専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。

【循環器】大腿穿刺部トラブル その11(シース挿入時の血管損傷)

2021.06.14
カテゴリー: 循環器

あなたが心カテをやっている時のことを考えてみてください。

 

カテをやる時は最初にシースを入れます。今回は右大腿動脈からシースを挿入しますが、その時なんかスムーズに入りません。「何でだろ?」と思ってやり直すと、今度は問題なく挿入できました。カテも無事に終わって帰室の準備をしようと覆布をとったら、穿刺部周囲が腫れていた・・・。

 

 

このように、穿刺部のトラブルは思わぬ形で起こってしまいます。このケースでは、いったい何が起こったのでしょう?

 

このようなことは、シース挿入時のガイドワイヤーが分枝に迷入してしまうことで起こります。ガイドワイヤー先端で血管穿孔を起こし得ますし、ワイヤーでは損傷しなくとも、分枝に進んだワイヤーに気づかずシースを挿入すると損傷してしまいます。

 

特に注意すべき分枝は、この2つです。(冒頭のCTは下腹壁動脈損傷による血腫です)

 

 

下腹壁動脈に比べて深腸骨回旋動脈(DICA)は角度的にガイドワイヤーが迷入しやすいので、特に注意が必要です。血腫ができる位置も穿刺部と離れていることが多いので、自分のせいじゃないと思いたくなりますが、やはり穿刺手技が原因です。

 

でも、これはカテ室では透視で先端がどこにあるのかを確認すれば防ぐことができます。手ごたえがおかしければすぐに透視で確認をする。手ごたえが問題なくとも透視で確認する。透視で確認することが重要です。

 

問題なのは、透視が使えない状況でシースを挿入する時です。具体的にはERでAライン代わりに動脈にシースを挿入する時が特に危ないので、慎重さが必要です。編集長自身は、冒頭のような血管損傷が怖いので、透視なしの大腿動脈穿刺でシース挿入は原則行いません。でも、どうしても必要な時は、ガイドワイヤーを変更してやることもあります。

 

なぜガイドワイヤーを変更するのか?についいて次回に紹介します。

(編集長)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆【初期研修医向け】eレジフェアONLINE Week2021に出展します!

6月14日(月)から開催される初期研修医向けeレジフェア 専門・後期研修病院合同説明会に当院も出展します。水戸済生会の内科専門研修プログラムについて、現在研修中の専攻医らがあなたの質問にお答えします!是非ご参加ください!!

eレジのサイトはこちら

 

◆専門研修向け Web版・個別病院説明会を開催します!

直接研修医からホントのところを聞いてみませんか?

6月1日~6月30日まで開催します!

詳細はこちらから

 

◆10分で分かります

1月に開催された「レジナビFairオンライン2021 ~専門研修(内科)プログラム~」 での説明動画を、水戸済生会YouTubeチャンネルでご覧いただけます!

 

水戸済生会の内科専門研修の特徴が10分で分かります。特に、消化器内科・循環器内科・腎臓内科を志望しているあなたは、ぜひご覧ください!

 

水戸済生会YouTubeチャンネルで説明動画見る