専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。

【循環器】アルドステロン症の見つけ方 その8(治療について)

2021.12.06
カテゴリー: 循環器

前回は副腎静脈サンプリング(AVS)の評価方法について紹介しました。

 

コルチゾール値で適切にサンプリングされているのかを評価したうえで、片側性病変と診断されたら手術を考慮します。両側性の場合はアルドステロン拮抗薬(スピロノラクトンやエプレレノン、エサキセレノン)を中心にすえて内服薬を継続します。手術は、腹腔鏡下の片側副腎全摘術になります。最近は腹腔鏡手術も単孔式で行われているようです。

 

どこに紹介したらよいのかは、その地域ごとに異なると思いますが。泌尿器科が手術を行っていることが多いようですが、大学によっては内分泌外科が行っているところもあります。ちなみに当院では泌尿器科で行っています。

 

なお、編集長はまだ見たことがありませんが、症例の多い病院ではAVSも副腎内の分葉内静脈支脈ごとの超選択的にサンプリングを行う選択的副腎分葉内支脈採血(Segment-selective adrenal tributary sampling: S-ATS)を行って、片側副腎の部分切除で済ませるということもできるそうです。

 

こうすることで約10%程度にみられる両側性のアルドステロン産生腫瘍(APA)においても外科手術が可能になるとともに、対側に病変を生じた場合の副腎不全を防止できる利点があるそうです。

 

術後はアルドステロン拮抗薬を中止して大丈夫ですが、経験的に全例で降圧剤が全く不要になるわけではありません。血圧を見ながら降圧剤を減量していきます。

 

さて、アルドステロン症に関して紹介してきましたが、実は今年(2021年)にガイドラインが改定されています。次回はガイドラインの改訂点を紹介していきます。

(編集長)

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