専門研修ブログ
茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。
自分のキャリアを考えるとき
J2のあなたは、そろそろ来春からの専門研修先をどうするかを決める最終段階に入っているころだと思います。
専門研修は3年間で、基幹プログラムの施設と協力施設を回りますが、最低1年間は協力施設での研修が求められています。
そして、その次はサブスペシャルティの資格取得となりますが、まだ先のことなのでどうするかまでは考えが及んでいないかもしれません。
ところで、あなたは「キャリアのVSOP論」というのを聞いたことがあるでしょうか?年代ごとに求められるスキルのことだそうです。
20代はVitality(バイタリティ)
積極的にいろいろなことに取り組んで視野を拡げることで、自分の得意な分野や方向性を掴む年代
30代はSpecialty(スペシャリティ)
自分の得意分野を深堀りしていく時期。つまり、「自分はこの分野で勝負する」という方向性を決める年代。
40代はOriginality(オリジナリティ)
専門性を持ったとしても、周囲との差別化はできません。自分にしかできない仕事を意識して追及する年代。
50代はPersonality(パーソナリティ)
「役職が高い」と言うことではなく、周囲の人から「信頼されている人」なのかどうかで、自分の価値が決まる「人間力」で勝負する年代。
ちなみにこのVSOP論は1978年に脇田保と言う方の本に書かれたのが最初のようです。編集長はネットで見つけたので、原著はもちろん読んだことはありませんが、ネット上ではVがVariety(バラエティ:多様性)と書かれている記事が多くあります。でも、原著では「Vitality」と書かれているらしく、時代とともに少し変わっているようですね。さらに60代はPhilosophy(フィロソフィー:哲学)と書き加えられているものも見つけました。
由来はどうでもいいですが、研修医から医師として独り立ちしていく過程で、
・20代は失敗しながら一生懸命にいろいろなことに挑戦してみる
・30代は自分の得意な専門性を高めていく
・40代は専門領域の中で自分にしかできないことを探っていく
さらに上の年代に達した編集長からすると、このVSOPはすごく腑に落ちるところです。あなたの周りでカッコよく活躍している先生も、最初からできたわけではないのです。
将来のことは普段は忙しくて考えることを後回しにしがちですが、VSOPを意識しながら専門研修のこと、将来のことを考えてみてはいかがでしょうか?
(編集長)
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
総合診断能力を有するスペシャリスト
を目指します
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また、各診療科の専攻医にZoomで質問できますので、その旨もお知らせください!
腎臓内科の専門研修2023
今回は水戸済生会 腎臓内科の専門研修についての紹介です。
当院は日本腎臓学会認定の研修施設です。内容としては、腎炎やネフローゼ、急性腎不全はもちろんのこと、慢性腎不全の治療選択(血液透析、腹膜透析)、透析患者のアクセス(シャント)トラブルや、他科に入院中の透析患者の合併症も含めて、多くの症例に触れることで幅広い経験を積むことができます。
さらに当院の大きな特徴が2つあります。
1つ目は、当院は茨城県立こども病院と隣接しており、総合周産期母子医療センターがあります。このため腎炎合併妊娠や透析患者さんの妊娠などの、普通の施設では、まずお目にかかれないような症例が経験可能です。腎生検や透析導入症例も多く、多彩な患者を経験できます。
2つ目は、透析のアクセストラブル症例の多さです。残念ながら透析患者さんのアクセストラブルは避けられませんが、当院では、2022年度は手術が年間208件とコロナの影響で前年より減少したものの、PTAが525件とかなり高い水準を維持しています。水戸地区だけでなく、遠方からも症例を紹介いただき、かなり難渋する症例も含まれるのですが、ほとんどを腎臓内科のみで対応しています。ちょっと考えにくいと思いますが、腎臓内科医なのに朝から晩まで手術室かカテ室で過ごす日があるほどです。
ここであなたも考えてみてください。
あなたが腎臓内科の専門研修を受ける時、まだ十分な専門知識のない時期に、症例数だけ多い病院で研修しても、診療に深みがでません。一方、質は高いけれど、症例の偏りがある病院で研修しても診療に幅がでません。数の点でも、質の点でも腎臓内科領域の症例をバランスよく、そして多くの症例を経験できるのが当院の特徴と自負しています。
当院では、内科専門医プログラムを終えて腎臓内科のサブスペシャルティ研修へと、腎臓専門医取得までシームレスな研修環境を提供できます。他にも透析専門医や高血圧専門医、アフェレーシス専門医などを取得することが可能です。
現在は、腎臓内科を志望している専攻医が2名在籍しており、女性医師も多くいます。家庭やプライベートとのバランスも整えながら日々研修に励むことができます。症例に困ることもなく、数と質を担保された当院で、あなたも内科専門研修そして腎臓専門医の取得を目指してください。
(編集長)
シャントPTA中♪
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水戸済生会の消化器内科専門研修2023
水戸済生会総合病院では基幹型の内科専門研修プログラムを有しており、特に腎臓内科、消化器内科、循環器内科は内科専門医を取得後に異動することなく各サブスペシャルティ領域の専門医資格を取得できる施設です。
今回は消化器内科の専門研修について紹介します。
令和5年度は消化器内科には7名のスタッフと7名の消化器内科志望の専攻医がいます。当院の初期研修あがりは3名で、残る4名は他施設での初期研修を終えてから当院の内科専門プログラムを選択してくれました。内科専門プログラムでのローテーションもあるので、全員が消化器内科に固定されている訳でありませんが、若手が多くなって例年になく活気があります。
どの病院でも消化器内科は忙しい診療科ですが、水戸済生会の消化器内科は以下のような特徴があります。
① 高いQOL
チーム制を実効性のある形で導入しているので、仕事の時はみっちり仕事。休みの日は、完全オフ。仕事と趣味を両立できます。それを実現するために、上下の隔たりなく仲間として全員で力を合わせて診療しています。
② 幅広い治療手技
内視鏡治療は当然のこと、当院ではエコー下穿刺治療、血管内治療もすべて自科で行います。食道静脈瘤に対するBRTOや憩室出血や腹腔内出血も血管内治療グループと共に治療にあたりますので、消化器内科がカバーすべきほぼすべての治療手技+αを習得できます。
③ 高難度治療
EUS下穿刺治療、胆道鏡(SpyGlass)を積極的に行っており、さらに小腸内視鏡も導入されました。これからの内視鏡医に求められる新しい治療技術も身に着けられます。また、外科との合同手術(LECS)も導入し、協力して治療を行っています。
④ IBD(炎症性腸疾患)診療
IBD診療も積極的に行っております。典型的初発症例の寛解導入は当然ながら、ステロイド抵抗例などの難治例、外科治療を考慮すべき重症例まで対応しています。IBDの基本治療薬である5-ASA製剤の使い分けはもちろん、栄養療法、血球除去療法、免疫抑制剤、生物学的製剤など、ありとあらゆる医療リソースを用いたIBDの幅広い治療戦略を学ぶことができます。
冒頭でも紹介したように専攻医が増えてきていますが、偏りなく内視鏡検査なども経験して、日に日にレベルアップしています。あなたも水戸済生会の消化器内科で一緒にレベルアップを目指しましょう!
ご質問など、どんな小さなことでも遠慮なく、下記の問い合わせフォームからご連絡ください!
(編集長)
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
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◆マイナビでお会いしましょう!
マイナビレジデントフェスティバル 内科専門領域 エリア関東に当院も登壇します!
病院説明会の前に開催されるキャリアガイダンスには当院の専攻医が登壇して、専門研修病探しについてアドバイスしてくれますので、併せてご参加下さい。
開催は 8月8日 17:30~
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【お知らせ】内科専門研修プログラム説明会
J2のあなたは来年の研修先をどこにするか、いろいろとリサーチ中かと思います。当院のJ2も、大学などの他の施設に見学に行き始めています。
専門研修を始めるには、専門医機構に専攻医登録をして、診療科と研修施設を決める作業が必要になりますが、登録開始のスケジュールはまだ発表されていません。専門医機構と各学会だけでなく、都道府県との調整があるので意外と時間がかかります(昨年は11月から登録開始でした)。
さて、当院では基幹型の内科専門研修プログラムを有しており、特に腎臓内科、消化器内科、循環器内科は内科専門医を取得後に異動することなく各サブスペシャルティ領域の専門医資格を取得できる施設です。
昨年は6月に院内向け、9月に院外向けの説明会を開催しましたが、今年は動きが前倒しになっている印象で、このところお問い合わせいただくことが増えてきました。今年も昨年同様に院内の初期研修医向けに説明会を下記の日程で開催しますが、院外からの参加も歓迎します。ご都合のつく方はぜひご参加ください。なお、J2が対象ですが、関心のある方なら医学生でもJ1でもご参加いただけます。
【水戸済生会 内科専門研修プログラム説明会】
日 時:2022年6月26日(月)
18時開始(40分程度の予定です)
場 所:本館3階 第一会議室
内 容:①内科専門研修の概略
②消化器内科の専門研修について
③腎臓内科の専門研修について
④循環器内科の専門研修について
申し込み方法:下記リンクの問い合わせフォームからお申し込みください。フォーム内の「お問い合わせ内容」欄に「内科専門研修プログラム説明会参加希望」と入力し、送信して下さい。
あなたの参加をお待ちしています♪
(編集長)
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◆市中病院で循環器専門医を目指しているなら
水戸済生会循環器内科のサイトを是非ご覧ください!
PCIだけでなく、Ablation、TAVI、MitraClipなど、当院で行っている幅広い循環器診療を紹介している
充実したサイトです。各種の資格取得にも有利です!
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病院見学のススメ・・・専門研修編
新年度になってあっという間に1か月が過ぎました。新型コロナも時々遭遇しますが、昨年や一昨年と比べたら平和になりましたね。
さて、J2のあなたは来年度からの専門研修プログラムをどうするか、どこに、いつ見学に行くべきかをそろそろ考えていると思います。もしかしたら、そもそもどの診療科にしようかと決めかねているかもしれませんが、見学に行こうと思えば夏休みとかを気にせずに、有休をとっていつでも行けます。専門研修プログラムを決めるのは、専門医機構が次年度の専攻医登録を開始する秋(2022年は11月から開始でした)ですが、まだ時間があると思わないで、少しずつでも情報収集を始めるのが良いと思います。
水戸済生会には基幹型の内科専門研修プログラムがあり、おかげさまで昨年度は定員いっぱいの4名に来ていただくことができました。今年度も既に病院見学にお越しいただいた方もいて、年々前倒ししている印象です。そこで、当院に限った話ではなく、専門研修プログラムを決めるときのポイントを紹介します。
①各施設のプログラムに目を通しましょう。
各領域の基幹学会が専門研修プログラムを取りまとめてWebで見れるようにしています。どれも「研修の理念」とかで始まるので、ぱっと見で読みにくい印象ですが、待遇などのところは毎年見直しが入っているので、チェックしておくのが良いです。また基本的に1つの施設だけで研修する訳ではないので、ローテーション可能な施設もここから知ることができます。参考までに、内科学会のサイトのリンクを貼っておきます。
②気になる病院には、可能な限り病院見学に行くべきです。
最近ではレジナビなどのイベントでも専門研修プログラムを紹介するものが増えてきました。でも、なかなか参加できるわけではありませんので、情報収集はまだまだ口コミや先輩のツテというのが多いようです。だとすればなおさら、気になる病院や候補の病院には可能な限り病院見学に行ってください。
さらに大学の医局も各種イベントに力を入れるところが増えています。医局の先生達や研究内容などを知れるチャンスですので、できるだけ参加しましょう。
③病院見学に行った際のポイントは・・・、
指導医クラス(大学の医局なら医局長)の話は、半分程度に聞いておけばOKです。なぜかと言えば、基本的にイイことしか言わないからです。何とか先輩になる専攻医から直接話を聞きましょう。病院見学の際にはコンタクトをとれなくとも、指導医に紹介してもらうなどして、後日でも実際に働いている専攻医とコンタクトをとる努力をしてください。そしてあなたの知りたいことを質問してみましょう。待遇や他施設のローテーション状況など、プログラムに書かれていない情報を得ることができます。また内科であればJ-OSLERの進み具合やサポートなども聞いておくと役に立つと思います。
そしてカテ室や内視鏡室、エコー室など、実際に案内してもらい、専攻医たちの元気の良さや看護師さんや技師さんたちの雰囲気にも注目してみると良いと思います。
④できるだけ複数回行きましょう。
専攻医を採用する時に、定員越えで選抜する施設は少ないと思いますが、気になっている病院には複数回見学に行くことをおススメします。なぜかと言えば、先輩となる専攻医と話すチャンスが増えて、あなたのイメージしている専門研修とのギャップを少なくできるはずです。さらにあなたの存在が相手の記憶にも残りやすくなります。初期研修医の採用はマッチングという、手だしできないシステムが介在していますが、専門研修ではそのようなシステムはありませんので。
⑤水戸済生会に見学に来ていただいた時は
・希望診療科の専攻医について、できるだけ内視鏡やカテなどに一緒に入ってもらうようしています。
・昼食時に専攻医や指導医と話をする時間が確保しています。ここで、聞きたいことを全部聞くことができるはずです。
・あなたと同じJ2の研修医とも情報交換できるようにしています。
忙しい仕事の合間に見学に行くのは大変ですが、悔いのないように情報収集をしてください。
水戸済生会では専門研修プログラムのための病院見学を随時受け付けていますので、下のリンクからお申し込みください!
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(編集長)
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サブスぺ研修に向けて、コネなしからコネを作る方法
J2になったあなたは、来年からの専門研修先をどうするか考え始めていると思います。先輩などの話を聞いて、見学に行く施設を物色中という感じでしょうか?
自分のやりたい領域がある程度決まっているというあなたは、もしかしたら専門研修先と、その後のサブスぺ研修先として将来働いてみたい有名病院との接点(コネ)が気になっているかもしれません。特に水戸済生会のような市中病院の専門研修プログラムでは、コネ少ないのではないか?と不安に思うかもしれません(注)。
確かにコネは重要ですが、施設とのコネというよりも人とのコネが重要です。人との出会いがあなたの人生を大きく変えるからです。ただ、たとえ医局にいたとしても、市中病院にいたとしても、あなたが自分から行動しないとコネはできません。そこで今回は専門研修後のサブスぺ研修に向けて、コネなしからコネを作る方法を紹介します。
コネなしからコネを作る方法の一つは、「学会や研究会で質問をする」ことです。
新型コロナの第8波が過ぎた現在は、かなりの学会がリアルで開催され、後日オンデマンドで視聴できるスタイルが多くなってきました。リアル参加できるのであれば、最初はちょっと気が引けるかもしれませんが、そこは気合を入れて質問してみてください。
演題ごとに質問すれば完璧ですが、そこまでできなくとも1つのセッションで1回は質問するとか、学会や研究会が開催されるたびに出席して、毎回質問を続けていると、「またあいつか」とかなりの確率で覚えてもらえます。それからセッション終了後に演者や座長を追いかけて、ロビーで質問するのもかなり有効です。これだと名刺を渡せるので名前を覚えてもらう確率は格段に上がります。
またオンライン開催の場合は、ライブで質問できなくとも、チャットなどに質問を入力するのも同様に有効です。取り上げられなくても、チャットに入れた質問はあとから座長や演者が目を通していることが多いからです。
さらに最近ではSNS上での勉強会に参加してみるという手もあります。編集長は主にTwitterを見ていますが、若手の先生からベテランの先生まで、いろいろな先生が主催するとても勉強になるグループがあって、そこに参加してコネを作ることも容易になってきました。
いずれの方法でも、質問するなどしてある程度接触回数を重ねて名前を覚えてもらい、タイミングを見て「施設見学をさせてもらえませんか?」とお願いして、実際に行ってみると良いでしょう。学会場と違った話も聞けるし、施設見学をしたいと口では言っていても、実際に行動に移す人は少ないからです。だからこそ時間をやりくりして、自腹で施設見学に行くと、それだけ「やる気がある」「熱心だ」と良い印象を持ってもらえるので、積極的に行動してみるのが良いと思います。
大事なことは、何となく有名な施設だからではなく、人とのコネを重視して、そこで何を身に着けたいか、何を学びたいかをなるべく明確にして、具体的な目標や質問・疑問を持っていることが重要です。その方が「意欲があるやつ」と覚えてもらえる可能性が高くなります。
あなたのキャリアは、あなたが作っていくものです。ただ、繰り返しになりますがコネはあなたの人生を変える大きなきっかけになるものですが、たとえ医局にいたとしても、市中病院にいたとしても、あなたが自分から行動しないとコネはできません。コネがないから行動しないのは、あまりにもったいない話。初期研修先を決めたときと同じように、サブスぺ研修先を決めるときも、自分の足を使って積極的に行動してみてください。
(注)ちなみに水戸済生会の内科専門研修プログラムでは、積極的にあなたのコネ作りのお手伝いをしているのでどうぞご安心ください♪
(編集長)
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これからは、あなたが決める番です
今J2のあなたは、あと2週間もしたら初期研修医を終えて、専攻医としてのトレーニングが始まります。
今までは上級医や指導医に判断してもらい、それを忠実に実行していれば評価されたかもしれません。でも専攻医になると、重要な方針は指導医と相談しつつも、細かい指示や判断までいちいち指導医に仰ぐのではなく、あなたが決めなくてはなりません。
「決める」「判断する」ということは、思っている以上に大変なことで、不安がつきものです。例えば、もし専攻医になったあなたが当直中に、こんな症例に遭遇したらどうでしょうか?
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70歳代の男性で主訴は心窩部痛。当日早朝から心窩部痛を自覚し、何度か嘔吐もありました。自宅で様子をみていたけど、飲水も食事も十分出来ずに、心窩部痛が持続するため夜になってERを受診しました。
受診時のバイタルは血圧90/60 mmHg 脈拍40bpm 体温35.6度 呼吸数22回心電図では心室レートが40回/分の完全房室ブロックと下壁誘導のST上昇を認めました。
どこから見てもSTEMIで、しかも徐脈とショックになっているので早急な対応が必要です。ER当直中のあなたは循環器内科をコールして、緊急PCIの準備を看護師さんたちに指示しました。
ところが採血結果が出たので見てみると、Cr3.6mg/dlと腎機能が悪いことが判明しました。PCIではヨード造影剤も多く使ってしまいます。もしかしたら造影剤を使うことで透析導入になってしまうかもしれない。
循環器内科医をコールしたけど、コールしない方が良かったのか? もしかしたら怒られるかも?? PCIはやらない方が良いのか???
初期研修中は不安になることもなく言われた通りに対応してきましたが、いざ自分で判断するとなると、急に不安になって、悩んでしまう状況は良くあります。
でも、「臨床は例外対応の連続」なので、ガイドラインなどを踏まえつつ、
・何を優先させるのか?
・何を犠牲にするのか?
といった常に厳しい判断が求められます。
この症例は70歳台のショックを呈するSTEMIですから、たとえ腎機能を犠牲にしても救命のためにPCIすべき症例だと思います。後から考えれば、それ以外の対応はないと思いますが、たとえ循環器内科をコールしても不安はつきもの。でも、これからはあなたが判断する番になります。
そんな時に適切な判断が出来るようなるためには、知識のアップデートも大事ですが、先輩や指導医がその症例の何を重視して判断したのか?どの臨床情報が重要なのかを必ず聞き出してみてください。もちろん初期研修中に経験した症例を思い出しておくのも役に立ちます。「どう判断するのか」にフォーカスすることで、あなたの専門研修もレベルアップするはずです。
追記:このSTEMIの患者さんは約半日の脱水状態で腎機能の悪化を来したと考え、PCIに取り掛かるまでの間に約1Lの輸液を行いました。PCIも上手くいって、術後も順調に腎機能が回復してくれました。
(編集長)
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専攻医のための仕事の進め方
2月と3月は編集長にとって、とても忙しい時期です。と言うのは、初期研修医の修了判定のため各病院で研修管理委員会が開催されるので、タイミングによってはZoomのはしごで出席しなくてはいけません。
さらに内科専攻医についても同様で、JOSLERでの29編の病歴要約の査読が終わったと思ったら、今度は承認作業となります。いくつかの大学の管理会議にも参加していますが、例年病歴要約以外にも多職種評価など、さまざまな必須項目があって、結局3年で内科専門プログラムを修了できない人がかなりの割合でいます。これは全国的に同様の傾向なので、やはり日ごろからコツコツとJOSLERの入力をしていくのが一番の近道です。
でも、そうは言っても院内の仕事もあるし、当直もあるし、ついつい後回しになるのは良く分かります。でも、JOSLERを含めてどの仕事から先に片付けるべきか? 生産性を上げるにはどうしたらいいか? あなたは意識したことがあるでしょうか?
仕事の進め方をどう考えるのかはすごく大事で、当院の医学生・初期研修向けのブログでも過去にたびたび取り上げてきました。編集長自身も分かっているけどできていないので、ときどき時間をとって考える時間を作るようにしています。元ネタは「7つの習慣」という本の中の「時間管理のマトリックス」というものです。さらに少し前に読んだ本に、このマトリックスを発展させた考え方が書いてあり、なるほどと思ったのでシェアしたいと思います。専攻医のあなたにも必ず役立つはずですよ。
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まずは、7つの習慣の中にある「時間管理のマトリックス」について説明します。
やらなければいけない仕事を、下の図のように4つのカテゴリーに分けた時、あなたは最初にどのカテゴリーの仕事に取り組みますか?
最初はⅠのカテゴリーを選びますよね。これには異論はないと思います。
では2番目に取り組む仕事は何でしょう? たいていの人はⅢのカテゴリーと答えます。
でも、具体的な仕事を想像してみてください。専攻医の仕事でⅢのカテゴリーに入るのは・・・、例えば退院直前になって退院指示とか診断書を書いてくれと看護師さんに言われるとか、夕方になって翌日の点滴の指示を出してくれと看護師さんから電話がかかってくるとか・・。よく考えると、前もって処理できそうなものがほとんどです。
では、カテゴリーⅡに入る具体的な仕事は・・・、例えば学会の発表とか抄読会の当番、JOSLERの入力や専門医試験に向けてのお勉強が相当すると思います。ところが、学会発表の準備が前日まで終わっていないとか、明日の抄読会の準備が出来ていない、と言っても許してもらえませんよね。JOSLER入力も終わらなけれ専門医試験を受験できません。
つまり、油断していると緊急度も重要度も高いⅠのカテゴリーに移ってしまいます。当たり前ですが、学会や抄読会、JOSLER入力をちゃんとしていれば、カテゴリーⅡからⅠの事案にならずに済むわけです。仕事を進めるコツは、カテゴリーⅡの仕事を上手く処理して、カテゴリーⅠの事案にならないようにしておくことなのです。
さらに、カテゴリーⅢの仕事を大きくしないように、効率よく片付けることです。Ⅱを大きくして、Ⅲを小さくするように優先順位を決めて取り組んでいくのが理想的です。
ところが、カテゴリーⅡの仕事は大事なことは分かっているけど、どうしても取り掛かりにくいという特徴があります。JOSLER入力や学会発表の準備をやらなくてはいけないのは分かっているけど、いざとなると後回し・・・。
こんな時に「時間投資思考(ロリー・バーデン著)」という本には、重要度(Important)と緊急度(Emergent)に加えて、「将来的意義(原著ではSignificant)」という3つ目の軸を加えて考えると良いことが書かれています。
将来的意義(Significant)のイメージ
例えばあなたのキャリア形成を考えてみるとイイと思います。将来、どの診療科に進むか?専門医資格などを、いつ取得するのか?といったキャリア形成から見た場合に重要なことがカテゴリーⅡに相当します。専門医資格取得にはJOSLER、学会発表が条件となっていることが多いですから、学会発表ととらえるより、その先の専門医資格のための準備ととらえると、少しやる気がでませんか?。
「今」重要なのは何か?だけでなく、「後」に重要な効果を生むものは何か?ということまで考えて判断を下すと、カテゴリーⅠに行かないように、カテゴリーⅡの仕事に取り組めるようになるという話でした。これであなたもちょっと意識を変えて仕事に取り組めるはずです。
(編集長)
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専門医の役割は何なのか?
80歳台後半の女性。ADLは自立して、畑仕事も元気にやっている方でした。ある時、胃痛を主訴に他の医療機関を受診しました。そこで上部消化管内視鏡検査を行ったところ進行胃癌が見つかりました。
ところが、心電図で前壁領域の異常Q波を認め、心エコーでも同領域の壁運動低下とEF45%の収縮能の低下を指摘されました。どうやら胃痛の原因は心筋梗塞で、胃癌はたまたま発見されたようです。
循環器内科をやっていると、ときどきこんな症例に遭遇しますが、この患者さんは前の医療機関では「手術できない、緩和ケア病棟に入院したら」と言われたそうです。
本人は今では胃痛も消失し、いたって元気。認知症もなく、病状も良く理解されています。ご家族も、そんな状況で緩和ケア??と
納得できずに当院の外来にやってきました。
胸部レントゲンでは心不全兆候もなく、本人は以前と同様に畑仕事をやっていて、症状はありません。すでに発症から1か月以上は経過しているようです。
さて、あなたならこの患者さんの治療方針をどう考えますか?(循環器専門医の役割は何かという質問に置き換えて、あなたなりに考えてみてください)
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おそらく心筋梗塞があると全身麻酔がかけられない、おまけに抗血小板薬を飲むから、手術の時に止めなくてはいけない、その時に心筋梗塞が悪化したらマズいでしょ。とあなたも考えるのではないでしょうか。
でも心筋梗塞といっても、心筋ダメージは小さくEFは正常で、日常生活に何も支障ない場合から、心不全で繰り返し入院したり、心室頻拍でICDを植え込む場合もあります。この患者さんは、心筋梗塞後も心不全症状はなく、畑仕事をやっても症状がないので、耐術能はありと考えます(もちろん心エコーとか、CTでの評価は行いました)。消化器内科と消化器外科と相談し、胃全摘を無事に終えました。もとが元気な方でしたので、退院後もADLの低下は無いようです。
ガイドラインに沿った診療をするのは、専門医でなくともできることですが、ガイドラインに沿った患者さんばかりではないのが実臨床です。特に高齢の患者さんでは、併存疾患があるのが当たり前ですが、「心筋梗塞だから手術できない」とか「進行胃癌だから心カテできない」と思考停止にならず、ホントに必要なことは何か?何が患者さんにとって大事なことなのかを考えて、判断していくのが専門医の役割ではないかと思うのです。
あくまで編集長個人の考えですが、多くの問題を抱えている患者について、おかれた条件の中で最適解を考えて出して、実行していくのが専門医の役割の一つだと思いますし、あなたにもそんな専門医になってもらいたいと考えています。
水戸済生会の内科専門研修では、地域の基幹病院としていろいろな背景をもった患者さんの診療を行っています。患者さんにとっての最適解を考えていく場をこれからも提供していきます。
(編集長)
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水戸済生会総合病院の専門研修
今回は当院の専門研修の概要について紹介します。
当院は472床の総合病院で、救命救急センター(3次救急)を有しており、ドクターカーやドクターヘリの基地病院でもあります。また、茨城県立こども病院と隣接しているため、茨城県の県央・県北地区の総合周産期母子医療センターとしてハイリスク分娩などを一手に引き受けています。
専門研修は内科で基幹型プログラムを有していますが、それ以外の診療科は、筑波大学をはじめとした専門研修プログラムの協力施設として、専攻医を受け入れています。
初期研修医の定員は10名で、おかげさまでこの数年はフルマッチが続いており、このうち当院の内科専門研修プログラムに進むのは毎年1~2名です。最近では他施設で初期研修後に当院の専門研修プログラムを選択してくれる人も少しづつ増えてきて、いろいろと活気づいています。
ちなみに過去3年間の当院で初期研修を終えた研修医の進路は、
・当院の内科専門研修プログラム
・筑波大学の内科専門研修プログラム(呼吸器内科、膠原病内科、循環器内科)
・筑波大学の消化器外科、麻酔科、整形外科、産婦人科、脳外科、救急科、皮膚科
・県立こども病院、こころの医療センター、栗田病院
など県内の施設が多いのですが、毎年2~3名は県外の施設での研修を選択しています。
筑波大学の産婦人科や消化器外科に進んだ人は、当院での初期研修後にそのまま半年~1年間程度当院に在籍して症例数を稼いでから大学に行くケースが多いようです。
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