専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。

消化器内科の専門研修2024

2024.01.15
カテゴリー: ブログ

前回は水戸済生会の内科専門研修プログラムの概略を紹介しましたが、今回は消化器内科の専門研修について紹介します。

 

今年度(令和5年度)の消化器内科には7名のスタッフと消化器内科志望の専攻医が6名います。専攻医6名のうち、2名がJOSLERを終了して内科専門医試験を受験する予定になっています。

 

当院では専門研修1年目(つまり卒後3年目)の後半から他施設をローテして、専門研修2年目(つまり卒後4年目)の後半から当院での研修にほぼ固定というパターンが多いので、今年の後半以降はこの4名が院内で頑張ってくれることになります。

 

どの病院でも消化器内科は患者さんも多く、とても忙しい診療科ですが、水戸済生会の消化器内科は以下のような特徴があります。

 

① 高いQOL

チーム制を実効性のある形で導入しているので、仕事の時はみっちり仕事。休みの日は、完全オフ。仕事と趣味を両立できます。それを実現するために、上下の隔たりなく仲間として全員で力を合わせて診療しています。

 

② 幅広い治療手技

内視鏡治療は当然のこと、当院ではエコー下穿刺治療、血管内治療もすべて自科で行います。食道静脈瘤に対するBRTOや憩室出血や腹腔内出血も血管内治療グループと共に治療にあたりますので、消化器内科がカバーすべきほぼすべての治療手技+αを習得できます。

 

③ 高難度治療

EUS下穿刺治療、胆道鏡(SpyGlass)を積極的に行っており、さらに小腸内視鏡も導入されました。これからの内視鏡医に求められる新しい治療技術も身に着けられます。また、外科との合同手術(LECS)も導入し、協力して治療を行っています。

 

④ IBD(炎症性腸疾患)診療

IBD診療も積極的に行っております。典型的初発症例の寛解導入は当然ながら、ステロイド抵抗例などの難治例、外科治療を考慮すべき重症例まで対応しています。IBDの基本治療薬である5-ASA製剤の使い分けはもちろん、栄養療法、血球除去療法、免疫抑制剤、生物学的製剤など、ありとあらゆる医療リソースを用いたIBDの幅広い治療戦略を学ぶことができます。

 

冒頭でも紹介したように専攻医が6名いますが、すでに数多くの症例を経験し、どんどん上達しています。あなたも水戸済生会の消化器内科で一緒にレベルアップを目指しましょう!

 

ご質問など、どんな小さなことでも遠慮なく、下記の問い合わせフォームからご連絡ください!

 

(編集長)

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2024年1月21日(日) 11:30~11:50

 

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水戸済生会総合病院の専門研修2024

2024.01.08
カテゴリー: ブログ

今回は当院の専門研修の概要について紹介します。

 

当院は472床の総合病院で、救命救急センター(3次救急)を有しており、ドクターカーやドクターヘリの基地病院でもあります。また、茨城県立こども病院と隣接しているため、茨城県の県央・県北地区の総合周産期母子医療センターとしてハイリスク分娩などを一手に引き受けています。

 

専門研修は内科の基幹型プログラムを有していますが、それ以外の診療科は、筑波大学をはじめとした専門研修プログラムの協力施設として、専攻医を受け入れています。

 

 

初期研修医の定員は10名で、おかげさまでこの4年はフルマッチが続いています。来年度はいないのですが、今まではこの10名から1~2名が当院の内科専門研修プログラムに進んでくれています。またこの数年は他施設で初期研修後に、当院の内科専門研修プログラムを選択してくれる人も増えてきて、非常に活気づいています。

 

内科以外の診療科では、お隣の県立こども病院での小児科専門プログラム、筑波大学の産婦人科や外科系、内科系診療科が多く、そのほかに県外の施設に進む人も数名います。

 

ちなみに筑波大学の産婦人科や消化器外科に進んだ人は、当院での初期研修後にそのまま半年~1年間程度当院に在籍して、経験症例数を稼いでから大学に行くケースが多いようです。

 

内科専門プログラムについては、消化器内科、循環器内科、腎臓内科が充実していますが、昨秋から脳神経内科、リウマチ膠原病内科医の指導医も赴任したことから、経験症例が幅広くなっています。さらに4月からは血液内科も始まる予定ですので、より充実したプログラムになる予定です。詳細は改めてご紹介します!

(編集長)

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新年のご挨拶

2024.01.01
カテゴリー: ブログ

新年明けましておめでとうございます。

 

いつもこのブログをお読みいただき有難うございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

さて、年末年始はいかがお過ごしでしたか?編集長もそうでしたが、皆さんの中には当直や日勤で、結局は病院にいたという方も多かったのではないでしょうか。大変お疲れ様でした。

 

さて、水戸済生会の内科専門研修プログラムも今年度の在籍が8名となり、さらに協力施設からのローテーションが加わってにぎやかになりました。各診療科をローテーションしている専攻医らは、症例を経験するたびにメキメキと実力を付けて、とても頼りになる存在になっています。

 

そして現在S3の3名は無事にJOSLERを終えることができる見込みです。内科専門医を取得しても、すぐにサブスペシャルティの資格取得がありますので、この調子で頑張って欲しいところです。

 

さて、このブログは水戸済生会の専門研修を紹介するのが一番の目的ですが、当院は有名病院のような知名度はありませんし、大学病院のように何でもそろっている訳ではありません。でも、特に消化器内科、循環器内科、腎臓内科を考えているあなたにとって、自分自身で経験できる症例数とできる手技の幅広さを考えると、水戸済生会の内科専門プログラムはすごく掘り出しものだと思っています。

 

今年もこのブログでは、少しでも早く臨床の実力を付けたいあなた、手技をできるようになりたいあなたに向けて、当院の内科専門プログラムのホントのところはもちろんのこと、他の診療科の情報もお届けしていきたいと思います。

 

改めてまして、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

(編集長)

 

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一人で練習する

2023.12.04
カテゴリー: ブログ

あなたが循環器内科志望なら、カテの練習はどうやっていますか?

 

ずっと助手でついていて、指導医に「やってみる?」と言われてカテを手にしても、いきなりできる訳ではないですよね。やはり練習が必要です。それ以前に、そもそも患者さんに失礼です。

 

このブログで紹介している「SKILL 一流の外科医が実践する修練の法則」には、「手術はパフォーマンス・演奏会と同じと考えよ」と書いてあります。確かに、もしあなたが大勢の前でギターの演奏を披露するとしたら、気を散らさないように一人で練習するでしょう。

 

手術やカテもこれと同じで、患者さんに最高の手技を見せられるように練習が必要です。しかも、自分を追い込んで、人よりもたくさんの練習が必要です。

 

適切な例えではないかもしれませんが、あなたが医学部を受験した時、国試を受験した時には一人で、時間を惜しんで勉強したはずです。だから今のあなたがあるのと同じです。

 

当院の場合は、消化器外科ならスキルラボで腹腔鏡の練習ができますが、多くの施設同様にカテのスキルラボはありません。

 

でも、PCIが終わったら、片付ける前に使い終わったデバイスをいじって、どこまで力を加えると壊れるのかを確かめてみる。滅菌期限切れのガイディングとかワイヤーをもらって、自分の部屋でいじってみる。放射線技師さんにお願いして、カテ台の上で透視を見ながら動かしてみる。カテ台の動かし方や操作方法も練習する。

 

指導医の側からすれば、すぐには上達しなくとも、あなたのそんな努力に気づきますし、チャンスを与えようという気持ちになります。ぜひ頑張ってください。

(編集長)

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リスクの伝え方

2023.11.27
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あなたは内視鏡やカテなどの処置や手術の説明をして、患者さんやご家族から同意書にサインをもらったことはありますか?手術の同意書はないけど、造影CTや輸血の時などはサインをもらったことがあるはずですよね。

 

手術に限らず造影CTでも輸血でもリスクがあるから、説明したうえで同意書にサインをもらう訳ですが、このリスクをどう伝えたらいいのか、あなたは考えたことはあるでしょうか?

 

例えば、高齢で腎機能も悪い患者さんで周術期死亡率が5%と予想される手術の説明をするとしましょう。

 

患者さんは「先生におまかせします」というばかりですが、死亡率5%の手術は死亡率1~2%と言われる冠動脈バイパス手術(CABG)と比べると、かなりリスクの高い手術ということになります。なので、あなたはもっと深刻に捉えて欲しいと思っています。

 

この時、あなたは

① この手術は死亡率は5%の手術です。

② この手術では20人に1人が死亡する可能性のある手術です。

どちらで説明しますか?ちょっと考えてみてください。

リスクを自分のこととして捉えてもらいたい時は、②の説明の方が伝わりやすと言われています。

 

「5%」も「20人に1人」も、どちらも同じことを言っているのですが、「20人に1人」と言われた方が人は、より「もしかしたら自分の身に起こるかもしれない」と考えるそうです。

 

似たようなことがコロナワクチンでもありました。

 

1回目のワクチン接種が始まったころに、「ワクチン接種後に〇〇人死亡した」という報道が良くありました。でも、ワクチンの接種回数がその時点ですでに何万回という状況だったので死亡率は非常に低い頻度だったはずです。さらにワクチンと死亡には前後関係はあるかもしれませんが、ホントにワクチンの影響なのかという因果関係は分からない状況だったのに、患者さんの中には非常に不安に受け止めていた人が多くいました。「〇〇人死亡」という実数でリスクを自分のことと受け止めやすくなったのだと思います。

 

リスクを伝えるとき、同じことを言っているのに相手にどのように受け取られるかについては、私たちはもっと注意を払うべきではないでしょうか。

(編集長)

 

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まずは話を聞いてみる

2023.11.20
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ある日のことですが、外来をやっていると看護師さんから相談がありました。

 

「検診で肝機能異常と尿酸高値を指摘された患者さんが受診したのですが、初診当番の消化器の先生は尿酸の方は診れないって言っているので、先生に診てもらえませんか?」

 

個人情報になるので詳細は言えませんが、この先生は以前に当院で研修していた内科専攻医なのですが、患者さんの診察をする前から、肝機能異常はOKだけど、尿酸はNGという対応って、あなたはどう思いますか?

 

外来患者さんが多くなると、早く患者さんを診療しなくてはいけないので、だんだん焦ってきて、自分が慣れている専門分野以外のことは他に回したくなる気持ちは実によく良く分かります。でもこれが尿酸ではなく、血糖の指摘でも、おそらく診れないと言うのではないでしょうか?(現実として、内科ではどの領域でも糖尿病を診ない訳にはいきません)

 

検診で指摘された程度であれば、まずは話を聞いて、病歴を確認する程度で、いきなり処方を出したり、その日のうちに精査が必要になることは通常ありません。肝機能のフォローついでに、尿酸もフォローして、その間にどう対応すればよいのか調べる時間はあります。たとえ糖尿病だとしても、すぐにインスリンが必要なんてことは、外来診療では極めてまれです。

 

しばらく前に当院で内視鏡のトップとして活躍してくれていた消化器内科の先生が開業されたのですが、その先生とお会いした時に「クリニックで診療している患者さんのうち消化器内科疾患はどのくらいの割合ですか?」と聞いたことがあります。

 

その先生の答えは「約2~3割」とのこと。それ以外の大部分が高血圧とか脂質異常症そして糖尿病と言っていました。つまり、専門領域に関わらず内科のコモンな疾患については、ある程度の対応ができないといけないと言えるでしょう。

 

今は内科専攻医、そして勤務医として急性期病院で働いているあなたでも、将来はどこで仕事をするようになるか分かりません。今から自分のできることを狭めるのはもったいない。どんな状況でも対応できるように、内科のコモンな疾患の評価や管理を自分でやってみるのは大事だと思います。

 

食わず嫌いにならないように、「まずは話を聞いてみる」ことから始めてみてください。

(編集長)

 

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上達するための最も効果的な道具

2023.11.13
カテゴリー: ブログ

手技が上手くなるための最も効果的な道具は何だと思いますか?

ちょっと考えてみてください。

それは「失敗」です。

 

私たちは失敗してしまうと、本能的に間違いを直視せず、無視してしまいます。その次には、失敗を無かったことにして、最終的に「あれは失敗ではなかった」としてしまいます。

 

これは、「失敗を認めたくない」「失敗は悪である」「失敗は無駄である」と、あなた自身を否定するものと捉えているから、このように対応してしまうのだそうです。

 

でも、失敗が起こったプロセスを見つめることでスキルアップの手段になります。失敗の正しい対処法は、失敗の原因と向き合い、分析し、自分を成長させるヒントにすること。

 

このブログで紹介している「SKILL 一流の外科医が実践する修練の法則」には「間違いは成長のために積み木を重ねていくようなもの」とあります。失敗という最も効果的な道具を大事に使って、あなたの手技をレベルアップしてください。

(編集長)

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手術記録は常に手術前に書け

2023.11.06
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手技を習得する時には、ただ指導医から症例を回してもらうのを待っているだけでは上手くなりません。前回の記事で紹介したように、「パフォーマンス直後に練習する」ことが方法の一つですが、他にもいろいろあります。

 

先日こんなことがありました。

 

紹介されてきた内腸骨動脈瘤の症例。CTを見ると総腸骨動脈の分岐角が難しく、かつ瘤の中枢はネックがほとんどなく、総腸骨動脈から外腸骨動脈にかけてステントグラフトを使用した方が良い症例でした。

 

「治療戦略はどうする?」と聞かれた専攻医は、「末梢をコイルで塞栓。近位はステントグラフトを用います」と正しい戦略を答えてくれました。

 

「では、アプローチは?シースサイズは?」と尋ねると「・・・・」

 

やったことがある人は分かると思いますが、腸骨動脈に留置するステントグラフトはサイズによりシースの太さが変わります。大きいサイズを使うなら通常用いられる6Frではなく、7Frや8Frを選択する必要があります。また、腸骨動脈の屈曲や蛇行があると通過できない、血管損傷をきたしてしまうので、同側からアプローチが無難です。一方、内腸骨動脈瘤の末梢の操作は対側からクロスオーバーさせた方がラク。

 

となると、最初に対側から6Frロングシースを挿入して、シースごとクロスオーバーさせたうえで末梢のコイルもしくはプラグでの塞栓をしっかり行い、近位は同側から8Frシースを挿入してステントグラフトを留置するという両側アプローチが必要になります。使用するシースだけでなく、屈曲した腸骨動脈に通過させるためのサポート力の強いガイドワイヤー、枝の分岐角度をみて透視装置のワーキングアングルを決めておく、末梢を塞栓するコイルのサイズ決めなど術前にやることはたくさんあります。手技が始まってから考えるのは遅すぎますし、患者さんに対してきわめて失礼と言えるでしょう。

 

このブログで紹介している「SKILL 一流の外科医が実践する修練の法則」でも、「手術記録は常に手術前に書け」とあります。循環器領域ではTAVIもMitraClipも術前に入念な計画を立てて、上手くいかなかったときのプランBだけでなく、プランCまで準備して行っています。これは循環器の手技に限らず、内視鏡などでも同様ですね。あなたも、術前に手技記録を書きあげてから手技に臨んでください。

(編集長)

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医師の資質

2023.10.30
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私に初期研修医でも、専攻医でも、ついてくれた時に必ずする質問があります。

「’良い医者’に求められる資質、1つだけ挙げるとすれば何か?」

 

これには、皆さん色々な考えがあることと思います。技術、能力、センス、恐れない心、努力、知識などなど色々な回答がありました。

 

あなたはいかがでしょうか? 僕は”責任感”こそが最も大切であると考えています

 

責任感があれば、患者さんの要望や希望に応えられるように努力するだろうし、目の前の患者さんのために勉強したり技術を磨いたり、仮にミスがあっても真摯な対応をすることができる。責任感がすべての根源になっているのではないか、と考えています。

 

当院では毎週木曜日の8時から内科外科カンファレンスが行われています。基本的には内科から外科に手術につながる症例のプレゼンテーションを行い、方針を検討する形です。このカンファでよく外科の先生が言う言葉で、内科医としてシビレル言葉があります。

 

「内科の先生がそこまでやってダメなら、あとはコッチ(外科)でやります」

 

このフレーズを外科から聞いたとき自分たちが一生懸命患者さんに尽くしてきてくれたこと、自分たちが十分に内科的治療をし尽くしたことを理解してもらえたとうれしくなるのと同時に「ここまで来たらあとは俺たちが何とかするぞ」という外科の心意気に感動します。

 

私も内科医として自分の仕事にプライドを持っていますが、やはり内科の限界があります。その時には外科の力を借りるしかありません。(時として、やっぱり外科はかっこいいなと感じることもなくはないです)もちろん、内科が外科の術後の偶発症に対して治療協力をすることもあります。(我々も内視鏡医としてできることはたくさんありますからね!)

 

内科にとっても、外科にとっても自分たちが知力を尽くして戦った後の後ろ盾になってくれる強力な存在があることで、より複雑でリスクの高い患者さんの治療へも立ち向かっていくことができます。私は当院の外科の先生を心から尊敬していますし、頼りにしています。

 

目の前の患者さんがどんなに大変な状況になっても、この患者さんのために自分は何ができるのか、と責任感をもってともに考えて行動してくれる仲間はなんと心強い存在でしょうか。すべての医師にちゃんと責任感があれば、患者さんの押し付け合いなんてならないですからね。

(Nao)

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パフォーマンス直後に練習せよ

2023.10.23
カテゴリー: ブログ

自分の患者さんの心カテをやったのですが、診断カテでは上手くはないけど普通にできたのに、つづけてPCIになってガイディングカテーテルをエンゲージさせようとしたけど、どうしても出来ない。でも、指導医に代わったとたんにエンゲージされてしまった。

 

循環器でカテをやり始めの頃には誰でも経験したことがあるはずです。もちろん編集長も経験しました(しかも何度も)。

 

こんな時に、あなたはどうやっていますか?

次の症例で指導医に代わることなく、上手くできるために、何をしていますか?

 

専攻医になると手技の習得が大きなテーマの一つになりますが、初めから上手な人はいません。上手に見える人は、人の気づかないところで練習を繰り返しているから上手なのです。

 

そのための方法にはいろいろありますが、編集長は手技終了後に記録を付けて、手技を言語化し、繰り返すということをやっていました。カルテに記録する以上の手の動きや持ち方、姿勢などの細かいことまでノートに付けて、次のPCIの前に見直していました。

 

以前に「SKILL 一流の外科医が実践する修練の法則」という本を紹介しました。

本の紹介記事はこちら

 

その中には、この記録をより効果的なものにする方法が紹介されていました。それが「パフォーマンス直後に練習せよ」です。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(本文p70より) 手術の後、あるいは手術以外の診療の後、私は一人で部屋に入り、どうすれば改善できるかを意識してその日の出来事を振り返ることにしています。その際、その症例の改善点だけでなく、次の症例でどのように改善するのかと言うことも含めて、自己批評を行います。

・・・中略・・・・

解決策を考え出すことは、ただ単に問題を認識するよりも良いことです。常に解決策を考え出す努力をしましょう。手術直後に手術を振り返り反省しましょう。友人と症例について話し合いましょう。ノートを見直して、どこが逸脱していたかを見つけましょう。もっとも重要なことは、何が悪かったのか、なぜそうなったのかを特定することです。そして、二度と同じことを繰り返さないと自分に約束するのです。(引用終わり)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

PCI直後に指導医に質問し、自分なりの解決策を考えてみる。その場は忙しいはずなので、一息ついたできるだけ早いタイミングで記録をつけておく。(実際の患者さんではできませんから)頭の中で何度も何度も手技をシュミレーションしてみる。こんな努力があなたの手技をレベルアップさせます。ぜひ取り組んでみてください。

(編集長

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