専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
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内視鏡医はAIに仕事を奪われてしまうのか?

2022.02.14
カテゴリー: 消化器内科

今、医療業界の話題の中心にいるといっても過言ではない、AIにロボット。ご多分に漏れず内視鏡界隈でも、AIや内視鏡ロボットが内視鏡医の仕事を奪うのではないか、と噂されています。

 

私はといえば、米国の大学でロボットが豚に対して人の助けを得ることなく手術を完遂したとの報道に正直衝撃を受けているところではあります。「手術」だけはまだまだロボットの入る余地はないと信じていたのに。とはいえ現実的に当面は、内視鏡医はいかにうまくAIと付き合うか、という問題になるかとは思いますが、いずれ医者という仕事もロボットに置き換わる日が来るのでしょうか?

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現状での内視鏡関連のAIはどうなっているかというと、その役割は大きく分けて、「検出支援」と「鑑別支援」の2つにわけられます。

 

検出支援とは

病変の可能性がある部位をマークで示し、音で合図してくれる。癌、腺腫、過形成などの区別は付けず、とりあえず「非正常粘膜」と思われる部位を拾い上げていくモード。これまで試した機種(3機種試しました)は現状では、人間と同じく「見て」判断しているため、色調が周囲の粘膜と差異が少ないと検出感度が非常におちる印象です。

 

今のところ「自分の目よりすごくいい!」という感じはなく、マークと音が目障り、耳障りといったところです。しかも、治療のためポリープを正面視し続けるともう・・・。

 

鑑別支援とは

見つけた病変が、癌なのか、腺腫なのかなどを判別してくれます。特殊染色や超高倍率が必要な機種から、特殊光と弱拡大だけでいい機種など機種により差はありますが、個人的にはこの鑑別支援が内視鏡医にとってはとても役立つ気がしています。

 

将来的には異型の程度やがんの深達度を判断してくれるようになるのではないでしょうか。食道病変なんかは異型度や深達度、病変の範囲まで診断してくれちゃったりする日が来たらほんとに頼もしい!特殊光の技術が進んで、AIと組み合わせると深部血管の位置や粘膜下層の繊維化の程度もわかるようになり、一番最初の局注や粘膜切開で大出血を引き当てるなんて言う悲しいことはなくなる日がくるかもしれない!

 

そんなことを夢見ています。というわけで、内視鏡医にとっても悪い話ばかりではないはずです。

(Nao)

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