専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。

サブスぺ研修に向けて、コネなしからコネを作る方法

2023.04.10
カテゴリー: ブログ

J2になったあなたは、来年からの専門研修先をどうするか考え始めていると思います。先輩などの話を聞いて、見学に行く施設を物色中という感じでしょうか?

 

自分のやりたい領域がある程度決まっているというあなたは、もしかしたら専門研修先と、その後のサブスぺ研修先として将来働いてみたい有名病院との接点(コネ)が気になっているかもしれません。特に水戸済生会のような市中病院の専門研修プログラムでは、コネ少ないのではないか?と不安に思うかもしれません(注)。

 

確かにコネは重要ですが、施設とのコネというよりも人とのコネが重要です。人との出会いがあなたの人生を大きく変えるからです。ただ、たとえ医局にいたとしても、市中病院にいたとしても、あなたが自分から行動しないとコネはできません。そこで今回は専門研修後のサブスぺ研修に向けて、コネなしからコネを作る方法を紹介します。

 

コネなしからコネを作る方法の一つは、「学会や研究会で質問をする」ことです。

 

新型コロナの第8波が過ぎた現在は、かなりの学会がリアルで開催され、後日オンデマンドで視聴できるスタイルが多くなってきました。リアル参加できるのであれば、最初はちょっと気が引けるかもしれませんが、そこは気合を入れて質問してみてください。

 

演題ごとに質問すれば完璧ですが、そこまでできなくとも1つのセッションで1回は質問するとか、学会や研究会が開催されるたびに出席して、毎回質問を続けていると、「またあいつか」とかなりの確率で覚えてもらえます。それからセッション終了後に演者や座長を追いかけて、ロビーで質問するのもかなり有効です。これだと名刺を渡せるので名前を覚えてもらう確率は格段に上がります。

 

またオンライン開催の場合は、ライブで質問できなくとも、チャットなどに質問を入力するのも同様に有効です。取り上げられなくても、チャットに入れた質問はあとから座長や演者が目を通していることが多いからです。

 

さらに最近ではSNS上での勉強会に参加してみるという手もあります。編集長は主にTwitterを見ていますが、若手の先生からベテランの先生まで、いろいろな先生が主催するとても勉強になるグループがあって、そこに参加してコネを作ることも容易になってきました。

 

いずれの方法でも、質問するなどしてある程度接触回数を重ねて名前を覚えてもらい、タイミングを見て「施設見学をさせてもらえませんか?」とお願いして、実際に行ってみると良いでしょう。学会場と違った話も聞けるし、施設見学をしたいと口では言っていても、実際に行動に移す人は少ないからです。だからこそ時間をやりくりして、自腹で施設見学に行くと、それだけ「やる気がある」「熱心だ」と良い印象を持ってもらえるので、積極的に行動してみるのが良いと思います。

 

大事なことは、何となく有名な施設だからではなく、人とのコネを重視して、そこで何を身に着けたいか、何を学びたいかをなるべく明確にして、具体的な目標や質問・疑問を持っていることが重要です。その方が「意欲があるやつ」と覚えてもらえる可能性が高くなります。

 

あなたのキャリアは、あなたが作っていくものです。ただ、繰り返しになりますがコネはあなたの人生を変える大きなきっかけになるものですが、たとえ医局にいたとしても、市中病院にいたとしても、あなたが自分から行動しないとコネはできません。コネがないから行動しないのは、あまりにもったいない話。初期研修先を決めたときと同じように、サブスぺ研修先を決めるときも、自分の足を使って積極的に行動してみてください。

 

(注)ちなみに水戸済生会の内科専門研修プログラムでは、積極的にあなたのコネ作りのお手伝いをしているのでどうぞご安心ください♪

(編集長)

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急性心筋梗塞の病型分類

2023.04.03
カテゴリー: 循環器

80歳台の女性が胸痛で救急搬送されてきました。ADLは自立していますが、糖尿病の既往があり、1週間前から下腿浮腫に気づいており、2日前から労作時の息切れもあったそうです。この日は夜間就寝中に突然の胸痛を自覚したとのことでした。胸部レントゲンでは両側に肺うっ血と胸水を認め、心不全の増悪で間違いなさそう。ところが心電図は下壁誘導でわずかですがST上昇あり。トロポニンも陽性でエコーでも下壁の動きは低下していたため、STEMIの診断で緊急PCIとなりました。

 

PCIをやってみると、前下行枝と回旋枝に狭窄病変はあるものの閉塞病変はありませんでした。下壁でST変化があったことから回旋枝病変に対してPCIを行うこととし、病変部をバルーンで拡張したものの硬い病変で、血栓が関与している印象はなし。ステントを留置して、無事終了しましたが、その後の心筋逸脱酵素の上昇も大したことない・・・・。なんか、いつものSTEMIとはちょっと印象がちがっている症例でした。

 

実はこの症例は、おそらくType2心筋梗塞と呼ばれるものですが、あなたは心筋梗塞に病変分類があることをご存じでしょうか?

 

前回の記事でも紹介した2018年のUniversal definitionでは、心筋梗塞の原因によりType 1~5に分類されています。

 

Type 1:アテローム性動脈硬化に併発した血栓症によるもの。

Type 2:心筋への酸素の需要と供給のミスマッチによるもの。

Type 3:心筋バイオマーカー未評価の状況下での心筋虚血による突然死。

Type 4a:PCI手技関連によるもの。

Type 4b:ステント血栓症によるもの。

Type 5:冠動脈バイパス(CABG)手技関連によるもの。

 

実際のところType3以下はあまり使うことはないのですが、Type2心筋梗塞はあなたも遭遇するかもしれません。

 

Type2心筋梗塞とは、具体的には冠動脈狭窄病変における酸素需給のインバランス,冠動脈攣縮,冠動脈解離などにより心筋壊死を伴う心筋傷害を認めるもののことを指しています。

 

冒頭の症例は、心不全のため酸素需要が増大したものの、冠動脈の狭窄病変があるため酸素の需要と供給にミスマッチが生じて起こったと考えられます。よくある冠動脈内の血栓が関与していない心筋梗塞のPCIは時々経験するので、決して珍しい訳ではありませんので、知っておいた方が良いと思います。            

参考文献:Circulation. 2018;138:e618–e651

(編集長)

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急性心筋梗塞の診断基準

2023.03.27
カテゴリー: 循環器

ERに搬送されて来た70歳代の男性。主訴は胸痛。発症から約3時間で来院しました。心電図は下壁誘導でST上昇あり。緊急PCIで右冠動脈の閉塞を認めて、ステント留置で無事に再灌流に成功しました。よくあるSTEMIの症例です。ところがPCI終了後にERで初療を行ってくれた初期研修医からこんな質問がありました。

 

「来院時の採血でWBCもCPKもLDHもトロポニンも全く正常でしたけど、こんなことってあるんですか?」

答えはもちろん「あり」です。STEMIでも発症から早ければ血液検査が正常ということは当然あります。

 

でも現場でやっていると、「WBCも何も上昇していない、いいのかな?」とか「循環器の先生を呼んじゃったけど良かったのかな?」などと、急に不安になった経験があなたにもあるはずです。後から考えれば何てことないのですが、臨床とはそういうものです。なので心配しなくて大丈夫です。

 

でも、自分なりに症例を振り返り、次に同じような状況に遭遇した時に自信をもって対応できるように経験を積み上げていくことが大事です。

 

では、この症例に関連して質問です。急性心筋梗塞の診断基準は何でしょう?

意外とこの質問に自信をもって答えられる専攻医は少ないものです。なので、この機会に是非とも覚えてください。

 

急性心筋梗塞の診断基準は2012年に欧州心臓病学会と米国心臓病学会からUniversal definitionなるガイドラインが出されています。これには、トロポニン上昇に加えて、

  1. 心筋虚血による症状
  2. 心電図による新たなST-T変化、新たな左脚ブロックの出現
  3. 心電図にて異常Q波出現
  4. 画像診断にて新たな心筋のバイアビリティ喪失、新た壁運動異常
  5. 冠動脈血管造影や剖検での冠動脈内の血栓の同定 

上記5つのうち1つ以上を満たすと定義されています。

 

このUniversal definitionが覚えにくいもしくは覚えたくない、という場合は以前に用いられていたWHOの診断基準が簡単です。

それは

・虚血による胸部症状

・心筋梗塞に合致する心電図変化

・心筋逸脱酵素の上昇

このうち2つ以上あれば急性心筋梗塞と診断します。

 

疾患概念や疾患の定義、診断基準は変わるものですが、遭遇頻度の高い疾患については、現場で経験した時に確認してみると頭に入りやすくなります。

(編集長)

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これからは、あなたが決める番です

2023.03.20
カテゴリー: ブログ

今J2のあなたは、あと2週間もしたら初期研修医を終えて、専攻医としてのトレーニングが始まります。

 

今までは上級医や指導医に判断してもらい、それを忠実に実行していれば評価されたかもしれません。でも専攻医になると、重要な方針は指導医と相談しつつも、細かい指示や判断までいちいち指導医に仰ぐのではなく、あなたが決めなくてはなりません。

 

「決める」「判断する」ということは、思っている以上に大変なことで、不安がつきものです。例えば、もし専攻医になったあなたが当直中に、こんな症例に遭遇したらどうでしょうか?

70歳代の男性で主訴は心窩部痛。当日早朝から心窩部痛を自覚し、何度か嘔吐もありました。自宅で様子をみていたけど、飲水も食事も十分出来ずに、心窩部痛が持続するため夜になってERを受診しました。

 

受診時のバイタルは血圧90/60 mmHg 脈拍40bpm 体温35.6度 呼吸数22回心電図では心室レートが40回/分の完全房室ブロックと下壁誘導のST上昇を認めました。

 

どこから見てもSTEMIで、しかも徐脈とショックになっているので早急な対応が必要です。ER当直中のあなたは循環器内科をコールして、緊急PCIの準備を看護師さんたちに指示しました。

 

ところが採血結果が出たので見てみると、Cr3.6mg/dlと腎機能が悪いことが判明しました。PCIではヨード造影剤も多く使ってしまいます。もしかしたら造影剤を使うことで透析導入になってしまうかもしれない。

 

循環器内科医をコールしたけど、コールしない方が良かったのか? もしかしたら怒られるかも?? PCIはやらない方が良いのか???

 

初期研修中は不安になることもなく言われた通りに対応してきましたが、いざ自分で判断するとなると、急に不安になって、悩んでしまう状況は良くあります。

 

でも、「臨床は例外対応の連続」なので、ガイドラインなどを踏まえつつ、

・何を優先させるのか?

・何を犠牲にするのか?

といった常に厳しい判断が求められます。

 

この症例は70歳台のショックを呈するSTEMIですから、たとえ腎機能を犠牲にしても救命のためにPCIすべき症例だと思います。後から考えれば、それ以外の対応はないと思いますが、たとえ循環器内科をコールしても不安はつきもの。でもこれからはあなたが判断する番になります。

 

そんな時に適切な判断が出来るようなるためには、知識のアップデートも大事ですが、先輩や指導医がその症例の何を重視して判断したのか?どの臨床情報が重要なのかを必ず聞き出してみてください。もちろん初期研修中に経験した症例を思い出しておくのも役に立ちます。「どう判断するのか」にフォーカスすることで、あなたの専門研修もレベルアップするはずです。

 

追記:このSTEMIの患者さんは約半日の脱水状態で腎機能の悪化を来したと考え、PCIに取り掛かるまでの間に約1Lの輸液を行いました。PCIも上手くいって、術後も順調に腎機能が回復してくれました。

(編集長)

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日循で発表してきました♪

2023.03.13
カテゴリー: 循環器

先週のことですが、日本循環器学会学術集会が福岡で開催され、当院の本田先生がポスター発表をしてきました。

 

昨年まではコロナの影響でオンライン中心の開催になっていましたが、久しぶりのリアル開催で、なおかつオンデマンド配信を見ると専門医更新の単位もとれるので、地方にいる循環器内科医には有難い開催形式だったと思います。

 

福岡ということもあり、編集長は初日の朝に茨城空港から直行便で福岡へ。福岡は夜でも上着がいらないほどの暖かさと天気のよさで快適でした。2日間いて、ちゃんと勉強してきました。やはり国内最大規模の循環器学会ですので参加者も多く、心不全療養指導士など医師以外のセッションも非常に盛り上がっていました。

 

 

学会2日目の午前に本田先生の発表がありました。内容は心房細動に対するアブレーションに関するものでしたが、似た内容の論文が最近発表されていて、別の結果だったのですが、その点に関する質問も無難にこなしていました。本田先生、お疲れ様でした。

 

日常臨床の忙しい中で発表の準備をするのは、なかなか大変なものですが、今後はもう少し学会発表を増やしていきたいと思っています。

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STEMIか?解離か? CTはいつ撮るべきか

2023.03.06
カテゴリー: 循環器

50歳代の男性が胸痛で搬送されてきました。心電図は下壁誘導(Ⅱ、Ⅲ、aVF)でST上昇が見られます。

 

バイタルは血圧170/100mmHg、心拍数86bpm、体温36.5℃、呼吸数20回/分。STEMIと診断して、緊急PCIの準備に取り掛かりました。そんな最中に、「A型解離の可能性は大丈夫かな?」「CTどうする?」と誰かが言いました。

 

こんな時、あなたならどうしますか?

 

確かに、急性A型大動脈解離では胸痛の訴えが多いですし、右冠動脈を巻き込むことが多く、下壁梗塞の心電図を呈します。では、下壁梗塞とか、胸痛を訴える患者さんは、A型解離を鑑別するために、全員に造影CTを施行するべきなのでしょうか?

 

一方で、STEMIに比べれば、急性A型大動脈解離は頻度がずっと少ないですし、CTを撮ればPCI開始までの時間が長くなり、せっかちな循環器医は待ってくれません。

 

こんなときに参考になるのが、大動脈解離診断リスクスコア(ADD-RS : Aortic DissectionDetection Risk Score)です。(Circulation 2011; 123:2213-8)

 

 

 

3つのカテゴリーがありますが、各カテゴリーの中で1つ以上該当するものがあれば1点とし、0点から、最高3点となります。0点は低リスク、1点は中リスク、2点以上は高リスクとします。

 

このスコアでは、症状も重要で、裂けるような痛みと表現されています。(ちなみにSTEMIでは胸痛と言っても、「象に乗られたような、胸全体が苦しい感じ」という表現に近くなります。ですので、胸痛と一言で片づけないで、良く症状を聞き出しましょう)

 

さらに、このADD-RSとDダイマーをあわせて、大動脈解離を除外していくアルゴリズムも提唱されています。(Circulation.2018; 137:250-8.)

 

 

「解離の可能性は?」「CTを撮るべきか?」 悩んだ時は参考にしてみてください。

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専攻医のための仕事の進め方

2023.02.27
カテゴリー: ブログ

2月と3月は編集長にとって、とても忙しい時期です。と言うのは、初期研修医の修了判定のため各病院で研修管理委員会が開催されるので、タイミングによってはZoomのはしごで出席しなくてはいけません。

 

さらに内科専攻医についても同様で、JOSLERでの29編の病歴要約の査読が終わったと思ったら、今度は承認作業となります。いくつかの大学の管理会議にも参加していますが、例年病歴要約以外にも多職種評価など、さまざまな必須項目があって、結局3年で内科専門プログラムを修了できない人がかなりの割合でいます。これは全国的に同様の傾向なので、やはり日ごろからコツコツとJOSLERの入力をしていくのが一番の近道です。

 

でも、そうは言っても院内の仕事もあるし、当直もあるし、ついつい後回しになるのは良く分かります。でも、JOSLERを含めてどの仕事から先に片付けるべきか? 生産性を上げるにはどうしたらいいか? あなたは意識したことがあるでしょうか?

 

仕事の進め方をどう考えるのかはすごく大事で、当院の医学生・初期研修向けのブログでも過去にたびたび取り上げてきました。編集長自身も分かっているけどできていないので、ときどき時間をとって考える時間を作るようにしています。元ネタは「7つの習慣」という本の中の「時間管理のマトリックス」というものです。さらに少し前に読んだ本に、このマトリックスを発展させた考え方が書いてあり、なるほどと思ったのでシェアしたいと思います。専攻医のあなたにも必ず役立つはずですよ。

 

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まずは、7つの習慣の中にある「時間管理のマトリックス」について説明します。

やらなければいけない仕事を、下の図のように4つのカテゴリーに分けた時、あなたは最初にどのカテゴリーの仕事に取り組みますか?

 

最初はⅠのカテゴリーを選びますよね。これには異論はないと思います。

 

では2番目に取り組む仕事は何でしょう? たいていの人はⅢのカテゴリーと答えます。

 

でも、具体的な仕事を想像してみてください。専攻医の仕事でⅢのカテゴリーに入るのは・・・、例えば退院直前になって退院指示とか診断書を書いてくれと看護師さんに言われるとか、夕方になって翌日の点滴の指示を出してくれと看護師さんから電話がかかってくるとか・・。よく考えると、前もって処理できそうなものがほとんどです。

 

では、カテゴリーⅡに入る具体的な仕事は・・・、例えば学会の発表とか抄読会の当番、JOSLERの入力や専門医試験に向けてのお勉強が相当すると思います。ところが、学会発表の準備が前日まで終わっていないとか、明日の抄読会の準備が出来ていない、と言っても許してもらえませんよね。JOSLER入力も終わらなけれ専門医試験を受験できません

 

つまり、油断していると緊急度も重要度も高いⅠのカテゴリーに移ってしまいます。当たり前ですが、学会や抄読会、JOSLER入力をちゃんとしていれば、カテゴリーⅡからⅠの事案にならずに済むわけです。仕事を進めるコツは、カテゴリーⅡの仕事を上手く処理して、カテゴリーⅠの事案にならないようにしておくことなのです。

 

さらに、カテゴリーⅢの仕事を大きくしないように、効率よく片付けることです。Ⅱを大きくして、Ⅲを小さくするように優先順位を決めて取り組んでいくのが理想的です。

 

ところが、カテゴリーⅡの仕事は大事なことは分かっているけど、どうしても取り掛かりにくいという特徴があります。JOSLER入力や学会発表の準備をやらなくてはいけないのは分かっているけど、いざとなると後回し・・・。

 

こんな時に「時間投資思考(ロリー・バーデン著)」という本には、重要度(Important)と緊急度(Emergent)に加えて、「将来的意義(原著ではSignificant)」という3つ目の軸を加えて考えると良いことが書かれています。

 

将来的意義(Significant)のイメージ

 

例えばあなたのキャリア形成を考えてみるとイイと思います。将来、どの診療科に進むか?専門医資格などを、いつ取得するのか?といったキャリア形成から見た場合に重要なことがカテゴリーⅡに相当します。専門医資格取得にはJOSLER、学会発表が条件となっていることが多いですから、学会発表ととらえるより、その先の専門医資格のための準備ととらえると、少しやる気がでませんか?。

 

「今」重要なのは何か?だけでなく、「後」に重要な効果を生むものは何か?ということまで考えて判断を下すと、カテゴリーⅠに行かないように、カテゴリーⅡの仕事に取り組めるようになるという話でした。これであなたもちょっと意識を変えて仕事に取り組めるはずです。

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腎臓内科の専門研修2023

2023.02.20
カテゴリー: 腎臓内科

今回は腎臓内科の専門研修についての紹介です。

 

当院は日本腎臓学会認定の研修施設で、診療内容として腎炎やネフローゼ、急性腎不全はもちろんのこと、慢性腎不全の治療選択(血液透析、腹膜透析)、透析患者のアクセス(シャント)まで行っています。腎臓内科医がいる施設はもともと多くありませんが、幸い当院には専攻医も含めて腎臓内科医がいるので、地域の症例が集まるだけでなく、透析導入施設としての役割も大きく、透析導入数は全国トップクラスに位置しています。もちろん、他科に入院中の透析患者の合併症も含めて、多くの症例に触れることで幅広い経験を積むことができます。

 

さらに当院の大きな特徴が2つあります。

 

1つ目は、当院は茨城県立こども病院と隣接しており、総合周産期母子医療センターがあります。このため腎炎合併妊娠や透析患者さんの妊娠などの、普通の施設では、まずお目にかかれないような症例が経験可能です。腎生検や透析導入症例も多く、実に多彩な患者を経験できます。

 

2つ目は、透析のアクセス症例の多さです。透析患者さんのアクセス(シャント)は言ってみれば命綱ですが、残念ながらアクセストラブルは避けられません。当院ではアクセストラブルに対するPTAを腎臓内科でカバーしており、コロナの影響で一時的に減少したものの、2021年度のPTAが536件と年々増加しています。水戸地区だけでなく、かなり遠方からも症例を紹介いただき、かなり難渋する症例も含まれるのですが、ほとんどを腎臓内科のみで対応しています。ちょっと考えにくいと思いますが、腎臓内科医なのに朝から晩まで手術室かカテ室で過ごす日があるほどです。

腎臓内科のサイトはこちら

 

ここであなたも考えてみてください。

 

あなたが腎臓内科の専門研修を受ける時、まだ十分な専門知識のない時期に、症例数だけ多い病院で研修しても、診療に深みがでません。一方、質は高いけれど、症例の偏りがある病院で研修しても診療に幅がでません。数の点でも、質の点でも腎臓内科領域の症例をバランスよく、そして多くの症例を経験できるのが当院の特徴と自負しています。

 

当院では内科専門医プログラムを終えて、腎臓内科のサブスペシャルティ研修へと、腎臓専門医取得までシームレスな研修環境を提供できます。他にも透析専門医や高血圧専門医、アフェレーシス専門医などを取得することが可能です。

 

現在は、腎臓内科を志望している専攻医が2名在籍しており、女性医師も多くいます。家庭やプライベートとのバランスも整えながら日々研修に励むことができます。症例に困ることもなく、数と質を担保された当院で、あなたも内科専門研修そして腎臓専門医の取得を目指してください!

 

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昨年開催した内科専門研修

プログラム説明会の一コマ

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循環器内科の専門研修2023

2023.02.13
カテゴリー: 循環器

もしあなたが、循環器内科に興味があって

 

・STEMI患者のPCIをできるようになりたい

・アブレーションで不整脈を治したい

・早いうちからTAVIもMitraclipもやりたい

・PADやAortaなど心臓以外もやってみたい

 

これらいずれかに当てはまるなら、この先を読む価値があります。そして医局に入らずに循環器専門医資格を取りたいと思っている

なら、なおさら最後まで読んでください。

 

ご存じの通り、循環器領域は日中でも夜でもERに最も呼ばれる診療科の一つで、決して楽な診療科ではないかもしれません。ですが、自分の治療で患者さんがみるみる良くなることも実感できる診療科でもあります。さらにデバイスの進歩が目覚ましく、治療戦略が次々にアップデートされ、それだけやりがいのある領域です。水戸済生会の循環器内科は「地域完結」をキーワードの一つに掲げて、循環器領域の大部分の診療をカバーしています。

 

循環器内科のサイトもぜひご覧ください

 

もう少し紹介すると、水戸済生会の循環器内科はPCIではもともと県内で有数の施設でしたが、さらにカテーテルアブレーションやICD、CRTにも早くから取り組んでおり、今ではアブレーションも県内有数の症例数となっています。また循環器内科医が関わることの多いPADに対するEVTも県内トップの症例数で、さらに心外との連携が密で、大動脈瘤、大動脈解離へのステントグラフトや大動脈弁狭窄症に対するTAVI、そしてMitraclipも順調に症例を重ねています。

 

新しいデバイスは症例数の多い施設から導入されることが多いので、あなたが専門研修施設を選ぶ時は当然考慮すべきポイントです。さらに最近では、新しいデバイスの術者になるための要件として、ほとんどの場合で循環器専門医資格が必要になっています。循環器専門医を取得したうえで、他の循環器領域の資格であるCVIT専門医や不整脈専門医などを取得するシステムになっています。

 

つまり、循環器専門医を持っていないと、いくら経験や技術はあってもその次の資格が取得できないようになっているのです。あなたが循環器内科を考えているなら、最初にすべきことは内科専門医を最速で取得し、最短で循環器専門医資格を得ることです。そして、そんな時に当院は有利です。

 

先ほど紹介したように主要な疾患をカバーしていることに加え、県立こども病院が隣接しているため成人の先天性心疾患症例も含めて当院は症例数も多く、異動することなく1つの施設で専門医取得のための症例が全部経験できるのです。そして専門医資格を取得後も、PCIをはじめとした各種の施設認定を受けているので循環器領域の各種の資格取得もスムーズです。しかも、大学の医局とは関係なく専門医資格を取得できるのが当院の強みです。

 

当院の内科専門医プログラムから循環器領域をじっくりと腰を据えて、技術の取得と経験症例数の確保に専念できる環境ですので、あなたも当院での内科専門医プログラムから循環専門医取得を目指してください

 

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消化器内科の専門研修2023

2023.02.06
カテゴリー: 消化器内科

今回は消化器内科の専門研修について紹介します。

 

今年度(令和4年度)の消化器内科には7名のスタッフと消化器内科志望の専攻医が5名います。専攻医5名のうち、2名が他施設の内科専門研修プログラムからのローテーションで来てくれていますが、3名は当院の内科専門研修プログラムに在籍しています。

 

そして次年度(令和5年度)からは消化器内科志望の専攻医が4名加わってくれます。(なんと、応募してくれた専攻医全員が消化器内科志望でした♪)他施設からのローテーションの2名は自施設に戻りますが、それでも2名の増員となるので、ますます活気がでますね。

 

どの病院でも消化器内科は患者さんも多く、とても忙しい診療科ですが、水戸済生会の消化器内科は以下のような特徴があります。

 

① 高いQOL

チーム制を実効性のある形で導入しているので、仕事の時はみっちり仕事。休みの日は、完全オフ。仕事と趣味を両立できます。それを実現するために、上下の隔たりなく仲間として全員で力を合わせて診療しています。

 

② 幅広い治療手技

内視鏡治療は当然のこと、当院ではエコー下穿刺治療、血管内治療もすべて自科で行います。食道静脈瘤に対するBRTOや憩室出血や腹腔内出血も血管内治療グループと共に治療にあたりますので、消化器内科がカバーすべきほぼすべての治療手技+αを習得できます。

 

③ 高難度治療

EUS下穿刺治療、胆道鏡(SpyGlass)を積極的に行っており、さらに小腸内視鏡も導入されました。これからの内視鏡医に求められる新しい治療技術も身に着けられます。また、外科との合同手術(LECS)も導入し、協力して治療を行っています。

 

④ IBD(炎症性腸疾患)診療

IBD診療も積極的に行っております。典型的初発症例の寛解導入は当然ながら、ステロイド抵抗例などの難治例、外科治療を考慮すべき重症例まで対応しています。IBDの基本治療薬である5-ASA製剤の使い分けはもちろん、栄養療法、血球除去療法、免疫抑制剤、生物学的製剤など、ありとあらゆる医療リソースを用いたIBDの幅広い治療戦略を学ぶことができます。

 

冒頭でも紹介したように専攻医が5名いますが、他院のプログラムから来た専攻医は、自院ではあまり内視鏡などの手技をできていなかったようですが、当院ではすでに数多くの症例を経験し、どんどん上達しているようです。あなたも水戸済生会の消化器内科で一緒にレベルアップを目指しましょう!

 

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(編集長)

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