
臨床研修ブログ
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帯状疱疹は内服か? 点滴か?
ある日のあなたが日曜の日直をしている時に、体幹部の痛みを主訴に80歳台の患者さんが受診しました。3、4日前から右側腹部がピリピリ痛いことを自覚しており、本日になり発熱と発疹も出現してきたため心配になって受診しました。見ると水疱が集簇した紅斑が側腹部から帯状に見られ、典型的な帯状疱疹と分かりました。
さて、あなたは抗ウイルス薬を処方しよう考えましたが、内服にするか?それとも点滴にするか?
なにか判断の目安になるものはありますか?
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帯状疱疹では、抗ウイルス薬を早期に開始することが大事なのはご存じだと思いますが、内服薬にも何種類かあるし、点滴もあって悩みます。
内服薬なら外来加療ですが、点滴なら原則として入院が必要になるので、どのような患者さんが入院した方が良いかを、皮膚科医でなくともおさえておく必要があります。
先日開催された水戸協同病院皮膚科の田口先生による皮膚科教育レクチャーでは、帯状疱疹をテーマにレクチャーしていただき、このあたりのモヤモヤをすっきり解消してもらいました。
まず、帯状疱疹で入院させる目安になるのが以下の項目です。
一つでも該当する場合は入院を勧めた方が良いとのことでした。
a.発熱と汎発疹(ウイルス血症)
b.80歳以上
c.痛みがハンパない
d.顔面・陰部に発症した
e.免疫抑制(血液疾患PSL内服)
そして、田口先生が推奨する治療には
・内服薬はアメナビル(アメナリーフ®)一択
理由は腎機能での用量調整が不要で、1日1回400㎎の7日間服用で済むから
・点滴は
①アシクロビル5mg/kg/回を1日3回
②ビダラビン(アラセナA®) 5-10mg/kg/回を1日1回
アラセナAの場合は外来での点滴も可能ですが、投与に2時間以上かける必要があります。
冒頭の症例は、80歳以上で、発熱を伴っていることから入院が望ましい症例と判断できます。お盆の後は疲れも出て、帯状疱疹の患者さんが増える傾向にあるそうです。あなたも入院が必要な患者さんをうまく拾い上げてください。
(編集長)
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