臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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年末のご挨拶

2020.12.31
カテゴリー: 初期研修

今日は大晦日です。

この1年、ブログを読んで

いただき有難うございました。

 

さて、今年は新型コロナを

抜きに語れない1年でした。

 

そして、いろいろなことが

大きく変わった年でした。

 

なんか、あっという間に時間が

経ってしまっている感じですね。

 

このブログの今年最初の記事で、

この本のことを紹介していました。

 

2020年最初の記事はこちら

 

ここでは、

「チーズはどこに消えた?」

という本を紹介したのですが、

この本のメッセージは、

 

・変化は起きる

・変化を予期せよ

・変化を探知せよ

・変化に素早く適応せよ

・変わろう

・変化を楽しもう!

・進んで素早く変わり、再びそれを楽しもう

(p68より)

 

要するに

変化することを怖がらずに

行動していこう、

という内容でした。

 

この記事を書いた時は、新型

コロナが中国で発生していました

が、ここまで世界を、そして私たちの

日常生活を大きく変えるものとは

思っていませんでした。

 

でも、現実は日常生活はもちろん

診療スタイルや学会や講演会など、

大きく変わりました。

 

窮屈なところもありますが、やって

みると効率が良かったり、ラクだったり

新たな発見もありました。

 

編集長的には、変化にそれなりに

適応してきましたが、楽しむところ

までは行けていません。来年は

この変化を楽しめるようになりたい

ものです。

 

あなたは、この変化を適応して、

楽しめていますか?

 

来年もよろしくお願い致します。

(編集長)

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ものの見方

2020.12.29
カテゴリー: 初期研修

編集長が読んだある記事に

こんなことが書いてありました。

 

「もしあなたが金槌しか持って

いなければ、全ての問題は釘に

見えるだろう」

(欲求階層説で有名な心理学者

アブラハム・マズロー)

 

何のこっちゃと思われるかも

しれませんが、この言葉の意味は

こんなことです。

 

患者さんのことで、何かの問題を

解決する必要に迫られた時、

・消化器内科医は消化器内科の観点で

・消化器外科医は消化器外科の見地で
・循環器内科なら循環器内科の視点で

・看護師なら看護師の視点で

解決策を考えます。

 

つまり自分の持っている

「最も使いやすく手近な道具」

を使って解決する傾向が強い、

ということです。

 

「自分が最も使いやすく手近な道具」

使って問題を解決するということは、

もちろん悪いことではありません。

 

これは言い換えれば「長所発揮」であり、

強みを生かして課題や困難にチャレンジ

することは重要です。

 

しかし、当然ながら全ての問題が

「自分が最も使いやすく手近な道具」

解決できる訳ではありません。

 

ところが、無意識に「手近な道具」

使って考えているので、そのことに

気づくのに時間がかかります。

 

これを日常臨床に当てはめると、

患者さんの問題を解決するために

カンファレンスなどで他の診療科の

先生と議論をしたり、看護師さんや

リハビリ、ケースワーカーなどと

患者さんについて意見を出し合う場が

必要ということです。

 

自分の診療科内だけでなく、他の

診療科や職種との議論は、自分が

気づかなかったアプローチを気づか

せてくれる貴重な機会なのです。

 

自分が手にしているのは、

多くの場合金槌である

 

ということを自覚しておかないと、

自分の知っている範囲でしか考え

なくなり、こじつけて解釈したり、

手段が目的化してしまう危険性が

あります。

 

医学生や研修医のあなたの強みは、

診療科や職種を気にすることなく、

いろいろな人に相談できることです。

 

積極的に相談して、幅広い見方を

出来るように、日々トレーニング

してください。 

(編集長)

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回診中♪

後ろの二人は特定看護師

総合内科では一緒に回診しています

DEEP-IN

2020.12.26
カテゴリー: カンファレンス 内科

寒くなって、入院する患者さんが

増えてきました。もともと高齢者

の入院が多いのですが、気づくと

担当患者の平均年齢が85歳を

越えていることも珍しくありません。

 

このブログでも、ときどき高齢者の

対応ポイントを紹介してきましたが、

最近はこの本がとてもよくまとまって

いるので、重宝しています。

ぜひ手に入れておくべき1冊だと

思います。

*最初のアップで、この写真が抜けていました。

大変失礼しました。

 

今回はこの本の中から、高齢者の

アセスメント法のひとつである

DEEPーINについて紹介します。

 

DEEP-IN は

D:Dementia,Depression,Delirium,Drug

 (認知機能、抑うつ、せん妄、薬剤)

EE:Eye & Ear

 (視力、聴力)

P:Fall&Physical function

 (転倒、身体機能やADL)

I:Incontinence

 (失禁)

N:Nutrition

 (栄養、体重減少)

 

お気づきと思いますが、これは

疾患を診断するものではなく、

高齢者の機能評価のツールです。

 

なので、ポイントはこのアセスメントを

「すべての高齢者に」、

「ファーストタッチの時に」

行うことだそうです。

 

詳しくはぜひ本を読んでください!

(編集長)

カルテを書きながら調べもの

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水戸済生会の外来研修 その1

2020.12.15
カテゴリー: 初期研修

あなたもご存じと思いますが、

今年から初期研修カリキュラムが

変更になり、新たに外来研修が

必修化されました。

 

そこで当院での外来研修に

ついて紹介しようと思います。

 

この外来研修ですが、今までも

行っていた病院にとっては何て

ことありませんが、当院も含めて

大多数の研修病院では、どうする

のが良いか、頭を悩ませていました。

 

他の病院では、地域研修の際に

外来研修を行う方法をとっている

ところもありますが、当院では

1年目の秋から2年目の秋までの

1年間をかけて、週1回の外来を

継続する、並行研修方式を採用

しました。

 

ホントは10月から開始する予定

でいましたが、新型コロナの影響

などで外来改修工事が遅れ、11月

30日の週からようやく開始しました。

 

次回も当院の外来研修について

紹介します。

(編集長)

広いスペースをとれた診察室

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胸水 その4

2020.12.12
カテゴリー: カンファレンス 内科

前回の続きです。

今回は肺炎随伴胸水と膿胸について

シェアします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<肺炎随伴性胸水や膿胸について>

肺炎随伴性胸水、膿胸について

調べたことを以下に箇条書きしていきます。

 

・肺炎の感染が胸膜腔にまで及んだ場合、

 肺炎随伴性胸水や膿胸が起こってしまう。

 

・これらは肺炎のcommonな合併症である。

 肺炎の20-57%で胸水を認める。2-3%では

 膿胸に進展してしまう。これらの頻度は

 上昇傾向となっている。

 

・肺炎随伴胸水から膿胸へは3段階で

 進展する。(以下はUpToDateから)

・起因菌は、どこで感染したのか、地域に

 よる流行疫学、患者さん個人のリスク

 ファクターなどにより様々である。

・胸膜腔へと感染が進展するのは、市中

 肺炎や誤嚥性肺炎で典型的である。

 市中肺炎ではGPCの頻度が高く、60%以上を

 占める。院内感染ではMRSAが28%、緑膿菌

 が5%。誤嚥性肺炎は口腔内の連鎖球菌が多い。

 

・特異的な症状はなく、肺炎と同じような

 症状であることが多い。誤嚥、口腔内

 不衛生、アルコール、iv drug、免疫抑制、

 高齢者などのリスクファクターがある場合、

 適切な抗菌薬治療を行っても改善しない

 場合は、肺炎随伴性胸水や膿胸を疑う。

(ナオちゃん)

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なかなかいい度胸です♪

2020.12.10
カテゴリー: 初期研修

先日の形成外科外来の一コマです。

どんな状況かと言うと、J2(男)の

左ひじに感染性粉瘤ができてしまった

のですが、それをJ1(女)が摘出して

いるところです。しかも形成外科医の

二人を助手に従えて!(笑)

 

まあ、いくら粉瘤とは言え、先輩の

処置をやるのは度胸がいります。

 

けど、今まで場数をこなして

きたので、やろうと思ったんですね。

たいしたものです。

 

形成外科の指導医も結構やらせて

くれるので勉強になります。

ちなみに創部の経過は良好です♪

 

あなたも、偉い人や病院スタッフの

家族の担当医になったり、術者に

なることがあります。そんな時でも

慌てず、落ち着いてできるように

日々鍛錬してください!

(編集長)

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仕事の進め方

2020.12.08
カテゴリー: 初期研修

仕事を始めて9か月。あと3か月

すると、J2となって後輩たちが

入ってきます。

 

あっという間だったと思いますが、

病棟や当直の仕事にもだいぶ

慣れてきて、少し余裕もでてきた

と思います。

 

でもそうは言っても、色々とやらな

ければいけない仕事が無くなるわけ

ではなく、しかもPHSがかかってきて

仕事が中断されてしまいます。

 

どれから先に片付けるべきか?

こんな仕事の進め方を、あなたは

意識したことがありますか?

 

このブログでは過去に何度も取り

上げていますが、仕事の進め方は、

大事な考え方だと思いますので、

再度シェアします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

やらなければいけない仕事を、

下の図のように4つのカテゴリーに

分けた時、あなたは最初にどの

カテゴリーの仕事に取り組みますか?

考えてみてください。

 

 

最初はⅠのカテゴリーを選びます

よね。これには異論はないですよね。

 

では2番目に取り組む仕事は何でしょう?

また考えてみてください。

  

たいていの人はⅢのカテゴリーと答え

ます。でも、具体的な仕事を想像して

みてください。

 

研修医の仕事でⅢのカテゴリーに

入るのは・・・、例えば退院直前になって

退院指示を書いてくれと看護師さんに

言われるとか、夕方になって翌日の

点滴の指示を出してくれと看護師さん

から電話がかかってくるとか・・。

 

では、カテゴリーⅡに入る仕事は・・・、

例えば学会の発表とか抄読会の当番、

専門医試験に向けてのお勉強が

相当すると思います。

 

ところが、学会発表の準備が前日まで

終わっていないとか、明日の抄読会の

準備が出来ていない、と言っても許して

もらえませんよね。専門医試験も勉強

していなければ落ちるだけです。

 

そう、油断していると緊急度も重要度も

高いⅠのカテゴリーに移ってしまいますね。

 

当たり前ですが、学会や抄読会、試験の

準備をちゃんとしていれば、カテゴリーⅡ

からⅠの事案にならずに済むわけです。

 

つまりカテゴリーⅡの仕事を上手く処理

して、カテゴリーⅠの事案にならないよう

にしておく。これが仕事を進めていくうえ

でのコツです。

 

さらに、カテゴリーⅢの仕事を大きく

しないように、効率よく片付けることです。

Ⅱを大きくして、Ⅲを小さくするように

段取りを組んでいくのが理想的です。

 

これは目先の仕事に限ったことでは

ありません。あなたのキャリア形成を

考えた場合も当てはまります。

 

将来、どの診療科に進むか?

専門医資格などを、いつ取得するのか?

といったキャリア形成から見た場合に

重要なことがカテゴリーⅡに相当します。

それを意識して勉強したり、症例を

経験したり、施設基準や学会入会期間が

関係するなら、それも考慮する必要が

出てきます。

 

じつは、このネタは「7つの習慣」という

本の中にある「時間管理のマトリックス」

からいただいたものです。

 

この本はかなり有名なので、もしかしたら

読んだことがある人もいるかもしれません。

たいていの本屋に行くとビジネス書の

コーナーに置いてあるロングセラーです。

ビジネス書というよりも、もっと人生に

役に立つ本だと思いますので、読んで

みることをお勧めします。

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胸水 その3

2020.12.05
カテゴリー: カンファレンス 内科

前回の続きです。

今回は胸水についてのまとめを

シェアします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<胸水の鑑別の進め方>

まず胸水は滲出性か漏出性かに

分けます。

 

滲出性胸水の診断基準として有名

なのが、Lightの基準です。以下の

3項目のうち1項目以上満たせば

滲出性の診断となります。

 

・胸水/血清蛋白比>0.5

・胸水/血清LDH比>0.6

・胸水LDH値が血清LDHの上限値

 よりも2/3以上

 

その他に調べると良い項目としては

主に以下が挙げられます。

 

・グラム塗抹や培養:細菌感染

・細胞数:好中球優位なら肺炎随伴性、

 悪性、肺塞栓、膵炎、リンパ球優位なら

 腫瘍性、結核性、心術後

・糖:低値だと肺炎随伴性、悪性、

 結核性、リウマチ性など

・pH:胸水の正常pHは7.64。pH<7.2の

 場合膿胸の存在を強く疑い、胸腔

 ドレナージの適応。その他膠原病や

 消化管穿孔、悪性腫瘍も疑われる

・アミラーゼ:膵炎や食道破裂

・細胞診:悪性所見がないか。ただし

 1回目の細胞診で診断できるのは

 60%程度。

 

前回の記事で、肺炎随伴性胸水の

ドレナージ適応の部分で触れましたが、

pH<7.2だと膿胸のリスクが高くなり、

ドレナージ必須です。

 

PH低下の原因としては胸水中のLac上昇、

細菌代謝によるCO2上昇が挙げられる

ようです。

 

糖の低下、LDH上昇も認められる所見

ですが、pH<7.2は単一で予後を規定する

とのことで、pHが重要な所見であると

わかりました。ちなみに、胸水pHだけでも

早く確認したい時の裏技として、採取した

胸水にヘパリンを数滴加えて血ガス用の

機械で測定する方法もあると指導医の

先生から伺い、驚きました!

(ナオちゃん)

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朝のカンファで症例のプレゼン

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胸水 その2

2020.12.03
カテゴリー: カンファレンス 内科

前回の続きです。

今回は胸膜炎の症状について

シェアします。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<症状>

肺炎と同様。胸痛がないからといって

胸膜炎を否定することはできず、

抗菌薬投与にもかかわらず改善に

乏しい場合には、肺炎随伴性胸水や

膿胸を疑わなければならない。

 

<治療>

原因に対する治療を行う。感染症に

対しては抗菌薬、癌性に対しては

抗がん剤投与など。胸水量が多い

場合は胸水穿刺も行い、癌性胸膜炎

の場合は胸膜癒着術を行う場合もある。

 

前回提示した症例は細菌性肺炎に

伴う肺炎随伴性胸水でした。この場合、

胸腔ドレナージの適応となるのは

以下のことが挙げられています。

 

・   合併疾患の存在

・   抗菌薬治療に不応性

・   嫌気性菌が原因菌

・   pH<7.2

・   胸部Xpで胸腔の50%以上の胸水

(ナオちゃん)

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カンファ中♪

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胸水 その1

2020.12.01
カテゴリー: カンファレンス 内科

J1のナオちゃんが肺炎・胸膜炎の

症例を経験して、疑問点をまとめ

てくれたのをシェアします。

 

経験した症例のことをきちんと

調べておくと、記憶に残りやすい

ですし、効率的に勉強できますね。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

60代男性

吸気時の左背部痛を主訴に来院。

血液検査でWBC、CRPが上昇し、

胸部レントゲンで左胸部浸潤影と

左胸水を認め、肺炎・胸膜炎の

診断で抗菌薬を開始始しました。

入院翌日に胸部レントゲンを再検

すると左胸水の増加を認めました。

 

胸水は増えているけれど、どういう

状況だったら穿刺やドレナージを

しないといけないのか?

胸水の検査は何をすればいいのか?

心配されている患者さんやご家族に

胸水が増えていることをどのように

説明すればいいだろう?

と疑問点がたくさんあったので、

調べてみました。

 

【 胸膜炎】

胸膜炎とは、胸膜の炎症によって

胸水が貯留した状態であり、通常は

病歴と診察で疑われ、胸部X線などの

画像検査で胸水の貯留が確認できます。

 

<診断>

胸部X線、エコー、CTなどの検査にて

胸水を認め、胸水検査によって診断される。

 

<原因>

感染症や悪性腫瘍が多い。罹患率は

地域により異なっており、日本では

癌性胸膜炎と結核性胸膜炎が多く、

全体の60-70%もの割合を占めている。

 

胸膜炎の原因はいろいろありますが、

UpToDateには以下のような疾患が

記載されていました。

 

・感染症

細菌性肺炎、結核性胸膜炎

寄生虫、真菌感染、非定型肺炎

(ウイルス性、マイコプラズマなど)

ノカルジア、アクチノミセス

横隔膜下膿瘍、脾膿瘍

肝膿瘍、肝炎、食道破裂

胆嚢炎

 

・医原性・外傷

CVカテーテルの誤挿入、移動

薬剤性、食道穿孔、食道硬化療法

胃管の誤挿入、肺腫瘍へのラジオ波

血胸、乳び胸

 

・悪性腫瘍

肺がん、リンパ腫、悪性胸膜中皮腫、

白血病、乳び胸、悪性随伴胸水

など

 

・その他の炎症性疾患

膵炎、肺梗塞、石綿暴露、放射線照射

尿毒症性胸膜炎、サルコイドーシス

ARDS、Postcardiac injury syndrome

 

・悪性腫瘍や炎症に伴う胸腔内陰圧増加

肺のエントラップメント

コレステロール胸水(結核、慢性関節リウマチ)

 

・膠原病

SLE、リウマチ性胸膜炎、MCTD

好酸球性多発血管炎性肉芽種症

(Churg Strauss syndrome)、

家族性地中海熱、

多発血管炎性肉芽腫(Wegener肉芽腫)

 

・内分泌疾患

甲状腺機能低下症、

卵巣過剰刺激症候群(OHS)

 

・リンパ管異常

悪性腫瘍、乳び胸

 

・腹腔内からの移動

膵炎、膵仮性嚢胞、Meigs症候群

乳び腹水、がん性腹水、横隔膜下膿瘍

肝膿瘍、脾膿瘍、脾梗塞

 

・その他

肺静脈狭窄、子宮内膜症、溺死

電撃症、毛細血管漏出症候群

髄外造血

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