臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

紫斑と感染症・・・松永先生の感染症レクチャー

2025.11.29

本年度4回目となる松永先生の感染症レクチャーが先日開催されました。今回のテーマは「感染症Emergency」でしたが、その中から「紫斑と感染症」をシェアします。

 

感染症の際の紫斑の出現は、局所感染としても全身状態の表出としても重要で、Red Flag Signとして、警戒レベルを上げる必要があります。

 

まず、紫斑を生ずる感染症には

 局所感染として

 ・紅丘疹:皮膚軟部組織感染

  ‐壊死性筋膜炎

  ‐ガス壊疽

 全身状態の表出として

 ・紅丘疹:TSS

 ・点状出血

  ‐感染性心内膜炎 

  ‐電撃性紫斑病(肺炎球菌、髄膜炎菌、ロッキー山脈紅斑熱など)

  ‐DIC

 

次に、急速に紅丘疹/紫斑を生ずる微生物

・壊死性筋膜炎

 ‐連鎖球菌

  ・典型的にはグループA連鎖球菌(GAS)

  ・GCS、GGS、GBSも起こしうる

 ‐好気性/嫌気性菌混合感染

・ガス壊疽

 ‐Clostridial infections

 

さらに、急速に点状出血/紫斑を生ずる微生物

・細菌 

 ‐GPC:肺炎球菌、黄色ブドウ球菌

 ‐GNC:髄膜炎菌、淋菌

 ‐GNR:敗血症からのDICとして

 ‐非定型:リケッチア

 ‐嫌気性菌

・ウイルス   

  デング熱

・寄生虫 

  マラリア

 

これらを頭の中に入れておきながら、病歴と身体診察をしていきます。

 

病歴では

・病状進行の速さ

・皮膚所見と不釣り合いなほどの激しい疼痛

・基礎疾患(糖尿病、肝疾患、白癬)

・暴露歴

・外傷の有無、受傷機転

 

重症化の指標となる皮膚所見には

・点状出血

・紫斑

・水疱

・血疱

・壊死

・握雪感

・皮膚感覚障害

 

これらに注意しながら所見を取ります。

 

繰り返しになりますが、紫斑の広がりはRed Flag Signです!

感染による局所の所見なのか?全身の反応なのか?を意識しながら、病歴や身体所見を取るようにしてください。

 (編集長)

レクチャーの後も症例相談

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令和8年度採用予定者の内定式を開催しました♪

2025.11.27
カテゴリー: 初期研修

先日のことですが、来春から当院で研修を開始する内定者10名を迎えてZoomでの内定式を開催しました。

 

内定式には内定者10名とJ1,J2の先輩たち、さらに院長と編集長、Nao先生も参加しました。内定者たちにとっては同期となる仲間同士の初顔合わせでした。内定式では、院長からの歓迎のあいさつと内定者全員の自己紹介と続き、編集長のあいさつで中締めとなりました。

 

中締めで院長と編集長のおじさん二人は退場しましたが、Nao先生とJ1,J2らで内定者の質問に回答するなど、リラックスした雰囲気で終わりました。

 

今回の10名の内定者は、例年に比べて茨城出身者が多くなったようですが、なりより今の男女5名ずつとなり、女性が多くて肩身の狭い(?)J1の男性二人はとっても喜んでいました(笑)。お互いに刺激しあって、成長する学年になって欲しいと思います。

 

当院の内定者に限らず、6年生のあなたは国試に合格しないことには話が始まりません。卒試が残っている人もいると思いますが、国試まで残された時間は短くなっていますので、体調に気を付けながら最後まで頑張ってください!

 (編集長)

 

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見た目は大事

2025.11.25
カテゴリー: 初期研修

あなたも一度くらいは患者として病院やクリニックで診察を受けたことがありますよね?

 

診察室に入る時に、どんなお医者さんか? 何を聞かれるのか?程度の差はあれ、緊張しませんでしたか?

 

そんな時に、お医者さんの方から自己紹介してくれて、いろいろ話しやすく相槌を打ってくれて、不安なことを話せて、話もまとめてくれると、すごく安心します。あなたにも、そんなお医者さんになってもらいたいです。

 

でも、同時に患者さんや家族は「このお医者さんを信頼していいのか?」と疑いの目でも見ています。無意識のうちに医者を値踏みしているのです。あなたも診察を受けた時に、そう思っていませんでしたか?

 

これは誰でも無意識にしていることなので、患者さんを責めても意味がありません。ですが、ある程度の対策はあります。それは・・・、身だしなみを整える、つまり見た目を良くすることです。

 

たぶん患者さんは誰でも、自分がかかったお医者さんがカッコいいとか、腕がいいとか、偉いとか、テレビに出たことがあるとか、そんなことを期待しています。家族や知人に、どんないい先生だったかを自慢したい気持ちがあります。そんな時に寝ぐせで髪が立っているとか、白衣の襟がきちんとなっていないとか、無精ひげだったり、白衣や靴に血液がついて汚れていたら、やはり印象が悪くなりますよね。・・・・あなたは大丈夫ですか?

 

ブランド物の白衣でもきちんと着ないとカッコ良くないですし、スクラブも市民権を得ましたが、高齢の患者さんにとっては「お医者さん=白衣」というイメージがまだまだあるので、イマイチかもしれません。(このため編集長は白衣を着るようにしています)

 

カッコよくする、身だしなみを整えることで、よい印象を持ってもらうことが出来ます。患者さんを診察する時の見た目がだらしないのはNGです。あなたの行動をみんなが見ていますから、だらしない格好で患者さんや家族の前には行かないようにしましょう。

(編集長)

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職業歴の聞き出し方

2025.11.22
カテゴリー: 初期研修

あなたは問診の際に、患者さんの職業(もしくは職業歴)を聞いていますか?

 

職業歴の重要性は、このブログで何度も紹介していますが、診断と治療、そしてコミュニケーションに役立つので、必ず把握すべき項目だと思います。

職業歴の効用の記事を読む

 

ただ、職業歴を聞き出すのは、なんだか職務質問をしているみたいで、患者さんやご家族を不愉快にさせてしまうのではないかと、ちょっと気が引けてしまいませんか?

 

編集長も、以前は職業歴を聞き出すのが苦手でしたが、今は外来でもERでも、ほぼ全例で患者さんだけでなく、ご家族の職業も聞き出すようにしています。今回は、聞き出すときに使えるフレーズを伝授します。

 

・「皆さんに伺っているのですが」

職業歴に限らず、聞き出しにくいことを聞く時には、「皆さんに伺っているのですが・・・」と始めて見ると、スムーズに入りやすくなります。患者さんやご家族も答えやすくなるフレーズです。編集長は梅毒などのSTIを疑ったとき、性交歴などを聞き出すときにも使っています。

 

・「夜勤とか、シフト勤務はありますか?」

会社名を知りたいのではなく、あくまで健康面の情報として職業を把握したいという意図が伝わると、患者さんもご家族も答えやすくなります。そんなニュアンスを含ませながら、このフレーズを使うと患者さんスムーズに答えてくれることがほとんどです。これに患者さんが答えてくれたら、さらに具体的な仕事内容を質問してみると良いでしょう。

 

繰り返しになりますが、体調を崩した原因を探る、服薬のタイミングなど治療のアドヒアランスを上げる、という目的が伝わることが大事です。

 

・「ご家族にご連絡するとしたら、どの時間帯が良いでしょうか」

患者さんが入院した時には、ご家族に連絡する場面が出てきます。そんな時に、このフレーズを使うと、ご家族の職業を把握しやすくなります。

 

例えば、週末の土日は仕事でちょっと無理ということが分かれば、「ご家族は、もしかして自営業なのですか?」と続けて、家庭の状況を把握するきっかけにしやすくなります。

 

そして、ご家族の職業を把握しておくと、病状を説明する時に役立つことが多くあります。例えば、金融関係や経理などをやっているご家族なら、具体的な数値を入れて説明すると理解してくれることがあります。そうでない場合は、数値をあまり入れずに、分かりやすい例えを用いた方が伝わります。

 

患者さんやご家族の職業歴を把握することは、患者さんを理解する重要なヒントをくれるだけでなく、円滑なコミュニケーションにも役立ちます。ぜひ、紹介したフレーズを使ってみて下さい。

(編集長)

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リードレスペースメーカ

2025.11.20
カテゴリー: カンファレンス循環器

あなたはペースメーカを植え込まれている患者を担当したことがあるでしょうか?下のような胸部レントゲンを見たことがあると思います。

 

 

では、もう一つ。下のレントゲンもペースメーカが入っている患者さんのものですが、ペースメーカがどこにあるか分かるでしょうか?

 

答えは矢印のところです。

 

 

これがリードレスペースメーカですが、ペースメーカが植え込まれている情報が無かったり、撮影条件によっては、編集長も見落としそうになることもあります。従来のものと比べた写真が下のものです。

 

 

このリードレスペースメーカは、登場した当初はVVIのみでしたので、徐脈性心房細動や高齢者に用いられることが多かったのですが、現在はVDDのものやスクリューで固定するタイプのものが登場して、以前とは適応も変わってきています。あなたもどこかで目にすることがあると思いますので、今回は基本的なところを紹介します。

 

まず、リードレスペースメーカの適応(推奨クラスⅠ)として

 ①感染リスクが高い

 ②末期腎不全

 ③デバイス感染の既往

 ④先天性心疾患などで経静脈リードの植込みが難しい解剖学的原因がある

 ⑤ステロイドや免疫抑制薬などの薬物治療中

 ⑥放射線治療中
 ⑦長期的血管内カテーテル留置中あるいはその既往

となっています。

 

同時にリードレスの重大な有害事象である、植え込み時の心筋穿孔・心囊液貯留のリスクについても言及しており、下記の評価を行うことを求めています。

 ・年齢≧ 85 歳

 ・BMI< 20 kg/m2,

 ・女性

 ・心不全

 ・陳旧性心筋梗塞

 ・肺高血圧症

 ・慢性閉塞性肺疾患

 ・透析

 

現状では、施設によってリードレスの件数が大きく異なっていますが、もともと高齢者にペースメーカを植え込むことが多かったわけですから、今後もリードレスを使用する場面が増えると思います。実際のところ水戸済生会の循環器内科では、新規植え込みの半数以上がリードレスとなっています。

 

リードレスだと、存在を忘れがちになりそうですが、患者さんに植え込まれているデバイスとしては重要なものなので、見落とさないようにしてください。

 

(参考文献:2024JCS/JHRSガイドライン フォーカスアップデート版 不整脈治療)

(編集長)

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病院見学のススメ

2025.11.18
カテゴリー: 初期研修

11月も下旬になって朝晩はだいぶ肌寒くなってきました。水戸ではインフルエンザも警報レベルで蔓延していますので、読者の皆様も体調管理にはどうぞご注意ください。

 

そして、11月はマッチングも終わったばかりですが、すぐに来年度のローテーション作成などに取り掛かる時期でもあります。なるべく希望をかなえられるように、いろいろ話を聞いている段階です。

 

そして4年生もしくは5年生のあなたは冬休み中の病院見学の計画をそろそろ考え始めるころでしょうか?11月に入って、すでに病院見学に来ていただいている医学生もいますが、年が明けるとあっという間に春休みで、それが過ぎると気づいたらマッチング面接の時期になってしまいます。まだ時間があると思わないで、少しずつでも情報収集を始めるのが良いと思います。

 

このブログでは何度も何度も紹介しているネタではありますが、今回は病院見学のポイントを紹介します。

 

・可能な限り、病院見学に行きましょう。

レジナビなどのサイトやWeb病院説明会、リアルイベントで情報収集をするのが当たり前になりましたが、それだけでは不十分だと思います。実際に行ってみると、それぞれの病院によって想像以上に雰囲気が違うことに気づくはずです。行けない時には、Web病院説明会で質問コーナーや個別面談のようなコーナーを設けているものが増えているので、積極的に利用して雰囲気をつかむのが良いと思います。

 

・病院見学に行った際のポイントは・・・、

指導医クラスの話は、半分程度に聞いておけばOKです。なぜかと言えば、基本的にイイことしか言わないからです(編集長にも自覚があります・・・)。

 

・必ず研修医たちに直接話を聞きましょう。

研修医の先生たちにあなたの知りたいことを質問してみましょう。研修医も1年前には同じように悩んでいた訳ですから、たとえあなたがつまらない質問かもと思っても、そのような質問こそ聞いておくべきです。一番参考になる答えが返ってくるはずです。

 

そして研修医たちの元気の良さや看護師さんや技師さんたちの雰囲気にも注目してみて下さい。研修医を育ててくれるのは指導医だけではありませんからね。

 

さらに、気になっている病院や候補として考えている病院には2回、3回と見学に行ってみることをおススメしています。何故かと言えば、どうしても初めてのところは緊張するし、余裕がないので周りを見ているようで見えていません。2回目になると余裕ができて、おなじ病院見学でも見える風景が違うはずです。

 

加えて1回目にあった研修医が、2回目にはものすごく頼りになる研修医に見えるはず。この時期なら、1年目でもかなり仕事ができるようになっていますので、そんな研修医の姿を見ると、あなたの研修のイメージも描きやすくなるはずです。

 

当院に病院見学に来ていただいた方からは

・研修医の先生と関わる機会が多く、研修の特徴について、聞きたいことを全部聞くことができました。

・小児科では、済生会での研修だけでなくこども病院にも行くことができて、初期研修後のイメージも持つことができました。

・昼食の時に研修医の先生とお話する時間が確保されているのが良かったです。

・廊下ですれ違う時に、スタッフの方とあいさつされていて、雰囲気の良さを感じました。

・救急科の見学では、日中に救急車が来なかったのですが、その分研修医の先生方からいろいろな話を聞けたので満足です。

 

といったコメントをいただいています。

そろそろ冬休みの病院見学の申し込みをいただいています。あなたもお早めに下のリンクからお申し込みください!

病院見学の申し込みはこちら

(編集長)

 

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2つの治療計画を考える

2025.11.15
カテゴリー: 初期研修

あなたが担当している肺炎で入院していた高齢の患者さん。抗菌薬の投与も終了したのですが、入院中にADLが低下してしまい、施設退院の方針になりました。退院調整をしたのですが、退院はだいぶ先になるとのこと。そんな感じで、いつの間にか担当患者さんが増えているなんてことはないでしょうか?

 

そこで今回は、段取りよくスムーズに退院に結び付けるためのコツを紹介します。そのコツとは、2つの治療計画を考えておく」ことです。

 

どういうことかというと、1つ目はその日1日の計画」。例えば術後の患者さんなら、今日はドレーンを抜くとか、糖尿病の人なら今日中に眼科コンサルトをするとか。ICUの患者さんなら、何とかバイタルを安定化させようとか、抜管しようとか、カテコラミンをこの辺まで減量しようとか。

 

そして、多くの人に欠けているのが2つ目の「退院までの計画」です。例えば感染性心内膜炎と診断されたら、4週間は抗菌薬の投与が必要ですから、それまでに何を済ませるとかは、時間的な余裕があります。

 

ところが高齢者の肺炎なら、抗菌剤の投与は2週間程度としても、すぐに退院できるように、リハビリの介入をして、ADLを落とさないようにする。退院担当の看護師さんやソーシャルワーカーさんと相談して、自宅退院なのか?施設なのかを手配しておかないといけません。さらに家族にも退院に向けて、準備してもらわないといけません。意外とやることがあります。

 

このように疾患と直接関係ないことも先読みして、計画を立ててスムーズな退院に持ち込むのは、必須のスキルになります。

 

研修医の間は、指導医の先生に言われたことを片付けようと毎日必死になると思いますが、指導医と議論しながら退院までの全体の治療計画を意識して仕事をしていくと、格段に段取りが良くなります。ぜひ意識して診療にあたってみてください。

(編集長)

ERでREBOA挿入中

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鑑別疾患のあげ方(解剖学的アプローチ)

2025.11.13
カテゴリー: カンファレンス 内科

前回に続いて、鑑別疾患のあげ方です。編集長が勧める鑑別疾患のあげ方は2つあって、前回は1つ目のVINDICATE!!!Pを紹介しました。今回は2つ目の、解剖学的アプローチを紹介します。

 

この方法は具体例を出した方が分かりやすいので、やってみましょう。

例として、「胸痛」の鑑別をできるだけたくさんあげてみてください

いくつ鑑別をあげられましたか?

 

狭心症、心筋梗塞、大動脈解離、肺塞栓、気胸・・・・、多くの研修医は、ERで見落とすとヤバい疾患はすぐに言えても、あまり

ヤバくない(生命にすぐにかかわらない)疾患は、なかなか挙げられません。ヤバい疾患ではなくとも、患者の不安は一向に解消されないので、下手をするとトラブルのもとになることもあります。


こんな時に、解剖学的に近い臓器や組織を考えていくと鑑別疾患を挙げやすくなります。

 

具体的に、胸に近い臓器は・・・・

皮膚:

 帯状疱疹

乳房:

 乳癌、乳腺炎

骨:

 肋骨骨折、圧迫骨折、骨転移

筋肉:

 筋肉炎

肺(さらに胸膜、肺胞、間質、気管支、気管と分けて考えましょう):

 気胸、胸膜炎、肺癌、肺炎、気管支炎、肺塞栓

心臓(冠動脈、心外膜、心筋、弁):

 狭心症、心筋梗塞、急性心外膜炎、心筋炎、肥大型心筋症、大動脈弁狭窄症、

大血管(大動脈とその分枝、大静脈):

 大動脈解離(特に上行解離)、大動脈瘤破裂

縦隔:

 縦隔炎、縦隔気腫、縦隔腫瘍

食道:

 逆流性食道炎、食道破裂、食道腫瘍

胃:

 胃炎、胃潰瘍、胃癌

肝臓:

 肝膿瘍、肝腫瘍

胆嚢・胆道:

 胆石、胆嚢炎、胆管炎

甲状腺:

 甲状腺炎

神経:

 肋間神経痛、帯状疱疹後神経痛

横隔膜:

 横隔膜下膿瘍

 

まだまだあると思いますが、このように解剖学的に近いものを順に頭に浮かべて、それに関する疾患をあげていくと意外とたくさん出てきます。臨床の現場では、前回紹介したVINDICATE!!!+Pと、この解剖学的に攻める方法を無意識に組み合わせて鑑別疾患を考えていると思います。

 

あなたがたとえどの診療科に進むとしても、この2つの「鑑別疾患のあげ方」は初期研修医のうちに必ず身に着けるようにしてください。同時に、普段から鑑別疾患をたくさんあげるトレーニングを意識すると良いと思います。ぜひ頑張ってください♪

(編集長)

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鑑別疾患のあげ方(VINDICATE!!!P)

2025.11.11
カテゴリー: カンファレンス 内科

あなたがたとえどの診療科に進むとしても、初期研修医のうちに必ず身に着けてもらいたいことの一つに、「鑑別疾患のあげ方」があります。

 

鑑別疾患は、星の数ほどあるので全部覚えることは不可能です。でも、鑑別疾患のあげ方(フレームワーク)をおさえておくと、考えやすくなるだけでなく、抜けがなくなるのでお勧めですので、ぜひ覚えて下さい。

 

編集長が勧める鑑別疾患のあげ方には2つあります。1つ目は病因から攻める方法で有名な VINDICATE!!! + P(ヴインディケイト+P)です。2つ目は解剖学的に攻める方法です。

 

今回はVINDIVATE!!!+P(ちなみに!!!にも意味があります)を紹介します。

 

V:Vascular (血管系)
I:Infection (感染症)
N:Neoplasm (良性・悪性新生物)
D:Degenerative (変性疾患)
I:Intoxication (薬物・毒物中毒)
C:Congenital (先天性)
A:Auto-immune (自己免疫・膠原病)
T:Trauma (外傷)
E:Endocrinopathy (内分泌系)
!:Iatrogenic (医原性)
!:Idiopathic (特発性)
!:Inheritance (遺伝性)
P:Psychogenic (精神・心因性)

 

これは鑑別診断の神様として有名なティアニー先生が紹介していたものですが、すごいところは全ての疾患が網羅されているところです。もともとティアニー先生が病理学をやっていたので、こんなフレームワークに至ったと聞いたことがあります。

 

この鑑別方法は、一見すると関係なさそうな症状や検査データを俯瞰的に考える時に役立つと思います。原因が良く分からない、もしかしたら他の疾患を考える必要があるかもしれないと思った時に、これを見ながら鑑別疾患を考えてみて下さい。

(編集長)

山中先生と鑑別疾患を考え中

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中学生が来てくれました♪

2025.11.08
カテゴリー: 初期研修

先日は職場体験として中学生が来てくれました。夏休みにも中学生の職場体験会がありましたが、どうやら各学校で開催時期が異なるようです。今回は近隣の中学校からでしたので、当院になじみがある生徒さんたちが多かったようです。

 

短い時間でしたが、ドクターの仕事を知りたいという2名の中学生を、研修医らがエスコートして、院内ツアー、ガウン・手袋の着用、縫合体験を行いました。

 

縫合の練習中

 

ドラマなどで見る機会はあっても、実際にやってみる機会はほとんどありませんから、今回の職場体験が参加者の印象に残ってこれからの進路選択に役立ってくれると嬉しいです。そして医学部に進んで、卒業後は初期研修医として一緒に仕事できると嬉しいです♪ ぜひ、お待ちしています!

 

実際に清潔操作でガウンと手袋を着用してみる

(編集長)

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