専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。

アルドステロン症の見つけ方 その2

2021.09.06
カテゴリー: 循環器

今回はPAのスクリーニングについてです。

 

PAのスクリーニングには、随時採血で

・血漿アルドステロン濃度(PAC)

・血漿レニン活性(PRA)

を測定して

・アルドステロンレニン比(ARR=PAC/PRA)

を求めましょう。

 

本来、アルドステロンもレニンも座位と臥位では値が異なるので、30分の安静臥位での採血が望ましいとされています。しかし、実際のところ難しいので、座位での随時採血でOKです。

 

なお、ARRを求める時に単位を必ず確認しましょう。PACにはng/dlとpg/mlの二つがあり、各施設(検査機関)によって異なります。

 

そして、カットオフ値は

単位がpg/mlであれば、ARR>200

ng/dlであれば、ARR>20 

となります。(ng/dl=1000pg/100ml=10pg/mlですよね)

 

さらに、ARRに加えてPAC>120pg/ml (12ng/dl)の併用が推奨されています。

(内分泌学会のコンセンサスステートメントVer4.1 平成28年2月)

 

他に注意点としては、スクリーニング採血の際にほとんどの症例では降圧剤を内服しているはずですが、利尿剤、β遮断薬、アルドステロン拮抗薬(ACE阻害薬、ARB、スピロノラクトン、エプレレノン)はARRに影響してしまうので、事前に変更が必要です。ただ、利尿薬、アルドステロン拮抗薬は6週間以上、β遮断薬は2週間以上の中止がガイドラインでは求められていますが、実際は難しいです。

 

変更する降圧剤については

・ブドララジン(ヒドララジンの同効薬)、

・α遮断薬(ドキサゾシン)、

・カルシウム拮抗薬(ニフェジピン、

 アムロジピン、マニジピン)

 

実際のところ、ブドララジンを処方できる施設は限られるので、ドキサゾシンとアムロジピンの組み合わせが、どの施設でも利用可能で便利です。編集長はドキサゾシンとアムロジピンでコントロールが著しく不良の時は、さらにニフェジピンをかぶせています。

 

スクリーニングの随時採血で、ARR>200かつPAC>120pg/mlの2つの基準を満たせば、次の機能確認検査に進みます。

             (編集長)

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