専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。

CLTI  方針決定のプロセス(PLANコンセプト)

2022.10.03
カテゴリー: 循環器

改訂されたガイドラインをもとにCLTIについて紹介しています。前回は解剖学的重症度を評価するGLASS分類の各項目について紹介しました。今回は治療方針決定についてです。

 

通常は腸骨動脈領域の病変のみではCLTIに至ることはありませんので、GLASS分類ではFPとIP領域での血管解剖からグレードを決め、さらに下記の表を用いてGLASSステージを決定します。

 

FP gradeとIP gradeの組み合わせによるGLASS stage

 

そして、下記の表を用いてGLASSステージとWIFIステージとでEVTを選択するのが良いのか、外科的バイパス手術を選択するのが良いのかを判断していきます。

 

さらに患者リスク評価を行って、周術期死亡5%以上で2年生存率が50%以下と想定される症例では高リスクと判定され,EVTが選択されます。この患者リスクの危険因子として,高齢,腎機能低下,冠動脈病変,うっ血性心不全,糖尿病,喫煙,脳血管障害,組織欠損,BMI,認知症,ADLがありますが、 さらにフレイルや維持透析がCLTIの重要な危険因子であることが分かっています

 

ガイドラインではCLTIの治療方針を決める際には、今まで紹介してきたように下肢の状態(WIFI分類)と血管の状態(GLASS分類)に加えて、患者リスクを評価したうえで方針を決める、PLAN(Patients risk estimation, Limb Staging,ANatomic pattern of disease)コンセプトが提唱されています。

 

(参考文献:日本循環器学会・日本血管外科学会 2022年改訂版末梢動脈疾患ガイドライン)

(編集長)

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