専門研修ブログ
茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。
アルドステロン症の見つけ方 その5
前回はカプトプリル負荷試験など機能検査で原発性アルドステロン症(PA)と診断された後の対応について紹介しました。
CTで片側性か、両側性かを把握して、手術を検討すべきかの判断をします。ただしPAは腫瘍サイズが小さいので、CTで腫瘍が分からなくとも否定できないことに注意です。
仮に片側性病変だったとしても患者さんが手術を望まない、もしくは手術できない状況であれば、ここで打ち止めです。この後は内科的治療になります。内科的治療としてアルドステロン拮抗薬(スピロノラクトンやエプレレノン)を服用してもらいます。通常はスピロノラクトンで100㎎~200㎎/日ほど必要になりますが、カリウム値を見ながら用量を調整していきます。
一方、CTで片側性が疑われたり、両側性かどうかはっきりしない場合で患者さんが手術をしてでも血圧のコントロールを得たり、降圧剤を減らしたいと思っているのであれば、次にすることは局在診断、具体的には副腎静脈サンプリング(Adrenal venous sampling:AVS)を行います。
一般的に、片側病変であれば病側の副腎摘出を勧めますがが、副腎摘出と内科的治療とで、長期的な臓器障害や生命予後を比較した
強固なエビデンスはありません。現在(2021年10月)時点で、日本内分泌学会のガイドライン改定に伴うパブコメが募集されていますので、このあたりの改訂があるかもしれません。発行されたら、改めて紹介します。
次回はAVSについて紹介します。
(編集長)
手ごわいSFAのCTOと格闘中
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆市中病院で循環器専門医を目指しているなら
水戸済生会循環器内科のサイトを是非ご覧ください!
PCIだけでなく、Ablation、TAVIなど、当院で行っている幅広い循環器診療を紹介している充実したサイトです。各種の資格取得にも有利です!
是非ご覧ください!
◆専門研修向け Web版・個別病院説明会を開催しています!
直接研修医からホントのところを聞いてみませんか?
9月1日~9月30日まで開催します!
◆10分で分かります!
1月に開催された「レジナビFairオンライン2021 ~専門研修(内科)プログラム~」 での説明動画を、水戸済生会YouTubeチャンネルでご覧いただけます!
水戸済生会の内科専門研修の特徴が10分で分かります。特に、消化器内科・循環器内科・腎臓内科を志望しているあなたは、ぜひご覧ください!