
臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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挿管中は“DOPE”を確認
80歳台の男性が肺炎で入院しました。もともと肺気腫があって加療されていた方です。酸素と抗菌薬を開始して、気管支拡張薬の吸入とステロイドの全身投与も行いましたが、酸素化が悪くて気管内挿管をして人工呼吸器管理になってしまいました。
その数日後の夜にあなたが当直をしていたら、病棟から「○○さんのサチュレーションが下がっています!」とコールがありました。患者さんのところに向かいながら、何をすればいいのか考えてみたのですが、あなたならどうしますか?
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人工呼吸器の有無に関わらず、病棟からサチュレーションの低下でコールされることが日常的に良くあります。たいていの場合は看護師さんは痰の吸引などをやったうえで、改善がない時にコールしてくれるので、他にチェックすることを確認しておくことは有用です。こんな時に役に立つのが「DOPE」です。
DOPEとは
D(Displacement):
気管チューブの位置異常を確認します。抜けていないか、深すぎないか、必要なら胸部レントゲンで確認をします。
O(Obstruction):
気道の閉塞がないかを確認します。喀痰によるものが多いと思いますが、チューブの折れ曲がり(キンク)も確認します。喀痰が多い時は気管支鏡での吸引を行うこともあります。
P(Penumothorax):
陽圧換気による気胸は常に考えておく必要があります。胸部レントゲンだけでなく、経時的に皮下気腫が出現していないかの確認も行います。
E(Equipment failure):
チューブの接続不良や接続間違い、設定間違いがないかといった機器の不具合がないかを確認します。よく分からなければ臨床工学技師さんを呼んでみてもらいましょう。
人工呼吸器に苦手意識があっても、これらの対応はあなたでもできます。ぜひ覚えておきましょう。
ちなみにこの患者さんは、かなり喀痰量が多かったので、体位をかえて、頻回の吸引でサチュレーションが改善してくれました。体位ドレナージは思っている以上に有効なことがありますので、ぜひ試してみてください。
(編集長)
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