専門研修ブログ
茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。
【循環器】頸動脈病変・・・マネジメント
今回は頸動脈病変を見つけた時の
マネジメントについてです。
前回は頸動脈狭窄度の評価を紹介
しましたが、頸動脈狭窄を見つけた時は
症状の有無と狭窄度で方針を決めます。
ESCのガイドラインのマネジメントフローを
下記の示しますが、無症状で見つけた時は
内膜剥離(CEA)や頸動脈ステント(CAS)は
慎重な適応が求められます。
まずは、抗血小板薬やリスク因子の厳格な
管理など、内科的管理を考えます。
一方で、症状がある(あった)場合は、
CEAやCASなどを考慮していくことになりますが、
施設の成績なども考慮することが求めらて
いることに注意しましょう。
(Angiologist)
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【循環器】頸動脈病変・・・狭窄度の評価
動脈硬化性疾患は、大動脈疾患、
冠動脈疾患、末梢動脈疾患に
分けられることを紹介しました。
さらに末梢動脈疾患(PAD)は、
・脳血管疾患(頸動脈・椎骨動脈病変を含む)
・上肢動脈疾患(UEAD)
・腸間膜動脈疾患
・腎動脈疾患(RAD)
・下肢動脈疾患(LEAD)
が含まれます。
このように、PADは色々な領域を
含んでいるのですが、各領域のエッセンスを
少しづつ紹介していこうと思います。
さて、今回は頸動脈病変についてです。
頸動脈狭窄は、エコーで評価しやすい
部位のため、エコーをしていると意外と
見つかります。もちろん血管雑音の聴取も
大事ですが、じっくり聴かないと、呼吸音に
紛れて聞き逃してしまっていることもあります。
では、見つけた時にどうしたらよいので
しょうか?
基本的に、症状の有無と狭窄度で方針を
決めていきます。
ここでいう症状とは、狭窄側の対側の
脳梗塞やTIAの症状のことを指します。
例えば、右頸動脈狭窄が判明していれば
左片麻痺や左半身のTIAということです。
狭窄度の決め方は、ESCのガイドラインでは
2つあるので覚えましょう。
①ECST法
(Europian Cartid Sugery Trial)
エコーなどでの二次元の評価
簡便
②NASCET法
(North American Symptomatic Cartid
Endarterectomy Trial)
アンギオでの狭窄度の評価
外科的治療の指標となる
下記の対応表を見てもわかる通り、
狭窄度はECST>NASCETとなります。
その他にもドップラー法による流速から
狭窄度を求めたり、血管の短軸像で
内腔の断面積から求めるArea法があります。
(Angiologist)
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【循環器】動脈硬化性疾患
循環器領域では、心臓と脈管を対象にしています。
脈管というと、動脈・静脈・リンパ管を指すのですが
その中でも、圧倒的に動脈硬化性疾患の割合が
多いことは、あなたも理解できると思います。
では、この動脈硬化性疾患とは、具体的に何を
指しているのか、あなたは言えますか?
用語の定義になってしまいますが、われわれ
循環器医も、スラスラと答えられる人は少ないと
思います。
循環器領域に興味があるなら、ぜひ知っておいて
損はないと思いますので紹介します。
用語の定義は時代とともに変わりますが、
2017年に改訂されたESCのガイドラインが参考に
なります。
動脈硬化性疾患は、大きく3つに分かれます。
①大動脈疾患:大動脈瘤や大動脈解離など
②冠動脈疾患:狭心症や急性冠症候群
③末梢動脈疾患(PAD):下肢動脈疾患など
①と②はすぐにわかると思いますが、
③には、大動脈と冠動脈以外の動脈硬化性疾患
すべてを含むので、さらに下図のようになります。
このPADに関する話題を、次回以降で紹介していきます。
(Angiologist)
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