
専門研修ブログ
茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。
【腎臓内科】ドライウェイトの話(3)
前回の続きです。
大事な点としては除水したくてもできない場合があります。低心機能の人(AS,ARを含む)、感染症など状態が悪くて血圧が低い人(血管透過性が亢進してる人)、肝硬変で腹水はあるけど血管内脱水の人、消化管出血で貧血の人などがその例で、血圧が容易に下がってしまいます。
慢性期で、も糖尿病や神経変性疾患で自律神経機能低下している人や重症下肢虚血があって透析中の疼痛がひどい人も、同様に調節は難しいです。うっ血性心不全で入院した人に関しては,DWの下方修正で血圧が1段階下がることが予想されるため,血圧が低めの時には降圧薬を一部中止してベースをあげてもらえた方が除水しやすい傾向にあります。
透析は状態が悪い患者さんにとっておそらく,みなさんが思っているよりも急変リスクが高く,循環動態としてはダイナミックな治療です。透析開始し沢山の血液が体外に出ることで循環血漿量が減り,本来であればそれを補うようにプラズマリフィリングといって血管内に水分が移動する調節機構が働きますが,上記のような原因があるとうまく働かない,もしくは調節しきれずに血圧が下がってしまいます。
そういった場合、除水のスピードをゆっくりにして長い時間をかける(臨時透析を入れて透析時間を増やす)とか、急性期であればCHDFにすることなどで対応します。透析は,途中でサボることができない治療ですが,血圧がどうしても下がってしまう,いわゆる透析困難症と言われるような方にとっては,透析のたびに血圧が下がって怖い思いをしたり,失神したりと,かなりハードな状況となります。辛い思いをさせながらどこまで透析を続けるのか,どこを体の限界と判断するのかという議論に関しては,とても難しい問題です。
(おもち)
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