臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

中学生にお話をしてきました

2024.08.31
カテゴリー: 初期研修

先日はこのブログで中学生の職場体験の記事を掲載しましたが、今度は実際に中学校に伺ってお話しする機会をいただきました。

 

中学2年生を対象としたグローバル市民科「未来への羅針盤」職業講和という企画で、茨城大学附属中学校にJ1の山内先生とJ2の福本先生の2人が伺って、医療のお話をしてきました。実は山内先生も福本先生も附属中のOG/OBなので、オファーをいただいてすぐに手上げしてくれました。

 

他にも銀行関係やIT企業、元アナウンサーといった方々も呼ばれていたのですが、2人は手分けして医師になるまでと医師になった後のキャリアのことや、未来の医療の流れで医師の働き方といった話をコンパクトにまとめて話たところ、中学生に非常に好評だったそうです。その他に点滴確保の練習台を持ち込んで実際にやってもらったりもしました。

 

 

研修医の2人も手ごたえを感じて楽しかったと言っていましたが、今回の話を聞いてくれたことがきっかけで、将来医学部に入って、当院で仕事を一緒にする人が出てくれるはずです。

(編集長)

点滴とれるかな?

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ICLSコースに参加しました!

2024.08.29
カテゴリー: 初期研修

先日のことですが、院内でICLSコースが開催されてJ1とJ2の8名が参加してきました。

 

ICLS(Immediate Cardiac Life Support)は2002年から日本救急医学会がやっているものですが、AHAのACLSが源流となっています。ICLSのImmediateは突然の心停止に対する最初の10分間を重視することから用いられていて、研修医や看護師、救命士に加えてあらゆる医療者を対象にしています。

 

水戸済生会総合病院では、コロナの影響で中断した時期もありましたが、「ホロルの里ICLSコース」という名称で今回で24回目の開催となりました。

 

2つにブースに分かれて、午前はBLS、気道管理と挿管、モニターと電気ショック、輸液経路と薬剤投与などを実践して、午後には様々なシナリオを用いながらチームでのICLSを繰り返します。おそらくこの日に行った胸骨圧迫の回数は、初期研修中の2年間で実際に経験するのと同じくらい繰り返したはずです。

 

質の高い胸骨圧迫

 

午前はやや硬さが残っていましたが、午後には全員の動きも良くなって、声を出しながらのチーム蘇生ができるようになっていました。研修医たちはすでにERなどでICLSを経験していますが、細かい注意点や全体の流れなどの把握が弱いところがあったと思いますが、かなり解消されたようです。

 

これからも院内でのICLSコースを開催していきますので、興味のある方は本サイトの問い合わせフォームからお問い合わせください♪

(編集長)

午後のメガコード

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感染後咳嗽

2024.08.27
カテゴリー: カンファレンス 内科

遷延性・慢性咳嗽の原因として、今回は感染後咳嗽を取り上げます。

 

外来などで咳が長引く患者さんには、「かぜなどの感染後に咳が長いこと残ることが多くて、感染後咳嗽なんて呼ばれています」といつも説明するのですが、感染後咳嗽の定義は何かと言われると答えられないことに編集長は気づきました。

 

そこで、定義から確認すると、

「呼吸器感染症(特にかぜ症候群)の後に続く、胸部X線写真で肺炎などの異常所見を示さず、通常、自然に軽快する遷延性ないし慢性咳嗽」となっています。

 

付け加えると、原因微生物が気道から排除され、抗菌薬治療の適応がない、感染の後遺症としての咳嗽を指しています(マイコプラズマ肺炎や百日咳などは3週間以上となっても気道中に原因微生物が存在することがあるので、この場合は該当しません)。

 

感染後咳嗽は、臨床的な診断が基本で、以下の3点がある場合に診断されます。

①かぜ症候群が先行していること

②遷延性咳嗽あるいは慢性咳嗽を生じるた疾患が除外できること

③自然軽快傾向がある

 

成人の遷延性咳嗽に占める感染後咳嗽の割合は35%という報告がありますが、感染後咳嗽に対する特異的な薬剤はないため、中枢性鎮咳薬など非特異的治療となります。なので患者さんへは、禁煙やマスクの着用、飲水やアメなので喉を湿潤させることなどを指導します。咳のピークが過ぎて、他の疾患が除外されていれば自然軽快を待つように指導することも必要となります。

 

参考文献:咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019

           (編集長)

回診の一コマ

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田口先生の”皮膚科教育レクチャー”が開催されました

2024.08.24
カテゴリー: 初期研修

先日のことですが、昨年開催して好評だった、皮膚科教育レクチャーが今年も開催されました。

 

皮膚症状の訴えは、入院中でも、外来でも、もちろんERでも多く遭遇します。判断がつかない症例や、どの軟膏を処方したらよいのか分からないことが多いのが正直なところで、ベッドサイドでの皮膚科のニーズは大きいものがあります。

 

昨年度は当院の皮膚科医が非常勤だったこともあり、水戸協同病院皮膚科部長、筑波大学臨床教授の田口先生によるレクチャーをお願いしたり、水戸協同病院での皮膚科ローテートを受け入れていただきました。

 

今年春から当院の皮膚科医も常勤になりましたが、田口先生のレクチャーは大好評だったので、今年度も開催してもらいました。

 

 

今回のテーマは「薬疹」。病棟では看護師さんから「薬疹っぽくないですか?」と言われると全部薬疹に見えてしまいますが、今回のレクチャーでは、アルゴリズムでの対応を教えていただき、すぐに役立ちそうです!

 

2回目の開催も予定していますので、今から楽しみです♪

           (編集長)

 

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胃食道逆流症(GERD)その2

2024.08.22
カテゴリー: カンファレンス 内科

遷延性・慢性咳嗽の原因としての胃食道逆流症(GERD)の続きです。

 

GERDが関与する遷延性・慢性咳嗽の診断については、実際の臨床では詳細な問診と、診断的治療を行って診断をしていきます。疑うポイントとして、以下の特徴を有する慢性咳嗽(特に乾性)ではGERDによる咳嗽を疑っていきます。

 

①胸やけ、呑酸などの食道症状を伴う

②咳払い、嗄声、咽喉頭異常感などの咽喉頭症状を伴う

③咳が、会話、食事中、体動・就寝・起床直後、上半身前屈、体重増加などのタイミングで悪化(夜間の咳はない/少ない場合が多い)。

④咳き込んで嘔吐してしまう。

⑤咳の原因となる薬剤の服用(ACE阻害薬など)がなく、咳喘息、副鼻腔気管支症候群(SBS)などの治療が無効、あるいは効果不十分。特に咳喘息の治療で夜間の咳は改善したが、昼間の咳が残存する場合にはGERDの合併を疑う。

 

治療効果による診断確定は、GERDに対する治療(PPI、消化管運動機能改善薬、肥満・食生活の改善)により咳嗽が改善すれば確定できるとされています。

 

治療については、胃酸分泌抑制薬で高用量のPPIが第一選択になりますが、食道症状の改善は早期に得られるものの、咳の改善には2~3か月かかる場合もあり、改善度も低いようです。このため消化管運動機能改善薬(モサプリドなど)の追加を早めに追加することが勧められていますが、エビデンスには乏しいようです。

 

保存的療法としては、GERDの危険因子である肥満、喫煙、激しい運動、飲酒、カフェイン、チョコレート、高脂肪食、炭酸飲料、柑橘類、トマト製品、各種薬剤)の回避はしばしば有効で、減量や就寝前の絶飲食、睡眠時の上半身挙上、腹圧を上昇させる衣類を避けることなども有効のようです。

 

参考文献:咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019

           (編集長)

ERでの一コマ

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胃食道逆流症(GERD)その1

2024.08.20
カテゴリー: カンファレンス 内科

今回は遷延性・慢性咳嗽の原因としての胃食道逆流症(GERD)を取り上げます。

 

GERDとは、胃酸や胃内容物が胃から食道に逆流することによって、何らかの症状や合併症を生じた状態を指します。欧米では慢性咳嗽の3大原因疾患の一つとされていますが、日本でも増加傾向とされ、食生活や肥満の頻度や程度が欧米に近づいてきたことや、原因疾患としての認知度が高くなってきたことなどが関与していると言われています。

 

このGERDが咳の原因になる機序は2つあるとされています。1つ目が、逆流が下部食道の迷走神経受容体を刺激し、中枢を介して反射性に下気道に刺激が伝わる機序。そして2つ目が逆流内容が上部食道から咽喉頭や下気道に到達して直接刺激する機序です。

 

臨床像としては、夜間に咳が好発して食道症状も多いタイプと日中に多く、食道症状が少ないタイプに分けられます。

 

夜間に多く、食道症状が多いタイプは食道裂孔ヘルニアなどが関与が多いとされ、高齢で肥満が強い人に多いようです。一方で日中に多く、食道症状が少ないタイプは若年者に多く、咳が会話、食事中、上半身前屈に伴って悪化しやすいとされています。

 

診断のために検査には、上部消化管内視鏡で異常を示さないことが多く感度が低い検査となり、24時間食道pHモニタリングは偽陰性や擬陽性が多くなるようです。酸以外の逆流も感知できるpHーインピーダンスモニタリングが逆流をとらえる最も感度が高い検査法とされていますが、どこの病院でも施行できる検査ではありません。実際の臨床では詳細な問診と、診断的治療を行って診断をしていきますが、詳細は次回に紹介します。

 

参考文献:咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019

           (編集長)

病棟で指導医と明日の打ち合わせ中

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中学生の職場体験のお手伝いをしました♪

2024.08.17
カテゴリー: 初期研修

夏休みは病院でもいろいろなイベントがありますが、中学生の職場体験もその一つです。

 

主に水戸市内の中学生が、看護部やリハビリ、薬剤部などに分かれて病院でどんな仕事をしているのか体験します。そんな中学生の中にドクターの仕事を体験したいと希望してくれる人もいて、研修医たちにエスコートしてもらいました。

 

腹腔鏡のシュミレーターを体験♪

 

今年は2つの中学からそれぞれ2人ずつ参加してくれて、腹腔鏡のシュミレーターやガウンテクニック、腹部エコーを実際にやってもらいました。

 

今回の職場体験がこれからの高校や大学への進学などに役立ってくれると嬉しいですね。そして、次は医学部に入って、医学生として病院見学に来ていただけるのをお待ちしています!

           (編集長)

おなかにエコーを当ててみると?

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喉頭アレルギー

2024.08.15
カテゴリー: カンファレンス 内科

今回はアトピー咳嗽に似た疾患として喉頭アレルギーを紹介します。

 

喉頭アレルギーとは、鼻や口腔より吸入された抗原により喉頭粘膜に引き起こされる慢性的ないし断続的な抗原暴露によるⅠ型アレルギー疾患で、季節性と通年性とに分類されます。

 

アトピー咳嗽とは非常に似ていますが、アトピー咳嗽では中枢気道に限局した好酸球性炎症ですが、喉頭アレルギーは喉頭を中心に病変を認める点が異なっています。

 

症状としては、慢性咳嗽と咽喉頭違和感で、ヒスタミンH1受容体拮抗薬が著効することが特徴です。ガイドラインには診断基準ではなく、「疑うポイント」として表にまとめられているので紹介します。

 

なお、季節性の場合は下線部分を「原因花粉飛散時期の前後を含めた」に読み替えて適応してください。

 

治療としてはヒスタミンH1受容体拮抗薬が第一選択となります。効果不十分な場合はICSの追加を考慮しますが、ICSはCVAにも効果があるため、あまり早期に用いると鑑別が困難になるので注意です。他に漢方薬を用いられます。鼻アレルギー同様に舌下免疫療法が行われる場合もあるようです。

 

参考文献:咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019

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アトピー咳嗽 その2

2024.08.13
カテゴリー: カンファレンス 内科

今回もアトピー咳嗽の続きです。

 

アトピー咳嗽の診断基準は以下のようになっています。

 

 

アトピー咳嗽は、特にCVAとの鑑別が重要になります。その理由としてCVAではICSの維持療法が重要になりますが、アトピー咳嗽は咳症状が軽快すれば治療は中止可能で、ICSの維持療法が必要ありません。つまりしっかり鑑別しておかないと、不要な治療を長期に継続させてしまうことになるのです。

 

治療としてはヒスタミンH1受容体拮抗薬が第一選択となりますが、その有効率は60%程度とされています。ヒスタミンH1受容体拮抗薬を2週間継続しても効果が不良な時は、ICSの追加を試みます。吸入できない状況であれば内服薬を1~2週間試します。それでも改善しない場合は別の疾患の可能性があるので専門医に紹介することを考えましょう。

 

アトピー咳嗽の予後としては良好で、長期的に喘息や閉塞性換気障害への進行は認めません。症状が改善すれば治療中止は可能ですが、再燃する場合は原因抗原の追及などアレルギー疾患として予防に努めることが重要になります。

 

参考文献:咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019

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アトピー咳嗽 その1

2024.08.10
カテゴリー: カンファレンス 内科

今回はアトピー咳嗽についてです。アトピー咳嗽は遷延性・慢性咳嗽の原因として咳喘息に続いて比較的多い疾患とされています。

 

病態としては、中枢気道を炎症の主座とする非喘息性好酸球性気道炎症です。好酸球性気道炎症が中枢気道に限局しているため、FeNO濃度は正常範囲内となります。

 

臨床像としては、アトピー素因を有する中年の女性に多く、咽喉頭のイガイガ感を伴い、気管支拡張薬が無効な遷延性・慢性咳嗽です。

 

ガイドラインにはアトピー咳嗽の臨床像として以下の13個が記載されています。これを記憶しておくだけでも、咳嗽患者さん対応のストレスが減ります。

 

・8週以上の喉のイガイガ感をともなう持続性乾性咳嗽(喀痰はあったとしても少量)

・喘鳴、呼吸困難発作を認めたことがない

・咳嗽は就寝時、深夜から早朝、起床時に多い

・咳嗽はエアコン、タバコの煙(受動喫煙)、会話(電話)、運動、精神的緊張などによって誘発されやすい

・強制呼出時にも乾性ラ音を聴取しない

・アトピー素因を認めることが多い

 1)末梢血好酸球増多、2)血清IgE高値、3)血清特異的IgE抗体陽性、

 4)アレルゲン皮内テスト陽性、5)喘息以外のアトピー疾患の合併または既往

・呼吸機能は正常

・気道過敏性亢進は見られない(気道過敏性亢進はCVAを示唆する)

・咳受容体感受性の亢進

・誘発喀痰中に好酸球が見られる

・気管あるいは気管支生検にて大部分の患者で好酸球性気管支炎が見られる

・BALF中に好酸球増多は見られない

・治療ではヒスタミンH1受容体拮抗薬、ステロイド薬(吸入、内服)が有効だが、鎮咳薬、抗菌薬、気管支拡張薬(β刺激薬、テオフィリン)、LTRAは無効

 

参考文献:咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019

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