専門研修ブログ
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茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。
ご参加いただき有難うございました!
ご案内していましたが、1月18日からレジナビFairオンライン2021 ~専門研修(内科)プログラム~ が開催されています。
当院も1月20日に病院説明会を開催し、12名の方に参加いただきました。どうも有難うございました!
正直なところ、この時期の開催は初めてですし、いったい何人に参加いただけるのか、皆目見当がつきませんでした。なので、12名というのは
ちょっと嬉しかったです♪さらに、ご質問もいただき有難うございました。
例年だと、3月のレジナビ(リアル)を皮切りに医学生の初期研修病院探しや、研修医の専門研修病院探しがスタートしていたイメージですが、新型コロナの影響でWeb説明会があっという間に当たり前になり、採用活動が年明けからに前倒しされた感じです。
説明会でもお伝えしましたが、当院の内科専門研修は消化器内科、腎臓内科、循環器内科と診療科が決まっているあなたには魅力的な病院だと自負しています。ぜひ、当院の個別WEB説明会で各診療科の専攻医から直接聞きだしてみてください。
なお、今回の説明会の動画を水戸済生会総合病院YouTubeチャンネルで視聴できます!
(編集長)
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専門(後期)研修向け個別WEB説明会を開催中!
Zoomを使って、当院の各科スタッフと直接話をしながら専門研修の知りたいところを聞き出せます!
個別対応なので、周りを気にすることなく、知りたいことを質問できます。
申し込みは、下記の申し込みフォームを利用してください
2月5日(金)までの開催です。あなたの参加をお待ちしています!
【循環器】腎動脈疾患・・・検査その1
今回は腎動脈狭窄(RAS)を疑った時の
検査についてです。
検査法としては以下の3つです。
・ドップラーエコー
・CTアンギオ
・血管造影
以前は腎シンチグラフィ、ACEI誘発前後の
血漿レニン測定、静脈レニン測定なども
行われたこともありましたが、動脈硬化性
腎動脈疾患の診断には、もはや考慮
されなくなりました。
今回はドップラーエコーについて
紹介します。
①ドップラーエコー(DUS)
DUSはスクリーニング検査として第一選択
となる検査で、経時的に繰り返し評価する
ことが容易です。
最大収縮速度(PSV)で評価しますが、
ESCガイドラインには具体的なカットオフ値
は記載されていません。一般的には
PSV>1.8~2.0m/secが目安になります。
弱点としては、狭窄度を過大評価する
可能性あり、後述するRRIなど他の基準も
合わせて評価する必要があります。
また、腎動脈が複数ある場合(Accesary
renal artery)の評価は困難です。また
当然ながら、肥満患者などで腎動脈を
うまく描出できなければ評価はできません。
腎抵抗性指標(RRI:Renal resistive index)は、
血行再建の治療反応の予測に役立つ可能性があります。
RRI=(PSV-EDV)/PSV
正常値は0.60~0.70
ただし、RRIは腎臓だけでなく、腎臓以外の
因子(大動脈弁狭窄、徐脈など)の影響も
受けるため、正常値より高くとも、低くとも
異常であり、解釈には注意が必要です。
一般的には、RRIが低値(0.60未満)で
あれば、血行再建後に腎機能回復と
血圧コントロールを得られるの可能性が
あります。
逆に、RRIが高い(>0.75-0.80)場合には
腎実質病変を示すので、血行再建後の
腎機能や血圧の改善は期待できないと
されています。
(Angiologist)
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◆今週レジナビでお会いしましょう!
レジナビFairオンライン2021
東日本Week
~専門研修(内科)プログラム~
に当院も参加します。
当院の出番は
1月20日(水)19時~
参加受付は当日15時までです!
ぜひご参加下さい!
【循環器】腎動脈疾患・・・RASの自然経過
腎動脈狭窄(RAS:Renal artery stenosis)を
来す疾患として、動脈硬化性の他に、繊維
筋性異形成(FMD:Fibromuscular dysplasia)など
がありますが、頻度としては動脈硬化性の方が
多いです。
動脈硬化性RASは進行性であり、狭窄度が強い、
重度の高血圧、糖尿病では特に進行のリスクが
高いようです。
とは言っても、RAS患者の10%未満が5年以内に
狭窄の悪化または閉塞に進行し、腎機能の
悪化は片側RASではまれですが、両側RASや
単一機能の腎臓では、より明らかに腎機能に
影響が出てきます。具体的には、2年後に
腎機能悪化を来すのが、それぞれ3%、18%、
55%とされています。
(Angiologist)
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レジナビFairオンラインに
参加します!
1月18日から開催される
レジナビFairオンライン2021
東日本Week
~専門研修(内科)プログラム~
に当院も参加します。
当院の出番は
1月20日(水)19時~
参加受付は当日15時までです!
ぜひご参加下さい!
明けましておめでとうございます!
新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
さて、世間では今日から仕事はじめ
ですが、このブログの読者は年末年始
も当直や日勤で、お正月って何?
という方が多いと思います。
大変お疲れ様です。
編集長も当直だけでなく、発熱外来
当番など、例年同様に病院にいる
時間が長い年末年始でした・・・。
さて、昨年秋の初期研修医マッチング
では、10名のフルマッチとなりました。
実はそれだけでなく、内科の専門研修
プログラムも定員3名のところフルで
応募がありました。(現在は定員を
増枠して4名となっています)
初期研修も専門研修も満員御礼に
なるとは、我々も予想していません
でしたが、専門研修に関してもいい環境
なのが、徐々に浸透してきたのかと、
過剰な期待をしています(笑)
と言っても、まだまだ有名病院のような
知名度はありませんし、大学病院のように、
何でもそろっている訳ではありません。
でも、専門医取得を目指すあなたに
とっては、自分が経験できる症例数や、
自分で実際に行う手技の多さと多様さ、
そして働く環境という点から考えると、
当院はすごく掘り出しものだと思って
います。
少しでも早く臨床の実力を付けたい
あなた、第一線でビビることなく手技を
できるようになりたいあなたに、当院の
専門研修の魅力や、各診療科の情報を
今まで以上にお届けしてまいります。
改めて、本年もどうぞよろしくお願い
申し上げます。
(編集長)
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レジナビFairオンラインに
参加予定です!
1月18日から開催予定の
レジナビFairオンライン2021 東日本Week
~専門研修(内科)プログラム~
に当院も参加予定です。
当院の内科専門研修について
ご紹介しますので、ぜひご参加
下さい!
年末のご挨拶
早いもので、もう年末です。
当院の専門研修を紹介する目的で
始めたこのブログも、今年の7月
から週1回のペースで細々ながら
続けることができました。
閲覧数は少ないものの、毎回
あなたに記事を読んでいただき
編集長としてはうれしい限りです。
改めて御礼を申し上げます。
さて、話は変わりますが、今年1年は、
コロナの影響を抜きに語ることが
できません。
おそらく、ここまで短期間に生活や
仕事、そして世界が大きく変わった
ことはなかったハズです。
初期研修中のあなたも、いつも
なら普通にやっているはずの診療が
できなかったり、カンファレンスや
学会が中止になってWebばかりに
なったりと、まさに激変の1年だった
と思います。
これからの日本そして世界の医療が
どうなっていくのか?そんなことを
自分なりに想像しながら、これからの
あなたのキャリアのことを考えている
のではないでしょうか?
そんな時に考えるべき4つのポイントが
書いてある本を見つけたので紹介します。
(Google式_4ステップキャリア戦略、
ダイレクト出版 より)
これは元・Googleの人材開発
マネージャーで、キャリア戦略の
プロであるジェニー・ブレイクと
いう人が提唱している方法です。
あなたのキャリアを考えていく時に
①プラント(基盤作り)
②スキャン(探索)
③パイロット(試行)
④ローンチ(始動)」
という4つのステップを考えると
良いそうです。
①Plant(基盤作り)
変化を起こす上で一番大切な
ステップ。
自分の価値観、強み、興味、そして
1年後の未来像=ビジョンに基づいて
土台を作る段階です。
②Scan(探索)
スキル、人、潜在的な機会の3つに
関して、自分の価値観や興味に
基づいて情報を探したり整理したり、
機会を探す。
そして、目標に対して不足している
知識とスキルを見極めて補いつつ、
色々な人に話を聞く段階。
③Pilot(試行)
試しに小さくスタートする段階。
リスクの低い小さなテストで新しい
方向性を試す。こうすることで、
リスクを減らし成功確率を高め
られる。
必要に応じてここまでの
ステップを繰り返す
④Launch(始動)
思い切った行動を取る段階。
目標までの道のりの80-90%は
第3段階までで決まっている。
最後の段階では、未知の領域の
不確定要素があっても、強い信念
を持って重要な決断を下す必要
がある。
これらの4つのステップを踏むことで、
「現在の自分」と「目標 とする自分」
との差を計画的に縮めることが
できるそうです。
今のあなたを客観的に見た時に
どの位置にいるのか?
年末年始に考えてみてはどうでしょうか?
(編集長)
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【循環器】腎動脈疾患・・・疑うポイント
動脈硬化性疾患について、ESCの
ガイドラインから紹介している
このシリーズですが、頸動脈病変、
上肢動脈疾患、腸間膜動脈疾患と来て、
今回から腎動脈疾患に入ります。
腎動脈狭窄が高血圧に関与するのは
有名ですが、一時期は腎動脈狭窄に
対するステント留置が流行ったものの、
今ではほとんど話題になりません。
また、腎デナベーション(腎交感神経
除神経術)という治療も盛り上がった
のですが、その後は普及していません。
どちらの治療も、非常に有効な症例は
あるのは間違いないのですが、どの
ような症例が治療適応となるのかが
良く分かっていないのが現状です。
ESCガイドラインでも、こういった背景も
あって、腎動脈疾患に関する記載は
少ないですね。
今回は、腎動脈疾患が疑われる臨床
所見を紹介します。
<腎動脈疾患が疑われる臨床所見>
・30歳未満の高血圧発症
・55歳以上でCKDや心不全を伴う
重症高血圧発症
・高血圧と腹部の血管雑音
・コントロールされていた高血圧の急速
かつ持続性の悪化
・治療抵抗性の高血圧
・高血圧クライシス
(急性腎不全、急性心不全、高血圧性
脳症、grade 3-4の網膜症)
・新たな高窒素血症やRAS系阻害薬
投与後の腎機能悪化
・原因不明の腎萎縮、腎サイズの左右差、
腎不全
・急性肺水腫
ちなみに治療抵抗性高血圧は
定義があって、
「他の二次性高血圧でなく、利尿剤と
鉱質コルチコイド(アルドステロン)受容体
拮抗剤を含む適切な容量の4種類の薬剤を
用いても目標値に下がらない」
となっています。
(Angiologist)
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【循環器】腸間膜動脈疾患 その5
今回は慢性腸間膜動脈虚血(CMI)の
画像診断と治療についてです。
【画像診断】
画像診断の第一選択はエコーです。
腹腔動脈、上下腸間膜動脈のフローを
ドップラーで評価するのが、一番侵襲が
少なく評価できます。ただし、評価基準
には定まったものは、まだありません。
他には造影CT、MRA、血管造影ですが、
血管造影では、実際のフローの評価と
狭窄前後の圧の評価ができる利点が
あります。
【治療】
無症候性の場合は、予防的な血行再建の
適応はありません。一方、症候性の場合は、
栄養状態を改善するために再灌流を遅ら
せることは推奨されていません。
侵襲性の低い治療法として血管内治療が
広く行われるようになっていますが、ラン
ダム化比較試験(RCT)がないことから
血管内治療を第一選択としてよいかの
結論は得られていません。
他にも、腹腔動脈と上下の腸間膜動脈の
うち、どれを血行再建すべきか、ベアメタル
ステントにすべきか、カバードステントを
用いるべきかなど、明らかになっていない
ことが多々あります。
(Angiologist)
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【循環器】腸間膜動脈疾患 その4
前回までは急性腸間膜動脈虚血に
ついて紹介してきました。今回からは
慢性腸間膜動脈虚血(CMI)に関してです。
CMIというと、あまりピンときませんが、
具体的には腹腔動脈または上下の
腸間膜動脈の狭窄または慢性閉塞が
含まれます。
CMIの有病率は、当然のことながら年齢
とともに増加し、特に他の動脈硬化性
疾患および腹部大動脈瘤の存在下では
増加することが知られています。
腹腔動脈と上下腸間膜動脈の3つのうち
少なくとも1つの動脈の有意な狭窄あるのは、
腹部大動脈瘤患者で40%、下肢動脈疾患
(LEAD)の患者では27%に認められたとの
報告があるそうです。
CMIの典型的な症状は、食後の腹痛、体重
減少、下痢、便秘ですが、無症状のことも
良くあります。また、食後の腹痛を避ける
ために、患者さんは食べることを嫌がります。
でも、悪性腫瘍の患者んなどとは対照的に
食欲は影響を受けません。つまりおなかがすくけど
痛くなるので食べたくない、と言うのです。
ポイントは臨床的に疑うことが早期診断の
カギになります。非特異的な検査所見として、
貧血、白血球減少、電解質異常、栄養失調
による二次的な低アルブミン血症などがあります。
(Angiologist)
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【循環器】腸間膜動脈疾患 その3
前回は、急性腸間膜動脈虚血の
診断について紹介しました。
今回は治療に関してです。
上腸間膜動脈が急性閉塞した場合、
壊死した腸管の切除のみで生存できる
のは20~30%で、主に末梢側(腸管に
近い側)の塞栓の場合です。
ほとんどの場合、救命するために即時の
再灌流が必要となりますが、腸管の評価
(つまり切除する必要があるかの判断)は
CTだけでは悩ましいこともあり、開腹する
必要も出てきます。
開腹が先か?再灌流が先か?は議論の
余地がありますが、実際のところ消化器
外科が主体で見ている施設もあれば、
当院のようにIVRチームが最初に関わる
ところもあり、施設の事情に影響されます。
またガイドラインでは、再灌流の方法に
ついても言及しています。
まとめると、
・塞栓性閉塞の場合、開腹再灌流と
血管内再灌流は同等の効果。
血栓性閉塞では血管内治療の方が
死亡率と腸管切除率が低い。
・(高齢の)虚弱な患者を治療する際
には、ダメージコントロール手術の原則に
従うことが重要。
・急性腸虚血患者では血管内治療後の
開腹手術は必須ではないが、腸の検査が
必要になることが多い。
・上腸間膜動脈のカテーテル血栓溶解術は
良好な結果が報告されており、腸粘膜壊疽が
なければ、重篤な出血性合併症はまれ。
ガイドラインの推奨は以下のように
なっています。
(Angiologist)
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【循環器】腸間膜動脈疾患 その2
前回は、ESCガイドラインから、急性
腸間膜動脈虚血の診断に関する
推奨事項を紹介しました。
今回は診断に関する補足です。
症状の特徴は
・検査所見はほとんどないが激しい腹痛、
・腸の空洞化(多くの場合、嘔吐と下痢の
両方を伴う)、
・塞栓症の原因(心房細動など)の存在。
約80%の症例で、この3要素を伴っている
そうです。
採血検査ではDダイマーの利用を考慮と
なっていますが、メタアナリシスでは
D-ダイマーの感度は96%、特異度は40%と
感度が高いものの、特異度に欠ける検査
です。なので、使い方としては、Dダイマーが
上昇している急性発症の腹痛なら、
急性腸間膜動脈虚血を疑う必要がある、
という程度で他の検査を進めるべきでしょう。
ちなみに、腹部の単純X線検査も行われる
と思いますが、この検査の特異性はなく、
正常であれば、診断を除外するものでは
ないということです。
診断のためには、やはりCTアンギオが
一番で、メタアナリシスでも診断精度は
高く、感度94%、特異度95%となって
います。
なお、腎機能が悪化していることが一般的
ですが、臨床的に疑わしい場合にはCT
アンギオを禁忌とすべきではない、として
います。つまり他の検査法はあまり役に
立たないので、たとえ腎機能が悪くても
疑ったらCTアンギオをやるしかない
ということです。
また、診断するという点においては
エコーや血管造影は有用でない、
MRAは実際にほとんど行われていない
のでデータがないと記載されています。
(Angiologist)
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