臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

咳喘息(CVA)その2

2024.08.08
カテゴリー: カンファレンス 内科

今回は咳喘息(CVA)の治療についてです。

 

CVAの診断がついたら、治療は基本的に典型的喘息と同じで吸入ステロイド(ICS)が中心になります。下記のように重症度を判断して、治療を開始します。

 

 

この表からは、病院を受診する患者さんはほとんど中等症以上に該当すると思いますので、吸入ステロイド+長時間作用型β刺激薬の合剤(ICS+LABA)で開始し、症状が落ち着いてきたらICS単独に変更していきます。その他に長時間作用型抗コリン薬(LAMA)やロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)、テオフィリン徐放性剤を使用する場合があります。悪化時には典型的喘息と同様に短時間作用型β刺激薬(SABA)の屯用や経口ステロイドの短期間併用を行います。


治療開始により症状が軽快し、薬剤を減量することができますが、治療中止によりしばしば再燃します。症状が軽快・消失した患者さんの治療をいつまで続けるべきかのエビデンスはないそうですが、1年以上治療を継続しICSが低用量まで減量しても無症状であれば、ICSの中止を考慮してもよいとされています。また呼吸器の専門施設で喘息で推奨される客観的指標(呼吸機能や気道炎症マーカー)に基づく長期治療も推奨されています。

 

予後については、CVA患者さんの30~40%がいずれ典型的喘息に移行すると言われており、患者さんに良く説明しておく必要があります。ICSを用いることで典型的喘息への移行率が低下するとされています。

 

参考文献:咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019

           (編集長)

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咳喘息(Cough Variant asthma:CVA)その1

2024.08.06
カテゴリー: カンファレンス 内科

外来研修をやっていると、咳嗽を主訴に受診する患者さんに多く遭遇します。鎮咳剤を処方して経過を見てもらいますが、翌週の外来に「まだ良くなりません」と言って再び受診してきます。別の鎮咳薬を試してみるけど、次の週も「まだ良くならない」と言って受診されると、次の手をどうしたらよいか困ってしまいます。そんな時の対処法を今回から紹介していきます。

 

咳嗽については、3週間までの咳嗽を急性咳嗽、3週間以上8週間未満のものを遷延性咳嗽、8週間以上持続するものを慢性咳嗽と区別しますが、遷延性・慢性咳嗽の原因疾患の鑑別のなかに咳喘息があります。今回はこの咳喘息(CVA)について確認してみます。

 

まずCVAとは喘息の亜型ですが、喘鳴や呼吸困難を伴わなず、慢性咳嗽が唯一の症状で、呼吸機能はほぼ正常、気道過敏性は軽度更新、気管支拡張役が有効で定義されます。慢性咳嗽の原因疾患として本邦では最も頻度が高いものです。

 

臨床像としては、咳嗽は夜間から早朝に悪化しやすいものの、日中のみ咳を認める患者も存在し、しばしば季節性を示すとされます。喘鳴は自覚的にも他覚的にも認めません。成人では女性に多く、上気道炎や冷気、運動、受動喫煙を含む喫煙、雨天、湿度の上昇、花粉や黄砂の飛散などが増悪因子です。特に冷気と会話による咳嗽の誘発がCVAに特徴的とされています。

 

診断基準は以下の通りです。

 

CVAは吸入β2刺激薬が咳嗽に有効であることが特異的な所見であるため、気管支拡張薬の効果を確認しておくことが重要です。具体的には短時間作用型β刺激薬(SABA)吸入を試します。夜間の咳嗽が続く場合はβ刺激薬の貼付薬を1~2週間用いると良いそうです。

 

参考文献:咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019

           (編集長)

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【初開催♪】ダヴィンチシュミレーターセミナー

2024.08.03
カテゴリー: 初期研修

水戸済生会の消化器外科では6月に腹腔鏡のシュミレーターを用いたセミナーや、ウエットラボでの縫合結紮セミナーを開催しましたが、それに続いて7月の末にダヴィンチのシュミレーターを用いたセミナーを初めて開催しました。

 

ご存じの方もいると思いますが、水戸済生会では今年初めに手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入し、消化器外科で症例を重ねています。

 

普段は手術室で脇から見ているだけですが、今回のセミナーでは2回に分けて計6名のJ1が参加し、それぞれがシュミレーターを実際に操作してみました。

 

腹腔鏡とは違った動きができるのがダヴィンチの特徴ですが、これからの臨床では確実にダヴィンチが用いられる場面が増えてきますので、外科系を考えている研修医には良い刺激になったなったようです♪

(編集長)

全集中!

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茨城県修学生サマーセミナー2024 @水戸済生会総合病院

2024.08.01
カテゴリー: 初期研修

茨城県では、修学生や地域枠の医学生を対象に各種のイベントが企画されていますが、夏休みに入ったこの時期はサマーセミナーを開催しています。このサマーセミナーは県内各地の医療機関の見学などが主な内容で、今年も先週に開催されて、当院に15名が来てくれました。

 

参加者は1年~3年生でしたので、すぐに初期研修とか、診療科のことはイメージしにくかったかもしれません。しかも午前中だけの慌ただしいスケジュールでしたが、当院のJ1とJ2から、直接に話を聞けて、大いに刺激になったようです。

 

 

また、ドクヘリの見学もしましたが、ちょうど出動要請から戻ってくるタイミングで、着陸を間近で見ることができました。

 

 

次は、是非ともゆっくり時間を取って病院見学にお越しください!

(編集長)

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