臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
「何かあったら来てください」
日曜日の日中にER当番をしていたら、30歳台の男性が胸痛を主訴に受診しました。
症状は起床後にリビングで座っている時に出現し、前胸部が圧迫される感じが数分間持続していました。嘔気や冷や汗などの随伴症状はなく、水を飲んだら良くなって、そのあとは症状の再燃はないけど、初めてのことでちょっと心配になってERを受診したとのこと。
患者さんは特に既往もなく、冠危険因子は25歳まで喫煙していたことのみ。バイタルは問題なくて、診察時は症状も消失していました。心電図も胸部レントゲンも異常なしで、トロポニンも陰性でした。いろいろと話を聞き出すと、昨夜は飲み会があって、少々飲みすぎたということを言っていたので、第一にGERDを考えました。鑑別として狭心症も頭によぎりましたが、患者さんには「何かあったら来てください」と言って、PPIを処方し帰宅としました。
その翌日、患者さんは再び同じ症状が出現したとのことで、救急車で搬送されてきました。今回は心電図で広範囲にST低下を認めており、不安定狭心症の診断で心カテになりました。その結果、左冠動脈前下行枝起始部の高度狭窄を認め、PCIを施行して事なきを得ました。
実はこの患者さんはだいぶ前に編集長が実際に経験した症例です。患者さんは、当院に搬送されてきたからよかったものの、そうでなかったら結構ヤバイことになっていたかもしれません。
患者さんには何気なく「何かあったら来てください」と言っていますが、非常に漠然としていて、患者さんの多くは戸惑います。我々から見たら全然関係なさそうな、ささいな症状も気になってしまい、何度も来院することだってあります。
「何かあったら来てください」とつい言いがちですが、患者さんが理解できるように「○○が心配なので、□□の症状が出てくるようなら来てください」という感じに、できるだけ具体的に患者さんに伝えることが大事だと思います。
編集長はこの症例を経験してから、患者さんには以下のような感じに、具体的に説明するようにしています。
「消化管由来の症状が一番可能性が高いと思いますが、狭心症も似たような症状をきたすことがあります。消化管由来なら数日でお薬が効いてくると思いますが、同じような症状が、動いた時に出現したり、症状がだんだん強く、持続時間が長くなったり、冷や汗などを伴うようになるなら、心筋梗塞の可能性が高くなるので、すぐに来院してください。」
(編集長)

慌ただしいERの一コマ
(写真から何の症例かわかりますか?)
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