臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

徳田先生の教育回診2025

2025.05.31
カテゴリー: 初期研修

昨日のことですが、徳田安春先生にお越しいただき教育回診を開催しました。

 

この企画は茨城県が主催して毎年恒例となっているもので、徳田先生が県内の各臨床研修病院をまわって症例検討会などを行うものです。5月ごろと11月ごろの年2回開催されています。

 

あなたも知っていると思いますが、徳田先生はNHKのドクターGに出演していたり、著書も多数あって有名です。そして当院とは徳田先生が水戸協同病院に赴任した18年前からのお付き合いになります。

 

今回は症例提示を1例とベッドサイドでの身体診察を1例で、かなり濃密な教育回診となりました。症例提示はJ1の樋口先生と田中先生が、ベッドサイドの症例はJ1の小沼先生が担当してくれました。

 

症例提示では徳田先生が病歴や検査データ、経過から鑑別診断を挙げてTAFRO症候群という診断に見事にたどり着いていました。ベッドサイドの症例は、間質性肺炎と心不全の患者さんでしたが、Ⅲ音や肺音の聴診のやり方などを教えてもらいました。

 

研修医からも「実際に診療している感じで考えられたので、どのデータが大事で残すべきなのかが分かって勉強になった」「身体診察をちゃんとやろうと思いました」といった感想がありました。

 

ちなみにTAFRO症候群については、後日このブログでも紹介する予定です。徳田先生、どうも有難うございました!

(編集長)

ベッドサイドでの身体診察

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あなたなら何と説明する?・・・リスクの伝え方

2025.05.29
カテゴリー: 初期研修

あなたは手術の説明をして同意書にサインをもらったことはありますか?

 

まだやったことがない人が多いかもしれませんが、CVやPICCの同意書だったら、自分で説明したことがあるかもしれませんね。CVやPICCとは異なりますが、手術のリスクをどう伝えるのか? あなたは考えたことはあるでしょうか?

 

例えば、高齢で腎機能も悪い患者さんで周術期死亡率が5%と予想される手術の説明をするとしましょう。一通り説明したのですが、患者さんは「先生にお任せします」としか言ってくれません。

 

通常の冠動脈バイパス手術(CABG)の周術期死亡率が1~2%ですから、これと比べると死亡率5%の手術はかなりリスクの高い手術ということになります。なので、あなたはもっと深刻に捉えて欲しいと思っています。

 

ちなみに、編集長は研修医らに「通常の冠動脈バイパス手術(CABG)の死亡率が1~2%」という数字を覚えるようにお勧めしています。高齢の患者さんほど上皇さまがCABGを受けたことは知っていますから、患者さんにも響きやすい数字だからです。

 

こんな時、あなたは

① この手術は死亡率は5%の手術です。

② この手術では20人に1人が死亡する可能性のある手術です。

どちらで説明しますか?ちょっと考えてみてください。

リスクを自分のこととして捉えてもらいたい時は、②の説明の方が伝わりやすと言われています。

 

「5%」も「20人に1人」も、どちらも同じことを言っているのですが、「20人に1人」と言われた方が人は、より「もしかしたら自分の身に起こるかもしれない」と考えるそうです。

 

他の具体的な例を考えてみると、似たようなことがコロナワクチンでもありました。

 

1回目のワクチン接種が始まったころに、「ワクチン接種後に〇〇人死亡した」という報道が良くありました。でも、ワクチンの接種回数がその時点ですでに何万回という状況だったので死亡率は非常に低い頻度だったはずです。さらにワクチンと死亡には前後関係はあるかもしれませんが、ホントにワクチンの影響なのかという因果関係は分からない状況だったのに、患者さんの中には非常に不安に受け止めていた人が多くいました。「〇〇人死亡」という実数でリスクを自分のことと受け止めやすくなったのだと思います。

 

リスクを伝えるとき、同じことを言っているのに相手にどのように受け取られるかについては、私たちはもっと注意を払う必要がありそうです。

(編集長)

回診中の一コマ

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インタビューページをご覧になりましたか?

2025.05.27
カテゴリー: 初期研修

水戸済生会の採用サイトのなかで最も閲覧数が多いのが、「研修医の声・インタビュー」のページです。

水戸済生会の初期研修医ページはこちら

 

 

当院のほとんどの研修医の記事が掲載されていて、毎月のように更新されています。もちろん編集長からの指示も、検閲もなしですので、だいぶリアルな内容になっています(笑)。

 

あなたにとって参考になる記事なのは間違いありませんが、さらにそれぞれの研修医の記事が掲載される時期、つまり研修期間によって研修医の感じ方や悩みなどの内容が異なっているので、そのあたりを考慮しながら読んでみると、より面白いかもしれません。

 

そして昨年から専攻医のページにも「当院で初期研修を終えた先生たち OB・OGインタビュー」というページを加えました。

水戸済生会の専攻医ページはこちら

 

 

水戸済生会で初期研修を行った先生たちも150名近くになり、県内はもとより各地で活躍しています。同時に、他施設でトレーニングを積んでから再び水戸済生会で仕事をする先生も増えてきました。

 

水戸済生会を離れたことで逆に水戸済生会の良い点も悪い点も分かるので、OB・OGの先生たちにそのあたりをインタビューしています。すでに4名のOB・OGが快く引き受けてくれて記事を掲載していますので、ぜひご覧ください。

(編集長)

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抗菌薬の投与期間・・・一般的な目安

2025.05.24

例えば、あなたが蜂窩織炎の患者さんを担当していたとします。血液培養で黄色ブドウ球菌(MSSA)が検出されました。第1世代セフェムのセファゾリン(CEZ)の投与で順調に改善して、血液培養の陰性化も確認できています。

 

患者さんも元気になってきて「いつ退院できますか?」とか「点滴はいつまでやるの?」と聞いてきました。

 

こんな時、あなたは何と答えますか? CRPが陰性化するまででしょうか??

ちょっと考えてみてください

結論としては、投与期間の判断は「各疾患の一般的な目安+個々の患者の状態」で決めることになります。

 

血液培養でMSSAが検出されていれば、抗菌薬の10~14日間投与を考えます。でも、人工血管などのデバイスがある患者さんだったら、かなり悩んでしまいます。血液培養の陰性化も確認しなくてはなりません。ということで、「決まり」ではなく、「目安」をもとに、培養結果や感染局所の指標を見ながら判断することになります。

 

「抗菌剤投与の目安」には以下のようなものがあります。近年は投与期間を短くして大丈夫というような研究結果も出てきていますので、おおよその日数を頭に入れておき、その都度ガイドラインなどで確認するのが良いでしょう。

 

【髄膜炎】

髄膜炎菌、インフルエンザ菌 ・・・・7日間

肺炎球菌 ・・・・・・・・・・・・・14日間

リステリア菌 ・・・・・・・・・・・21日間

 

【肺炎】

肺炎球菌 ・・・・・・・・・・・・・解熱後3~5日(最短5日)

レジオネラ・非定型 ・・・・・・・・5~7日

腸内細菌科、緑膿菌 ・・・・・・・・14日以上も考慮

 

【心内膜炎】

緑色連鎖球菌 ・・・・・・・・・・・14日(GM使用下)

腸球菌 ・・・・・・・・・・・・・・28日~42日

黄色ブドウ球菌 ・・・・・・・・・・28日~42日

 

【腎盂腎炎】

一般的に・・・・・・・・・・・・・・14日

CPFX、LVFX使用 ・・・それぞれ7日、5日

 

【菌血症】

感染源除去可能 ・・・・・・・・・・10~14日

(編集長)

 

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全身のパラメータと局所のパラメータ・・・経過観察の2つの軸

2025.05.22

70歳台の患者さんが尿路感染症の診断で入院しました。抗菌薬を開始していますが、3日たっても高熱が続いています。入院時の血液培養と尿培養からは、素直な大腸菌が検出され、抗菌薬は効いているはず・・・。

 

でも、熱が下がらないので、抗菌薬を代えた方がいいかも?なんて不安になることがありませんか? あなたはそんな時はどうしますか?

 

こんな時はまず、抗菌剤を変更する前に感染症治療が上手くいっているかの判断をする必要があります。でも、あなたは何を根拠に治療が上手くいっているかを判断していますか?

 

たいていの人は、発熱が続いているとか、WBCやCRPが下がらない、と答えてくれます。ホントにそうなのでしょうか??

 

WBCやCRP、PCTといった採血の項目は、確かに分かりやすく有用な指標ですが、その特徴と限界を理解しておく必要があります。

 

松永先生は「2つのパラメータ」をよく理解する必要性を強調しています。それは、「身体全体の総体を表すパラメータ(全身のパラメータ」「感染局所の病態を表すパラメータ(局所のパラメータ)」です。

 

「全身のパラメータ」になりうるものには、体温、WBCやCRP、プロカルシトニンなどの炎症マーカー、そして敗血症性ショックの治療に用いられるノルアドレナリンの用量、インスリンの用量、乳酸値などがあります。

 

「局所のパラメータ」になるものには、感染局所の症状、徴候、グラム染色などの検査所見があります。

 

例えば、冒頭のような尿路感染症の患者さんなら、CVA叩打痛の程度や尿検査での白血球数や細菌数などが感染局所の指標になります。発熱という全身のパラメータが改善していなくとも、局所のパラメータが改善していれば、治療は上手く行っていると考えることができます。この患者さんで尿検査の所見が改善している(白血球が低下して、細菌が消失)ならば、抗菌薬を変更する必要はありません。実際のところ翌日の午後には解熱して、ご飯も全量食べていました。

 

「検査値を治しているんじゃない!患者を治しているんだ!」というのが、松永先生のメッセージです。

 

局所のパラメータの具体例を挙げると・・・、

【肺炎】

症状(咳、痰、呼吸困難感)、

徴候(呼吸数、呼吸器の設定、痰の量・質)

検査(血液ガス、喀痰のグラム染色)  

 

【尿路感染】

症状(排尿困難、頻尿など)

徴候(腹部の圧痛、背部の叩打痛)

検査(尿中白血球数、尿グラム染色)

 

【蜂窩織炎】

症状(疼痛)、

徴候(発赤、腫脹、熱感、浸出液の量・質)

検査(浸出液のグラム染色)

 

【心内膜炎】

血液培養が検出されるまでの日数

血液培養の陰性化

 

感染症治療では発熱やCRPだけでなく、感染局所のパラメータに注目して、それを追いかけることが重要です。そして、これらのパラメータは診断する時点、治療を開始する時点で、経過を見る指標を決めていくことが大事です。発熱とCRPが改善しないと、つい抗菌薬を変更したくなりますが、まず局所のパラメータがどうなっているのかを評価してからです。惑わされないで頑張ってみてください。

(編集長)

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【お知らせ】令和8年度初期研修医の採用について

2025.05.20
カテゴリー: 初期研修

来春採用予定の初期研修医募集要項を当院のサイトにアップしました。

募集要項のページはこちら

昨年同様に面接とエッセイで選考を行いますが、面接は直接面接とWeb面接を併用して行います。直接面接は2回開催しますが、それぞれ8名までとし、直接面接が定員に達した場合はWeb面接になりますのでご了承ください。また、Web面接では日程調整が必要となりますので、できるだけ早めにお申し込みください。もちろん、いずれの方法を選択しても選考基準に違いはありません。

また水戸済生会ではWebのみで申し込みが完結するので、印刷や郵送が不要です。ただし、申し込みの際にエッセイを提出いただきますので、準備をお願いします。

「小論文ではなくて、エッセイ?」との質問をよく受けるのですが、意図としては小論文のような形式にあまりとらわれずに、ご自分の経験や考えなどを「エッセイ」としてまとめていただきたいと考えています。

 

昨年と異なるのは、締め切りを若干前倒しした点のみです。今のところ応募フォームは6月17日(火)から運用開始を予定していますが、改めてこのブログや病院サイトでお知らせいたします。あなたの応募をお待ちしています!

募集要項のページはこちら

(編集長)

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咳嗽失神

2025.05.17
カテゴリー: カンファレンス循環器

70歳台後半の女性が入院していました。ある日、病棟の看護師からあなたのところに連絡がありました。

 

「患者さんが気を失ったのですぐに来てください!」

 

あなたが病棟に行くと、患者さんの意識は戻っていて、受け答えも問題ありません。バイタルも問題なし。ベッド上にいたのですが、気を失う前には、立て続けに咳込んでいたそうです。そして、気を失ったときの心電図モニターには約10秒の洞停止が記録されていました。

 

あなたは不整脈(洞不全症候群)が原因の失神発作と考えて、一時ペーシング目的に循環器内科にコンサルトをしようとしました。でも、その後はまったく徐脈が出現していません。

 

さて、ホントに一時ペーシングが必要でしょうか?

高齢患者で10秒の洞停止がとらえられているので、洞不全症候群による失神は当然鑑別にあがりますが、その後は全く徐脈は見られないとなると、この状況で考えることは「咳嗽失神」です。

 

「咳嗽失神」とは、日常動作の特定の状況で誘発される「状況失神」の一つです。中年の男性に多く、喫煙者やCOPD患者に多く発症するとされます。失神に至る機序としては、①胸腔内圧が上昇によるものと、②迷走神経反射によるものの二つがあるとされます。

 

①については、胸腔内圧が上昇することで静脈還流量が低下し、心拍出量の低下によって脳血流が低下することや、胸腔内圧上昇により脳脊髄圧が上昇して脳動脈を圧迫することによって脳血流を低下させることで失神を生じるとされています。

 

冒頭の症例は、約10秒の洞停止を来していることから、おそらく迷走神経反射に伴うものと考えていますが、その後は徐脈も症状も全く出現しませんでした。

 

治療としては、誘因となる咳嗽を減らす必要があり、禁煙や鎮咳薬、肺の基礎疾患の治療となります。

(編集長)

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仕事のコツは・・・完璧を目指さない!

2025.05.15
カテゴリー: 初期研修

研修医になって、もう2か月目も半ばとなりました。

 

あなたも、ようやく電カルの操作になれて、病棟の看護師さんのことも少しわかってきた時期かと思います。でも、当直のことはまだまだ分からないし、カルテの記載も不十分。そう、どれもこれも中途半端になっていると気になっていませんか?

 

実際のところ、ドクターの仕事は非常に幅広いし、いつ呼ばれるか分からない、という特性があります。指導医から「これやっといて」と頼まれたことを済ませようと思っていたら、看護師さんから声がかかってしまい、結局仕事が全部中途半端になっている。患者さんの疾患について調べようと思っても、いつも後回しになって結局調べていない。

 

大丈夫、心配いりません。これはあなただけではありません。

 

でも、段取りよく仕事を進める工夫をしないと、いつまでたっても同じことの繰り返しです。そこで、仕事の進め方について3つのヒントを紹介しようと思います。

 

①ルーチンワークはさっさと終わらせる

病棟業務で入院患者さんの指示を出す、検査の点滴を出す、入退院の時の必要書類を準備するなど、ルーチンワークをさっさと片付けましょう。指導医に確認してからだと、結局は後回しにしてやらないままです。指導医に確認しなくても、部分的に出来るところを、ちょっとした空き時間に先回りしてやってしまいましょう。

 

②完璧を目指さない

今まで医学部で勉強してきたあなたは、サマリーや抄読会の文献、さらに発表のスライドなど、つい無意識に完璧なものを目指してしまっています。そのために、つい「後でやろう」と思ってしまいます。でも、後でやろうと思っても完璧に実行することは不可能です。「やってなかった・・・」と、自分を追い込むだけ。

 

そこで、完璧ではなくとも、ある程度できていればOKと考えると、すごく気が楽になります。最初から完璧を目指すと辛いのですが、途中まででもやっておけば、後で修正することは、それほど辛く感じません。この考え方はとても効果があります。

 

③締め切りを決める

人間は締め切りがあると、時間を上手に使えるようになります。例えば、試験があると勉強するのも、試験という締め切りがあるからです。なので、自分で締め切りを設定して、それを守るようにしてみましょう。

 

例えば、入院患者が多くても、調べものがあっても、「今日はどんなに遅くとも20時には帰宅する!」と決めて、1日の仕事に取り組んでみてください。

 

この3つのコツは、明日からすぐに出来るものです。効果抜群ですので実際にやってみてください。

(編集長)

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舩越先生のZoomレクチャー2025・・・ER診療における大原則

2025.05.13
カテゴリー: 救命救急センター

5月7日に東京ベイ浦安市川医療センターの救命救急センター長の舩越拓先生にZoomでレクチャーを行っていただきました。

 

舩越先生のことは、このブログで何度も紹介していますが、救急領域では名が知られた存在の先生で、多くの監訳や著書があり、レジデントノートなどの雑誌の企画も行っています。

 

編集長とはIVRつながりから兄弟子、弟弟子という関係で、コロナ前からレクチャーをお願いしていました。昨年に引き続き、今年度も4~5回はレクチャーをしていただく約束を取り付けて、今回のレクチャーとなりました。

 

毎年のことですが、年度初めは「ER診療における大原則」というテーマでお話いただきました。昨年もこのブログで内容をシェアしましたが、聞くたびに味が出る話(?)なので、今回もシェアしたいと思います。

 

ER診療の特徴を整理すると以下の4つになります。

 

①⼀般病棟と違うところ → Problem searching

 ERは患者の何が問題なのかを明らかにする場

 

②専⾨医と違うところ → Rule out worst scenario

 ERでは診断に固執せず、最悪のシナリオを除外する

 

③⼀般外来と違うところ → Vital sign

 バイタルサインは裏切らない、バイタルに異常がある患者は安易に帰宅させない

 

④⽇中とちがうところ → Egalitarian(平等主義者)

 救急患者のすべてが緊急性を要しない。通常の医療システムから抜けた患者が緊急の顔で来ているだけ。相⼿の事情をまずは理解してなにかできないか考える

 

編集長的には④に関しては、ぜひあなたにも考えてもらいたいポイントでした。夜の微妙な時間に受診する患者さんに対して、モヤモヤしてしまうのは当然のことです。

 

でも、その患者さんは日中の仕事を休めなかった、もし休んだら解雇されていたかもしれない。日中はご家族の世話があって、自分の体調が悪くとも受診できなかったかもしれない。そんなことをあなたも少しでも想像する必要があります。

 

そして、あなたにはそんな医療システムから抜けた患者さんに対して、医療システム(もしくは病院)の代表として振る舞ってほしいと思います。

 

次回の舩越先生のレクチャーは8月に開催することで調整していますので、またご紹介します♪

 

(編集長)

 

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【御礼】満9歳になりました!

2025.05.10
カテゴリー: 初期研修

いつも当ブログをご覧いただき有難うございます。このブログの誕生日は2016年5月9日で、昨日が誕生日でした。つまり、昨日で満9歳になりました。

 

9歳と言っても、身長が伸びたわけでもないのであまり実感はなく、最近では記事数も数えなくなってしまいました(笑)。でも、長いこと続けてこれたのも、あなたがこうして読んでくれているからです。改めて御礼申し上げます。そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

このブログは水戸済生会の研修を知ってもらうために始めたものですが、疾患のことや病棟で遭遇した問題、迷ったことなどを、編集長だけでなく研修医やいろいろな先生が記事にしてきました。なので、最近では病棟で困った時にこのブログを検索すると何かの答えやヒントが出てくると言って使ってくれている人がいました。編集長としては大変うれしいことです♪

 

そしてこのブログでは、学会発表するほどではないけど印象に残った症例や、今後も使える知識などを、自分の後輩や一緒に仕事する看護師さんたちに説明するような感じで研修医に書いてもらっています。研修医がブログという形でアウトプットすることは、結局のところ自分のインプットになるので、そこを狙っています。

 

でも、それ以外に思いもよらぬ効果もありました。それは少し前のことですが、研修医が書いた疾患の解説記事を読んだ一般の方から、わざわざ連絡をいただいことがありました。その疾患をお持ちの遠方にお住まいの方でしたが、記事に温かみが感じられたので当院を受診したいという趣旨の連絡でした。

 

確かにその記事は疾患について分かりやすく書いてありましたが、特別なことは書いていません。でも、その研修医が担当した患者さんのことを思い浮かべながら記事を書いていたので温かみが感じられたのかもしれません。こんな形でご連絡をいただき、編集長的にはとても感激したエピソードでした。

 

そんなわけで、これからも当院の研修をもっと知ってもらい、なおかつ、あなたに役立つ内容をお伝えできるように、このブログを続けていますので引き続きご愛読をお願いいたします。

(編集長)

 

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