専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。

運動負荷試験の中止基準

2024.10.28
カテゴリー: 循環器

前回は運動負荷試験の禁忌をまとめました。今回は運動負荷試験の中止基準について確認します。

 

中止基準には

・自覚症状

・他覚所見

・血圧

・心電図

で判断していきます。

 

<自覚症状>

・強い息切れ、下肢疲労や下肢痛(Borgの自覚的強度≧17)

・進行性に増強する胸痛(心電図変化の有無は問わない)

・失調・めまい(中枢神経症状)

・本人の要望(運動を中止したい)

 

<他覚所見>

・チアノーゼ、顔面蒼白(低潅流の徴候)

・冷汗

・運動失調

 

<血圧>

・収縮期血圧の上昇不良ないし進行性低下(負荷増強にもかかわらず収縮期血圧10mmHg以上の低下)

・異常な血圧上昇(収縮期血圧250mmHg以上を連続して記録)

 

<心電図>

・明らかな虚血性ST-T変化(ST上昇や2mm以上の虚血性ST低下)

・調律異常(著明な頻脈ないし徐脈、心室頻拍、頻発する不整脈、心房細動、R on T、心室性期外収縮など)

・Ⅱ~Ⅲ度の房室ブロック

・心電図記録不良(電極接触不良などの技術的要因)

 

心電図はここに挙げたもの以外にも異常判定の基準がありますが、次回以降に紹介します。

 

(参考文献:安達仁編著 CPX・運動療法ハンドブック)

(編集長)

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