専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
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CLTI  評価(Wifi分類2)

2022.08.29
カテゴリー: 循環器

改訂されたガイドラインをもとにCLTIについて紹介する3回目。CLTIの評価に用いられるWIFI(ワイファイ)分類の続きです。

 

WIFI分類はCLTI患者の患肢を創(W;wound),虚血(I;ischemia),感染(fI;foot infection)の3項目で点数化して重症度をステージングするもので、前回はWound Gradingを紹介しましたが、今回は虚血(Ischemia)と感染(Foot Infection)の評価です。

 

CLTIは虚血があること前提で、各種の血行動態検査の値からグレードを判断します。ちなみにもともとのWIFI分類の文献には日本で普及しているSPP(皮膚還流圧)値は定義されていませんでした。しかしガイドラインでは日常診療で使い安いように、目安となる数値を提唱しています。

 

 

Foot Infection Gradingについてのガイドラインの記載は細かいのですが、編集長的に簡略化すると以下のようになります。

 

 

もう少し細かく書くと、

Grade1では、下記の少なくとも2つの兆候を有する限局性感染

  ・局所の腫脹や硬結

  ・潰瘍周囲の発赤(0.5~ 2 cm)

  ・局所の圧痛や痛み

  ・局所の熱感

  ・膿汁の排泄(濃い濁った白色または血性混じりの浸出液)

 

Grade2では、広範な局所感染(発赤>2 cm)、あるいは皮膚・皮下より深部の構造物を巻き込む感染(膿瘍,骨髄炎,敗血症性関節炎,筋膜炎)でSIRSの兆候を伴わないもの

 

Grade3では、下記の2つ以上を有する全身性炎症兆候

  ・体温> 38 ℃または< 36 ℃

  ・心拍数>90回/分

  ・呼吸数>20回/分またはPaCO2<32 mmHg

  ・白血球数>12,000 または<4,000 cells/mm3 または10%を超える幼若球の出現

 

実際のところは全身性の炎症兆候として、血圧低下や意識障害、低血糖などいろいろな形で現れることがあるので、患者さんの状態をよく見ることが重要です。

 

(参考文献:日本循環器学会・日本血管外科学会 2022年改訂版末梢動脈疾患ガイドライン)

(編集長)

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