専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。

内視鏡の話(3)特殊光について

2021.08.09
カテゴリー: 消化器内科

内視鏡について語る第3弾です。相変わらず、いち消化器内科医の勝手な個人的な意見ですので、その点だけご了承お願いいたします。

 

私が内視鏡医になったとき、既にオリンパス社によるNBIという技術は一般に浸透し始めていました。その後、今から6年ほど前に、当院にフジフィルム社のカメラが入りました(今から見ると、一世代前のモデルになります)。このモデルにはBLIとLCIという二種類の特殊光モードが搭載され、BLIはNBIと類似モードであるので使い方はそこまで困りませんでしたが、LCIについては何が見れるモードなのか、よくわかんないモードというのが正直なところでした。現在では腸上皮仮性や萎縮性胃炎の中の腫瘍性病変の検索に際して力を発揮することがわかっており、ルーチンの検査でも積極的に活用しています。

 

特殊光については、さすがフィルム会社といいますか、フジフィルムの技術はすごいな、画質と併せて一歩抜きんでているな、と内心思っていましたが、現在のオリンパスの最新内視鏡には、AFIとIRIという新しいモードが作られました。特にIRIは大量出血の中でも、出血点の見極めをサポートしてくれ、ESDの時には威力を発揮してくれます。やはり処置系ではオリンパスが優位なのか、などと思います。

 

ただ、特殊光や拡大など、内視鏡の機能が増えてくるとそれをコントロールする操作系統の工夫が必要になる。そこに両社の考え方の違いがまた現れる、と。それはまた別の話とします。

 

他の会社の内視鏡は触ったことがないのでわかりませんが、オリンパスとフジフィルム作っているのは同じ内視鏡ですが、そこに込められる思想は明らかに違います(営業マンの姿勢も違いますが)。

 

それぞれの内視鏡は日本が世界に誇る技術者たちの知恵と技術の結晶であり、この違いを感じれば感じるほど、そこに込められた技術者の想いにオタク心がくすぐられます。二社の最新機種を触り放題な環境、きっとなかなかないですよ。まだ試しでしか使ったことないですが、今後はAIにも両社の違いは大きく表れてくるとおもわれ、技術の進化が楽しみで仕方ありません。

(Nao)

真剣そのもの!

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