専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。

【循環器】頸動脈病変・・・狭窄度の評価

2020.08.17
カテゴリー: 循環器

動脈硬化性疾患は、大動脈疾患、

冠動脈疾患、末梢動脈疾患に

分けられることを紹介しました。

 

さらに末梢動脈疾患(PAD)は、

・脳血管疾患(頸動脈・椎骨動脈病変を含む)

・上肢動脈疾患(UEAD)

・腸間膜動脈疾患

・腎動脈疾患(RAD)

・下肢動脈疾患(LEAD)

が含まれます。

 

このように、PADは色々な領域を

含んでいるのですが、各領域のエッセンスを

少しづつ紹介していこうと思います。

 

さて、今回は頸動脈病変についてです。

 

頸動脈狭窄は、エコーで評価しやすい

部位のため、エコーをしていると意外と

見つかります。もちろん血管雑音の聴取も

大事ですが、じっくり聴かないと、呼吸音に

紛れて聞き逃してしまっていることもあります。

 

では、見つけた時にどうしたらよいので

しょうか?

 

基本的に、症状の有無と狭窄度で方針を

決めていきます。

 

ここでいう症状とは、狭窄側の対側の

脳梗塞やTIAの症状のことを指します。

例えば、右頸動脈狭窄が判明していれば

左片麻痺や左半身のTIAということです。

 

狭窄度の決め方は、ESCのガイドラインでは

2つあるので覚えましょう。

 

①ECST法

(Europian Cartid Sugery Trial)

  エコーなどでの二次元の評価

  簡便

②NASCET法

(North American Symptomatic Cartid 

 Endarterectomy Trial)

  アンギオでの狭窄度の評価

  外科的治療の指標となる

 

下記の対応表を見てもわかる通り、

狭窄度はECST>NASCETとなります。

その他にもドップラー法による流速から

狭窄度を求めたり、血管の短軸像で

内腔の断面積から求めるArea法があります。

(Angiologist)

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