
専門研修ブログ
茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。
急性膵炎のはなし5 急性膵炎と内視鏡
急性膵炎に内視鏡がかかわるのか。実は3通りのかかわり方があります。
1つ目は内視鏡検査の結果としての膵炎。
ERCP後膵炎や、当院では経験がありませんがEUS-FNA後の膵炎、経口ダブルバルーン内視鏡後の膵炎などがあります。
2つ目は胆石性膵炎に対しての治療としての内視鏡。
3つ目は重症急性膵炎後の被包化壊死などに対しての治療としての内視鏡。
3つ目はまたお話しする機会があるかと思いますので、今回は2つ目についてお話しします。
胆石性膵炎に対しての内視鏡治療の姿勢は、多少施設によって差があると考えます。ガイドラインに照らし合わせると、胆管炎合併例、胆道通過障害の遷延が疑われる症例では早期のドレナージを考慮するとなっています。胆管炎合併例は当然緊急治療を行ったほうが良いです。当院では必ず速攻で治療します。
では、「胆道通過障害の遷延が疑われる症例」とはどのような症例でしょうか?
遷延が疑われる、ということは他院ですでに経過見られた症例ならともかく、自分で診断した症例の場合は半日~1日程度経過観察することになります。それでは、その間に重症化してしまう可能性がある。
当院では、ただ胆管結石併存の膵炎は当然緊急ERCPは見送りますが、症状やデータが改善傾向でない限り、それ以上の重症化を阻止するために原則的に緊急でERCPを行っています。そのおかげか、胆石性膵炎で診断時よりさらに重症化するという症例はかなり稀です。
ただ、ERCPにより膵炎を重症化させる恐れがあるということは常に念頭に置いて治療適応を検討すべきですので、その点は抑えていてください。
膵炎の話題はさらに続きます。
(Nao)
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