門研修を医局に入ってするのか、市中病院でするのか、その後のキャリアがどうなのか、といったことに関心が高いのだろうと思います。以前なら選択肢は医局に入ることしかなかったのですが、自分でキャリアを選択できるのは良いことだと思います。しかし同時に、キャリア選択の責任は自分が負うしかありませんので、何となくではなく、よく情報収集を行ったうえで決めて欲しいと思いました。
セミナーでは編集長からも、キャリアのことで「キャリアのVSOP論」というのを紹介しましたので、ブログでもシェアしたいと思います。これは年収や労働時間といったタイパ重視ではなく、年代ごとに求められるスキルを意識してキャリアを考えてみることだそうです。
【キャリアのVSOP論】
20代はVitality(バイタリティ)
積極的にいろいろなことに取り組んで視野を拡げることで、自分の得意な分野や方向性を掴む年代
30代はSpecialty(スペシャリティ)
自分の得意分野を深堀りしていく時期。つまり、「自分はこの分野で勝負する」という方向性を決める年代。
40代はOriginality(オリジナリティ)
専門性を持ったとしても、周囲との差別化はできません。自分にしかできない仕事を意識して追及する年代。
50代はPersonality(パーソナリティ)
「役職が高い」と言うことではなく、周囲の人から「信頼されている人」なのかどうかで、自分の価値が決まる「人間力」で勝負する年代。
ちなみにこのVSOP論は1978年に脇田保と言う方の本に書かれたのが最初のようです。編集長はネットで見つけたので、原著はもちろん読んだことはありませんが、ネット上ではVがVariety(バラエティ:多様性)と書かれている記事が多くあります。でも、原著では「Vitality」と書かれているらしく、時代とともに少し変わっているようですね。さらに60代はPhilosophy(フィロソフィー:哲学)と書き加えられているものも見つけました。
由来はどうでもいいですが、研修医から医師として独り立ちしていく過程で、20代は失敗しながら一生懸命にいろいろなことに挑戦してみる、30代は自分の得意な専門性を高めていく、40代は専門領域の中で自分にしかできないことを探っていく、というのは、既にもうちょっと上の年代に達した編集長からするとすごく腑に落ちるところです。あなたの周りでカッコよく活躍している先生も、最初からできたわけではないのです。
将来、自分の考えが変わることは当然ありますし、それは悪いことではありません。普段の忙しい中でも、少しの時間を見つけてVSOPを意識しながら将来のことを考えてみてはいかがでしょうか?
(編集長)
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
総合診断能力を有するスペシャリスト
を目指します
◆内科専門研修プログラム説明会を開催します
水戸済生会の内科研修プログラム説明会をZoomで開催します。
J2が対象ですが、水戸済生会の内科専門プログラムに関心のある方なら、医学生でもJ1でも参加可能です。あなたの参加をお待ちしています♪
日時:2025年9月26日(金)
19時開始(40~50分程度の予定です)
場所:Zoom
内容:①内科専門研修の概略
②消化器内科の専門研修
③腎臓内科の専門研修
④循環器内科の専門研修
⑤膠原病内科の専門研修
⑥血液内科の専門研修
⑦脳神経内科の専門研修
⑧質疑応答
申し込み方法
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