臨床研修ブログ
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心不全患者さんを診る時は・その1(基礎疾患)
12月になってだいぶ冷え込むようになって来ました。寒くなると心不全患者さんが増えてきます。そこで今回は心不全に関して役立つポイントです。
心不全患者さんの問診や、指導医へのプレゼンの際に押さえるポイントは2つ、「基礎疾患」と「誘因」です。
その前に、「そもそも心不全とはどういうもの?」と研修医に質問すると、「EFが低下している」とか「胸水がある」とか、ハズレではありませんが、あいまいな答えがほとんどです。
ここで、心不全の定義は大事なので確認しておきましょう。
日本循環器学会の心不全ガイドラインが2021年版としてアップデートされたばかりですが、その中で心不全の定義は以下のようになっています。
「心不全」とは「なんらかの心臓機能障害,すなわち,心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果,呼吸困難・倦怠感や浮腫が出現し,それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群」
症候群ということは、原因がいろいろあるということですので、基礎疾患を明らかにしておく必要があります。
例えば「陳旧性心筋梗塞」による心不全とか、「大動脈弁狭窄症」による心不全(心臓の構造的異常を伴う)、「甲状腺機能亢進症」による心不全(機能的異常による心不全)という感じです。
そして、基礎疾患が分かれば治療方針もある程度決まってきます。
具体的には・・・、
陳旧性心筋梗塞なら、新たな虚血が関与していないか?関与しているとすれば、その虚血を解除するために、冠動脈造影やPCIを考慮します。
弁膜症なら、内科的治療には限界があるので、手術適応がないのかを検討。
甲状腺機能亢進症なら、甲状腺に対する治療の効果が出るまでの間は内科的治療でねばる。
といった具合です。
あなたも患者さんから話を聞く時や、カルテから情報を探す時は、心不全の基礎疾患が何なのかに注意を払ってみてください。
次回は「誘因」について紹介します。
(編集長)
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