専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。

アルドステロン症の見つけ方 その4

2021.10.04
カテゴリー: 循環器

前回までアルドステロン症のスクリーニングと機能検査について紹介しました。

 

カプトプリル負荷試験などの機能検査でアルドステロン症(PA)と診断されれば、次の病型診断に移ります。実はアルドステロン症の病型分類は下の表のように10個もあります。

でも実際に覚える必要はなく、片側病変か両側病変かを判断することがポイントになります。何故かというと、片側病変なら手術を、両側病変なら内服治療となるからです。

 

そのためにまずやるべき検査はCTです。一般に片側性であるAPAの腫瘍サイズは平均12㎜程度と小さいので、CTでは1㎜スライスで撮影する必要があります。またアルドステロン症はコレステロールが豊富な腫瘍なので、単純CTでは腫瘍がLow densityになっています。このため単純CTでも十分にあたりはつけることが出来ます。ただし、副腎静脈サンプリング(AVS:Adrenal venous sampling)をする際には造影CTでの副腎静脈の同定が役に立ちます。

 

注意点は、片側に径が10㎜程度でLow densityの腫瘍を認めれば、かなり疑わしいのですが、径が6㎜以下の微小腺腫がAPAの約半数を占めていることや、腫瘍病変の無いUAHやUMNがあるので、CTで副腎に異常がなくともAVSで局在診断が必要となります。

                          (編集長)

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