専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。

【循環器】大腿穿刺のトラブル その3(安全な穿刺とは)

2021.03.01
カテゴリー: 循環器

大腿穿刺はいろいろな合併症が起こりえます。

 

   ・穿刺部血腫

   ・仮性動脈瘤

   ・分枝動脈損傷

   ・動静脈穿刺(シャント)

   ・血管解離

   ・血栓形成

   ・感染(止血デバイス使用時)

 

そして、これらは決して動脈穿刺の時だけに起こるものではありません。静脈穿刺の際にも起こりえるので、たとえCVしか入れないあなたでも、十分関係がある話です。

 

さて、上記のような合併症を起こさないためのコツは、穿刺部位を十分に吟味することです。

 

動脈をよく触知できるところで穿刺するの良いとして、

  ・動脈・静脈を同時に貫通しない。

  ・確実な止血が行える(背側に骨構造がある)。

  ・近傍の分枝を傷つけない

 

これに適した穿刺部位があるのを知っていますか? それがこちら↓

 

これは当院に定期的に来ていただいている慶応大学放射線科の井上政則先生からいただいたスライドですが、古寺研一先生が「経皮的血管造影における大腿動脈穿刺部の画像解剖学的検討」というタイトルで発表されたものです。(慶応医学76:179~186,1999)

 

なぜ穿刺部位として、この位置が良いのか? その理由まで知っておくべきだと思いますので、次回に紹介します。

(Angiologist)

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