専門研修ブログ
茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。
自分のキャリアを考えるとき
J2のあなたは、来春からの専門研修先をどうするか迷っているころだと思います。そんな姿を見ているJ1のあなたもボンヤリと自分のキャリアについて考え始める時期かもしれません。
専門研修は3年間で、基幹プログラムの施設と協力施設を回りますが、最低1年間は協力施設での研修が求められています。そして、その次はサブスペシャルティの資格取得となりますが、まだ明確なイメージはできていないかもしれません。
ところで、あなたは「キャリアのVSOP論」というのを聞いたことがあるでしょうか?年代ごとに求められるスキルのことだそうです。
20代はVitality(バイタリティ)
積極的にいろいろなことに取り組んで視野を拡げることで、自分の得意な分野や方向性を掴む年代。
30代はSpecialty(スペシャリティ)
自分の得意分野を深堀りしていく時期。つまり、「自分はこの分野で勝負する」という方向性を決める年代。
40代はOriginality(オリジナリティ)
専門性を持ったとしても、周囲との差別化はできません。自分にしかできない仕事を意識して追及する年代。
50代はPersonality(パーソナリティ)
「役職が高い」と言うことではなく、周囲の人から「信頼されている人」なのかどうかで、自分の価値が決まる「人間力」で勝負する年代。
ちなみにこのVSOP論は1978年に脇田保と言う方の本に書かれたのが最初のようです。編集長はネットで見つけたので、原著はもちろん読んだことはありませんが、ネット上ではVがVariety(バラエティ:多様性)と書かれている記事が多くあります。でも、原著では「Vitality」と書かれているらしく、時代とともに少し変わっているようですね。さらに60代はPhilosophy(フィロソフィー:哲学)と書き加えられているものも見つけました。
由来はどうでもいいですが、研修医から医師として独り立ちしていく過程で、
・20代は失敗しながら一生懸命にいろいろなことに挑戦してみる
・30代は自分の得意な専門性を高めていく
・40代は専門領域の中で自分にしかできないことを探っていく
さらに上の年代に達した編集長からすると、このVSOPはすごく腑に落ちるところです。あなたの周りでカッコよく活躍している先生も、最初からできたわけではないのです。
タイパとかコスパといった「損をしない」生き方が優先される風潮を感じている編集長ですが、その時は損をしたと思っても、結果的に大きなものを得ていることに気づくことがホントに多くあります。
将来のことは普段は忙しくて考えることを後回しにしがちですが、VSOPを意識しながら専門研修のこと、将来のことを考えてみてはいかがでしょうか?
(編集長)
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