専門研修ブログ
茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。
心房細動とアルコール・カフェイン
今回もフォーカスアップデート版が出された循環器学会の不整脈治療ガイドラインからです。
心房細動に限らず、患者さんからよく質問されることの一つに「アルコール」があります。そして、「アルコール」よりは少ないものの「カフェイン」のこともよく質問されます。患者さんにとっては毎日の大事な楽しみですから医師からのアドバイスは重要で、決してテキトーなことを言ってその場をごまかしてはいけません。
さて、あなたはいつもどう答えているでしょうか?
まずアルコールについてですが、アルコールの過剰摂取は心房細動誘発の危険因子です。飲酒した翌日に発作性心房細動が起こるという患者さんもいました。同時にアルコールの過剰摂取は、抗凝固療法中の出血の危険因子にもなります。出血性合併症のリスク評価に用いるHAS-BLEDスコアの中にも、D(Drug)のところにアルコール依存が入っています。さらに血栓塞栓症の発症や死亡リスクをも増加させてしまいます。
でも安心して下さい。最近のRCT で常用飲酒している心房細動患者において、禁酒が心房細動再発を抑制するという報告があり、これを受けてアップデート版では、心房細動発症予防および抗凝固療法を考慮する心房細動患者においてはアルコールの過剰摂取を避けるための助言と管理を行うべき(Class IIa)となっています。
一方,カフェインの過剰摂取は,心房細動発症の契機となる上室期外収縮発生の危険因子と考えられていますが、近年は適切なカフェイン摂取習慣は心房細動のリスクを高めず、むしろ1 日1 ~ 3 杯の習慣的なコーヒー飲用は心房細動発症リスクを軽減するとの報告もあるようです。
このためアップデート版には特にカフェインに関する推奨はされていませんが、心房細動とは無関係の動悸症状を増加させる可能性があることは知っておくと良いですね。
(参考文献:2024JCS/JHRSガイドライン フォーカスアップデート版 不整脈治療)
(編集長)
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高齢者の心房細動に対するカテーテルアブレーション
今回もフォーカスアップデート版が出された循環器学会の不整脈治療ガイドラインからです。今回は高齢者の心房細動に関するCQからシェアします。
高齢になるほど心房細動の罹患率が上昇するのはご存じだと思いますが、例えば車いすで外来に来られる83歳の患者さんで心房細動を見つけた時に、アブレーションを勧めるべきでしょうか?
当院でも80歳以上の心房細動の患者さんにアブレーションを施行することが増えてきていますが、何でもかんでもという訳ではありません。何を重視するのか、ガイドラインの記載を確認してみます。
まず、安全性については、高齢な患者さんほど合併症が多くなるのですが、合併症発症率は60歳未満では2.5%で、85歳以上では6.8%と2.8倍の差があります。しかし全体では5.8%なので、絶対にやってはいけないと言えるほどのものではなく、慎重に適応を判断することが大事なようです。
年齢にかかわらず症候性心房細動ではカテーテルアブレーションでQOL が改善することが見込まれますが、患者の予後を改善するというエビデンスは確立していません。
まとめると、
・高齢(≧80歳)のみで症候性心房細動に対するカテーテルアブレーションの選択肢を排除しないことを推奨する。
・高齢者の無症候性心房細動に対して、予後改善目的のカテーテルアブレーションは推奨しない。
となっています。
実際のところ、高齢者における心房細動カテーテルアブレーションは,併存疾患や認知症、フレイルなどを十分に検討して、合併症のリスクが高くないと想定される症候性心房細動の患者さんに対して、心房細動によって低下したQOL やADLを回復させることを目的として行われるべきで、患者さんや家族と何のためにやるのかを良く話し合うことが大事になります。
(編集長)
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心房細動に対するカテーテルアブレーションの適応
フォーカスアップデート版が出された循環器学会の不整脈治療ガイドラインからです。今回は心房細動に対するカテーテルアブレーションの適応についてシェアします。
当院でも心房細動に対するアブレーションを多く施行していますが、デバイスの進歩で手技時間も大幅に短縮でされて、治療成績も安定してきました。しかし一定の頻度で合併症が起こり得ますので、心房細動を見つけ次第アブレーションという訳では決してありません。
そもそも心房細動はただちに生命に関わる疾患ではないため、カテーテルアブレーションは洞調律維持による患者のQOL 改善を目的として施行されてきました。しかし臨床現場では症候性心房細動以外にも拡大されてきていることを踏まえてのアップデートです。
今回のフォーカスアップデート版では、
①症候性再発性発作性心房細動
②無症候性再発性発作性心房細動
③心不全を伴う心房細動
に分けて記載されています。
【症候性再発性発作性心房細動】
第一選択治療としてのカテーテルアブレーションはClassⅠになっています。ただし、アブレーションに用いるデバイスとして高周波やクライオバルーンなど複数あるのですが、エビデンスの点からクライオバルーンによるアブレーション治療がClassⅠとなっています。もちろんClassⅠと言っても、患者がアブレーションを希望した場合,他の選択肢や治療のリスクなどの十分な説明を行ったうえで選択することが必要です。
【無症候性再発性発作性心房細動】
無症候性心房細動患者の予後をカテーテルアブレーションが改善することを明瞭に示したRCT はまだありませんが、① 早期の洞調律維持治療が心房細動患者予後に関連する,② カテーテルアブレーションは心房細動の進行を抑制する、といったエビデンスが集積されつつあることを踏まえて、以下のようになっています。
無症候性再発性の発作性心房細動でCHA2DS2-VASc スコアが3 点以上の患者に対するカテーテルアブレーションを行う(Class IIa)
【心不全を伴う心房細動】
心不全を合併した心房細動に対するカテーテルアブレーションの有効性が高いことが示されていますが、一方でHFrEFでは特にNYHAIII やLVEF < 25% の群では薬物治療に対する有意性は示されていません。心不全の病態は多様であり,心機能,NYHA,基礎心疾患,心房細動持続期間など患者背景に応じて適応を判断する必要があることが強調されています。
また重症心不全に進行した心房細動が合併している症例では、安易なアブレーションでむしろ予後を悪化させてしまう可能性もあります。複雑な手技や高齢者、多くの合併疾患(心不全,腎機能障害,高血圧など)は周術期の合併症リスクを高めるため症例ごとに慎重な対応が望まれます。これらを踏まえて以下のようになっています。
明らかな基礎心疾患をともなわず、心房細動起因性の低左心機能が強く疑われる心房細動患者において、死亡率や入院率を低下させるためにカテーテルアブレーションを行う(Class Ⅰ)
ガイドラインにもとづく標準的心不全治療が行われているHFrEFの心房細動患者の一部において、死亡率や入院率を低下させるためにカテーテルアブレーションを考慮する(Class Ⅱa)
心不全の要因となる合併疾患がないHFpEFの心房細動患者において,死亡率や入院率を低下させるためにカテーテルアブレーションを考慮してもよい(Class Ⅱb)
(編集長)
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刺激伝導系ペーシング(CSP) その2
前回に続いて刺激伝導系ペーシング(CSP)についてです。
前回はCSPが再び注目されてきた経緯を取り上げましたが、今回はもうちょっとだけ詳しくCPSについて紹介します。
<CPSの定義>
CSP は刺激伝導系(ヒス束,右脚,左脚本幹ならびに左脚枝)を捕捉するペーシング法の総称。ペーシング出力を変更することにより、刺激伝導系ならびに局所心筋の捕捉されるタイミングが異なる結果、QRS波形が出力に依存して変化することが特徴。
<ヒス束ペーシング(HBP)>
HBPは三尖弁輪の心房側または心室側にリードを留置してヒス束を捕捉する方法で、もっとも生理的な興奮伝播様式が得られる。ペーシング出力を変更することによりヒス束の単独捕捉(selective pacing)もしくはヒス束と局所心筋の同時捕捉(non-selective pacing)が観察される。
もっとも生理的なペーシング法だが、リード留置が可能な領域が狭く、一般的に手技難易度は高い。デリバリーカテーテルの改良により手技成功率は92% 前後にまで改善されたが、センシング不全や術後早期・遠隔期のペーシング閾値上昇と、それにともなうリード再留置(7 ~ 11%)が大きな懸念点。
<左脚領域ペーシング(LBBAP)>
LBBAPは,右室中隔の深部にリードを進め、左室中隔心内膜下からペーシングを行う方法で、左脚本幹あるいは左脚枝を捕捉することが目的。
HBP と異なり、かならずしもリード先端で左脚電位は記録されない。LBBAP では右室への興奮伝播が遅延するため、心電図波形で通常V1 誘導のQRS 終末部にR 波を認めるのが特徴。
LBBAP ではリード留置の標的となる領域が広く、心室波高やペーシング閾値がHBPより優れていて、手技成功率は90 ~ 98% 前後と高い。リードを中隔の深部に進めるため、心室中隔穿孔や中隔内血腫,冠動脈中隔枝の損傷といった特有の合併症がある。
(参考文献:2024JCS/JHRSガイドライン フォーカスアップデート版 不整脈治療)
(編集長)
(ガイドラインp20 図6より一部転載)
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刺激伝導系ペーシング(CSP) その1
今回もフォーカスアップデート版が出された循環器学会の不整脈治療ガイドラインからです。今回は刺激伝導系ペーシング(CSP)についてです。
まずCSPという言葉を聞いたことがあるでしょうか?このCSPは不整脈をやっている先生でなければ聞きなれないかもしれません。編集長も詳しくはないので勉強も兼ねて紹介します。
もともと、徐脈に対するペースメーカ治療では右室心尖部ペーシングが用いられてきました。
右室心尖部ペーシング
この右室心尖部ペーシングは心拍数維持効果は得られますが、左室の非同期的収縮を生じるため、ペーシング率の増加にともない、EF 低下や心不全など心血管イベントが増加することが知られています。その後は右室心尖部以外に右室中隔ペーシングが試みられてきましたが、心血管イベントの抑制効果は示されませんでした。
右室中隔ペーシング
動物実験などでは刺激伝導系を直接捕捉するヒス束ペーシング(HBP)が生理的な興奮伝播様式が保持されることが分かっていましたが、デバイスの登場でHBPや左脚領域を直接補足する手技成功率が向上し、CSP の可能性に注目が集まっています。
左脚ペーシング
(右室中隔ペーシングに比べて高位に留置されています)
今回のガイドラインのアップデートでは、徐脈性不整脈に対するCPSは以下のようになっています。
【ClassⅡa】
ペースメーカ適応の房室伝導障害患者で、高頻度の心室ペーシング(> 20%)が予測され、かつ軽度~中等度の左室収縮能低下(LVEF 36 ~ 50%)を認める場合、刺激伝導系ペーシングを考慮する。
【ClassⅡb】
・ペースメーカ適応の房室伝導障害患者で、高頻度の心室ペーシング(> 20%)が予測され、かつ左室収縮能低下を認めない場合、ペーシング誘発性心筋症を回避する目的で、刺激伝導系ペーシングを考慮してもよい。
・房室ブロック作製術を必要とする症例に対して,刺激伝導系ペーシングを考慮してもよい。
当院でもまだ10例未満と少数ですが、左脚領域に心室リードを留置するケースを経験しています。長期経過がどうなるか注目ですね。
(参考文献:2024JCS/JHRSガイドライン フォーカスアップデート版 不整脈治療)
(編集長)
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腎機能障害がある時の抗凝固療法は?
今年フォーカスアップデート版が出された循環器学会の不整脈治療ガイドラインからです。今回は腎機能障害がある高齢心房細動患者に対する抗凝固療法について紹介します。
心房細動のため抗凝固療法を始めようと思ったけど、腎機能障害があるので導入をどうするか悩む症例にしばしば遭遇します。中等度~重度腎機能障害患者に対するDOAC のリアルワールドデータが集積されてきたこともあり、今回のアップデートでは以下のような推奨になっています。
【ClassⅠ】
30 mL/ 分≦ CCr <50 mL/ 分の軽度~中等度腎機能障害患者に対して
抗凝固療法を行う(DOAC を優先する)
【ClassⅡa】
15 mL/ 分≦ CCr < 30 mL/ 分の重度腎機能障害患者に対して
ダビガトランを除くDOACを用いた抗凝固療法を考慮する
(ダビガトランはCCr<30ml/分は禁忌となっている。それ以外のDOACはCCr<15ml/分で禁忌)
【ClassⅡb】
CCr < 30 mL/ 分かつ非透析導入の末期腎機能障害患者に対して
ワルファリンを用いた抗凝固療法施行を考慮してもよい
【ClassⅢ】
維持透析患者に対してワルファリンを用いることは推奨されない
維持透析患者ではDOAC は禁忌であり、ワルファリンについても心房細動アブレーション周術期,機械弁症例や脳梗塞二次予防など,例外的に使用せざるを得ない場合を除き原則禁忌となっています。
ここでの注意点はCCrを用いていることです。採血検査で出てくるeGFRとは異なるので、勘違いしないようにしてください。
CCrと言っても実際はeCCrを用いることになりますが、これはネット上で計算ツールがすぐに見つかるので利用してみて下さい。
(参考文献:2024JCS/JHRSガイドライン フォーカスアップデート版 不整脈治療)
(編集長)
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リードレスペースメーカの適応
今年フォーカスアップデート版が出された循環器学会の不整脈治療ガイドラインからです。今回はリードレスペースメーカを紹介します。
最初に登場したリードレスペースメーカはVVIのみでしたので、徐脈性心房細動や高齢者に用いられることが多かったのですが、現在はVDDのものやスクリューで固定するタイプのものが登場して、以前とは適応も変わってきています。
実際のところ当院でもリードレスペースメーカを植え込む機会が増えており、新規植え込みの半数以上がリードレスとなっています。
今回のガイドライン改訂では、リードレスペースメーカの適応(推奨クラスⅠ)として
①感染リスクが高い
②末期腎不全
③デバイス感染の既往
④先天性心疾患などで経静脈リードの植込みが難しい解剖学的原因がある
⑤ステロイドや免疫抑制薬などの薬物治療中
⑥放射線治療中
⑦長期的血管内カテーテル留置中あるいはその既往
と改訂されています。
同時にリードレスの重大な有害事象である心筋穿孔・心囊液貯留のリスクについても言及しており、下記の評価を行うことを求めています。
・年齢≧ 85 歳
・BMI< 20 kg/m2,
・女性
・心不全
・陳旧性心筋梗塞
・肺高血圧症
・慢性閉塞性肺疾患
・透析
もともと高齢者にペースメーカを植え込むことが多かったわけですから、今後もますますリードレスペースメーカを使用する場面が増えると思います。それに伴ってガイドラインが変更されますので、今後も注目して下さい。
(参考文献:2024JCS/JHRSガイドライン フォーカスアップデート版 不整脈治療)
(編集長)
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心房細動の新しいスコア・・・HELT-E2S2スコア
心房細動の患者さんの脳梗塞発症リスクを評価する際に用いられるものとして、CHADS2スコアやCHADS2-VASCスコアが有名ですが、今年改訂された循環器学会のガイドラインでは、新しくHELT-E2S2スコアがClassⅡaで推奨されました。
背景としては、CHADS2スコアは海外で提唱されたものですが、国内のレジストリデータで検証すると、各項目が脳梗塞の独立した危険因子として必ずしも一致していないことが指摘されていました。そこで国内のスタディを用いて作られたのが今回のHELT-E2S2スコアです。
このスコアでは、「E」と「E2」はどちらか一方しかカウントできないので、最大が7点となります。
抗凝固療法なしの場合、脳梗塞の発症頻度は、このスコアで0点の場合は0.57%/年、1点では0.73%/年、2点では1.37%/年、3点では2.59%/年、4点では3.96%/年、5点以上では5.82%/年と点数が上昇するにしたがって発症リスクが上昇しています。
一方で、このスコアの現時点での弱点は「何点から抗凝固療法を開始するかの目安がない」ことです。このため従来ガイドライン通りに、「CHADS2 スコア1 点以上の患者で抗凝固療法の開始を推奨」は変更されていません。
今後はこのスコアが国内で普及してくると思いますので、覚えておきましょう。
ちなみにこのガイドラインには、水戸済生会循環器内科の特別顧問である青沼先生も外部評価委員で作成に携わっています。(ガイドラインの2ページ目のお名前が載っています♪)
(参考文献:2024JCS/JHRSガイドライン フォーカスアップデート版 不整脈治療)
(編集長)
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日本循環器学会学術集会に行ってきました
3月8日から10日まで日本循環器学会学術集会(いわゆる総会)が神戸で開催され、当院の循環器内科を志望している2人の初期研修医も参加してきました。
非常に幅広いテーマを扱う規模の大きい学術集会なので、発表する側ではなかったものの、二人ともいろいろな刺激を受けたのではないかと思います。
編集長も1日目と2日目のみ参加しましたが、Late Breaking Clinical Trailでこれから出てくる研究結果とか、心不全連携関連のセッションでメディカルスタッフの盛り上がりが印象に残りました。
他にもガイドラインがアップデートされ、心房細動の脳梗塞リスクで使われているCHADS2-VASCスコアよりもHELT-E2S2スコアとういうものが推奨度ClassⅡaで登場したことを初めて知りました・・・。やはりこのような機会を使って勉強しないといけませんね。
このHELT-E2S2スコアについては改めて紹介しようと思います。
(編集長)
参加した研修医の二人
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飯田修先生のワークショップ
当院の循環器内科では、虚血に対するPCIや不整脈に対するアブレーション治療はもちろん、大動脈弁狭窄症に対するTAVIや僧帽弁閉鎖不全に対するMitraclipなど、循環器分野の診療を幅広く行っています。その中でも末梢動脈疾患(PAD)に対するカテーテル治療(EVT)は、県内有数の症例数を施行しています。
PADは下肢切断に至ることもある重篤な疾患でEVTによる血行再建以外にも血管外科や形成外科、リハビリなど、多診療科・多職種での取り組みが必要です。
しかし、特に透析患者さんでは高度石灰化などのため難易度の高い症例が多くを占めており、EVTのレベルアップに積極的に取り組んでいます。今までも新東京病院の朴澤先生や春日部中央病院の安藤先生など、この領域で国内トップオペレーターにお越しいただいてEVTの指導を受けてきました。
先日は、大阪警察病院の飯田修先生に初めてお越しいただき、EVTの指導をしていただきました。ご存じない方にちょっとだけ紹介すると、飯田先生は、トップオペーレーターというだけでなく、循環器学会のPADガイドラインや大動脈瘤・大動脈解離ガイドラインの作成にも携わった先生で、ご自身の論文も多数あり、日本からEVTのエビデンスを世界に発信している先生です。
今回は4症例で、ステント閉塞や透析患者の高度石灰化SFA、そしてBK症例とかなり厳しい症例ばかりでしたが、理論的な戦略とデバイス選択でいずれも成功させていました。手技も早いので、助手に入る我々も追いついていくのが大変でしたが、非常に学びの多いワークショップとなりました。
(編集長)
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