臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
新型コロナウイルス感染から身を守る(3) 飛沫感染予防策
前回までは標準予防策について
紹介しました。今回から経路別
予防策について紹介していきます。
経路別予防策とは、
病原微生物ごとに感染経路が
決まっており、その経路に応じて、
一歩踏み込んだ対策を行うこと。
あくまで標準予防策とセットで
行う必要があります。
感染経路には
・空気感染
結核、麻疹、水痘
・飛沫感染
インフルエンザ、風疹など
・接触感染
MRSA、CDI、ノロウイルスなど
これら3つの経路がありますが、
新型コロナウイルス感染症は
飛沫・接触感染で拡大することが
分かっています。
今回は飛沫感染予防策に
ついてです。
飛沫感染は、咳、くしゃみ、
会話、気管吸引、気管支鏡
検査などに伴い発生する飛沫が、
目、鼻、口の粘膜に付着して
感染するものです。
教科書的には、飛沫直径は
5μmより大きく、飛散する
範囲は2m以内。床面に落下
するとともに感染性はなくなる
とされています。
ということは、予防策として
・患者配置
個室で、患者移動は室内にとどめる
個室が無理なら、同じ微生物による
感染患者は同室可
・個人防護具
患者に近づく、処置をする時は
サージカルマスクを着用
・患者移送
患者が室外に出るときは
患者にサージカルマスク
・その他
食事やごみ、リネンやカーテンの
洗濯、部屋の清掃には特別な
対応は必要なし。退室後は
通常の清掃に加えて、高頻度
接触表面の清拭、消毒を重点に
行う。病室のカーテンは交換。
これらが教科書的な飛沫感染
予防策となります。
新型コロナウイルス感染では、
N95マスクが不足しているとの
報道をよく見かけますが、
通常はサージカルマスクでOKです。
でも、気管挿管や抜管、心肺蘇生、
用手換気、気管支鏡検査、ネブライザー、
気管吸引などの、患者さんの
すぐそばでの処置は、飛沫が直接
かかる危険があるので、フェイス
ガードが追加されます。
さらに、これらの処置はエアロゾルが
発生しやすいので、エアロゾル
対策としてN95マスクと部屋の換気が
必要になります。
N95マスクがないと、新型コロナ
ウイルスの診療はできないと
誤解している人がいますが、
その状況で何が必要で、
何が必要ではないのかを
よく考えて対策を取りましょう。
参考文献:
感染対策まるごと覚書ノート
医療機関における新型コロナ
ウイルス感染症への対応ガイドVer2.1
(日本環境感染学会)
(編集長)
院内ですが、Zoomで夕方の
カンファをやってみました
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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病院見学もできない!
こんな状況で、初期研修や
研修病院の情報を、どうやって
手に入れるか悩んであなた。
Zoomを使って、当院の研修医と
直接話をしながら初期研修の
ホントのところを聞き出せます。
さらに個別対応なので、周りを
気にすることなく、知りたいことを
質問できます。
申し込みは、下記の
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やってみました!初めてのZoom開催 ・・・・松永先生の感染症カンファ
感染症の松永先生のカンファは
今年で12年目を迎えた、当院に
とって無くてはならないカンファの
一つです。
今年はCOVID19の影響を考え、
初めてZoomを用いて開催して
みました。
毎年のことですが、年度初めの
テーマは「感染症診療の基本」。
内容については改めて紹介する
として、今回はZoomについての
使用経験をシェアしておこうと
思います。
いわゆる三密を避けるために、
カンファレンス室ではなく、
研修医部屋で各自のPCを用いました。
カンファ中はこんな感じでした。
↓↓↓
当院は院内Wifiがないので、
LANケーブルが確保されている
というのも研修医部屋を選択した
理由です。
画面はこんな感じで、松永先生の
PCで表示したスライドを共有できます。
今回はやりませんでしたが、
同時に複数のスライドを画面で
共有できます。
数日前に研修医たちでZoom試運転を
行っていたので、だいたい大丈夫
でしたが、数名ほどうまく入室できない
人が出ました。(原因は捜査中です)
また、途中で退室扱いになって、
再度招待状のURLから入りなおしたり
ホストPCで承認しなければならない
ケースが数件発生しました。
(こちらも原因を捜査中)
実際に始まると、ハウリングが生じて
うまく聞こえない時がありました。
原因としては、研修医部屋とはいえ、
比較的近い距離で、PCのマイクを
オンしながらやっていると、近くの
PCのマイクを拾ってしまうようです。
発言する人以外はミュートにしておくと
ハウリングがほぼ消失しました。
今後は研修医部屋以外にも場所を
確保して、より三密を避けると
イイのかもしれません。
それからヘッドセットを使った方が
絶対にいいと思います。PCの
マイクでは、発言がうまく聞こえない
ことが多いですね。
今回は使わなかったのですが、
Zoomにはチャットとか、アンケート
機能があるので、それらを使うと
ただ話を聞くだけの一方通行から
双方向性になると思います。
今は大学の講義もほぼオンライン
ですし、学会発表や講演なんかも
この形式が確実に増えると思います。
当院でもいろいろ試してみようと
思っています。役立つ情報があれば、
ぜひ教えてください!
(編集長)
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新型コロナウイルス感染から身を守る(2) 手指衛生のタイミングは?
前回は標準予防策の要である
手指衛生について紹介しました。
正直なところ、手の洗い方なんて
あまり面白い内容ではないと思います。
でも、他人に感染させないため、
そして何より自分の身を守るため、
これが何より大事なのです。
最近では、いろいろな人が啓蒙
してくれているのもイイですね。
さて、ここで質問です。
「手指衛生は、どのタイミングで
やるのがイイでしょう?」
↓
↓
↓
それは以下の5つのタイミングです。
① 患者に触れる前
② 清潔・無菌操作をする前
③ 体液に暴露された可能性がある場合
④ 患者に触れた後
⑤ 患者周辺の物品に触れた後
これはWHOが推奨しているものですが、
これだけ覚えようとしても、すぐ忘れます。
こういう時は、理由付けしておくと
忘れにくくなります。
・患者に触れる前
手指を介しての感染から患者を守るため
・清潔・無菌操作をする前
点滴やカテーテル挿入の際などに
患者の体内に微生物を入れないため
・体液に暴露された可能性のある場合
自分と医療環境を守るため
・患者に触れた後
自分と医療環境を守るため
・患者の周辺物品に触れた後
自分と医療環境を守るため
さらに新型コロナでは、病棟の
タブレットやキーボード、マウスなど
からの感染拡大も指摘されています。
これらに触る前後、つまり病棟で
電子カルテに触る前後にも
アルコールによる手指消毒を
行いましょう。
(編集長)
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こんな状況で、初期研修や
研修病院の情報を、どうやって
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新型コロナウイルス感染から身を守る(1) 標準予防策
新型コロナウイルス感染症は
飛沫・接触感染で拡大することが
分かっています。
ということは、標準予防策に加えて、
経路別予防策である、飛沫予防
策と接触予防策をきっちり守れば
感染から身を守ることができる
ということです。
実際、ダイアモンドプリンセスでの
活動にかかわった自衛隊員に
感染者が出なかったことや
多数の新型コロナ患者を受け
入れている自衛隊中央病院では
院内感染が発生していない
という報道も目にしたことが
あるでしょう。
あなたも、他人に感染させない
ために、そして何より自分の身を
守るために、予防策をよく理解して、
実践できるようにする必要が
あります。
そこで、今回は標準予防策に
ついて紹介します。
最初にあなたに質問です。
標準予防策とは何ですか?
↓
↓
安心してください。
たいていの研修医は、この質問に
答えられません。
なので、まずはここを確認して
おきましょう。
標準予防策とは、すべての人は
伝播する病原体を保有している
と考え、患者及び周囲の環境に
接触する前後には手指衛生を行い、
血液・体液・粘膜などに暴露する
恐れのある時は個人防護具を
用いることです。
この中で一番重要なのに、
一番できていないのが
手指衛生です。
ここは編集長も反省ばかりですが、
今回の新型コロナをきっかけに、
しっかり見直して、実施しています。
手指消毒用アルコールを扱って
いるサラヤ(株)の医療従事者向け
サイトは、分かりやすくて
おススメです♪
https://med.saraya.com/top.html
特に院内ではアルコールを用いた
手指消毒を行っているので、
今回は上記サイトから転載
させていただきます。
(編集長)
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点滴のコツ その3
今回も、点滴をオーダーする時の
押さえるべき4つのポイントを
紹介します。
前回は輸液の組成を覚えてもらい、
Na量についてのポイントを
紹介しました。
今回はK量とカロリーに関してです。
覚えておく数字は、Kの必要量で
腎機能が正常なら30~40mEq/日
です。
これは維持液で3~4本分と
覚えれば簡単です。
他に、K量に注意する薬剤は
抗菌薬のペニシリンGです。
100万単位にK1.53mEqが
含まれます。
感染性心内膜炎(の治療では、
大量に長期にわたって投与します。
具体的には2400万単位/日を
4週間投与するので、Kだけで
約36mEqとなってしまいます。
最後にカロリーですが、
1日あたり400~500Kcalは
最低欲しいところです。
他に経管栄養などが投与
されていなければ、
5%ブドウ糖液4本で400Kcalを
目安にすると良いと思います。
ちなみに、10%ブドウ糖を含んだ
輸液製剤もあります。
Kも10%ブドウ糖製剤も、
滴下速度が速いと血管痛を
来たします。患者さんは
結構痛がることを覚えて
おいてください。
(編集長)
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【お知らせ】Web版・個別病院説明会の受付開始
いよいよ全国に緊急事態宣言が
出されました。都内の病院は
かなり切羽詰まった状況が
いろいろなところから伝わって
きます。
茨城県は患者増加数が速い
ことが指摘されており、これから
が重要な時期になります。
3密を避けて家にいることが
感染拡大防止に重要です。
当院では、初期研修医が直接に
COVID19診療には従事して
いませんが、患者数の増加に
よっては、サポートをお願い
するかもしれません。
直接診療に当たらなくとも、
標準予防策と飛沫接触感染
予防策を徹底して、院内感染を
起こさないこと、自分の身を
守ることが地域の医療崩壊を
防ぐために極めて重要な
ポイントになることを肝に
銘じて欲しいと思います。
さて、研修医たちも不安ですが、
医学生のあなたも不安が大きい
と思います。
レジナビなどのイベントが中止され、
病院見学もできない。病院実習も
中止という状況で、研修病院の
ことをどうやって知ろうと悩んで
いると思います。
そこで、前回にご案内しましたが、
水戸済生会の初期研修を紹介する
Web版・個別病院説明会の準備が
整いましたので、本日から受付を
開始します。
これはZoomを使って、当院の
研修医と直接話をしながら、
初期研修や生活のことなどを
知ってもらうためのものです。
ちょうど、レジナビのブース訪問を
Web上で個別にやる感じです。
初期研修のことがメインですが、
それ以外のご相談も可能な限り
お答えしようと思っています。
申し込みは、下記の
見学実習申し込みフォームを
利用して、希望日などを入力し、
「その他ご希望」の欄には
個別病院説明会希望とご記入ください
できるだけ、あなたの知りたいことに
答えられるよう、当院の研修医を
手配しますので、お申し込みの際に、
「小児科のことを知りたい」とか、
「周産期をローテーションした先生
と話したい」、「ドクヘリに乗ったことが
ある人」など、具体的な希望を
お知らせください!
今回は初めての企画なので、
動作環境の確認など、担当者と
事前にやり取りをさせていただく
と思いますがご了解ください。
また、参加していただいた方には
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(編集長)
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点滴のコツ その2
前回の続きで、点滴をオーダーする
時の押さえるべきポイントです。
まずは、輸液の組成を確認して
おきましょう。
覚えるべき数字は、生理食塩水の
Naが154mEqだけです。
そして、1号液や3号液は、生理食塩水と
5%ブドウ糖液のブレンドだということ。
1号液は1:1のブレンド、3号液は1:3の
ブレンドと考えればOKです。
さらに輸液1本(=500ml)あたりで覚えて
おくと実践的です。
これをだいたい頭にいれた上で、
NaとKとカロリーを把握しましょう。
Na量については、病院での
塩分制限食6g/日(Na:100mEq)を
目安に多いか少ないかを判断すれば
いいと思います。
具体例で考えてみます。
維持液を持続で60ml/hで入れると
1日3本、1500ml入ります。
さらに抗生剤(ABPC/SBT1.5g)を
生理食塩水100mlに溶解して1日
4回投与すると、輸液量は1900ml
維持液で約50mEq、抗生剤で
約45mEqで、合わせて95mEqと
なります。
もし、心不全の患者さんなら、
もっとNaを制限したくなるので、
抗生剤の溶解液を5%ブドウ糖液に
変更するなど工夫できます。
(編集長)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Web版・個別病院説明会を準備中
レジナビや病院説明会も中止、
病院見学もできない、
こんな状況で、来年の研修先を
どう決めたらいいのか?
そんな不安を抱えるあなたに
当院の研修医からアドバイスできる
ことがあるかもしれません。
Zoomを使った個別病院説明会を
準備中です。近日中にお知らせ
しますので、このブログを見逃さない
ようにしてください!
—–
研修医の声・インタビューが更新されました
当院のリクルートサイト内で
一番閲覧されているのが、
「研修医の声、インタビュー」の
ページです。
しばらくぶりの更新ですが、
今回はJ2の研修医2名の
インタビューがアップされて
いますので、ぜひご覧ください。
ちなみに、このブログでも
繰り返し述べていますが、
気になる研修病院の研修医から
直接話を聞くことが大事です。
指導医の話は、どうしても
盛ってしまうので、半分程度に
聞いておけばOK。
もちろん、今回のインタビューも
指導医の検閲なしですので、
ご安心ください(笑)。
さて、COVID19の影響で、
研修先をどうしたらよいのか、
どうやって決めたらよいのか、
ホントに心配ですね。
われわれも全く同じ気持ちです。
そこで、少しでも情報提供と
当院のことを知ってもらう機会として、
Web版・個別病院説明会を
準備中です。
これはZoomというビデオ会議ソフトを
使って、当院の研修医と直接話を
してもらう企画です。
ちょうどレジナビのブース訪問を
Webで個別にやる感じです。
個別に話を聞けるので、気兼ねなく
質問できますね。
近日中にご案内できるように
準備中ですので、このブログを
見逃さないようにお願いします!!
(編集長)
—–
教えることは学ぶこと
COVID19が蔓延してきており、
都内などでは救急車を呼んでも、
何十件もの病院に断られている
なんで話も聞きます。
茨城県内も、水戸周辺でも
患者数が増えており、
毎日遅くまでその対応に
追われています。
その影響もあってか、外来や
入院の患者さんは例年に比べて
少なめです。
最初のうちは、J2や指導医らの
サポートを受けながら、どんどん
症例をこなして、現場に慣れて
いくのが大事だと思っています。
その意味で患者さんが少ないのは
ちょっと残念です。
でも、逆を考えれば、患者さんが
少ないなら少ないなりに、じっくり
勉強しながら、納得しながら研修
できるので、チャンスとも言えますね。
例えば、当院ではPICC挿入は
研修医の大事な仕事です。
エコーの使い方など、コツはあり
ますが、数をこなすと上手になる
ので、J2になると任せてもらえる
ようになります。
今なら、まずJ1とともにエコーの
練習をして、さらにJ2が自分の
失敗をもとに、J1に対して、
PICC挿入を指導するという
時間的余裕があります。
エコーの練習
J2にとっては、教えることが
学ぶことになりますので、
頑張って指導してください!
そして本番!
(編集長)
—–
点滴のコツ
研修が始まったあなたが、
まず戸惑うのが点滴のオーダー
ではないでしょうか?
パスで決まったオーダーとなって
いることも多いですが、術後の点滴や
心不全の点滴のオーダーなどは、
実は指導医によって大きく違うので、
すごく戸惑うはずです。
さらに、なんでその点滴なのかと
理由を尋ねても、たいていの場合、
理由をはっきり説明してくれません。
「んー、なんとなく前からこうして
いるから」で終わってしまいます。
では、あなたは輸液をどう考えたら
よいのでしょう?
編集長がおすすめする輸液オーダー
時の、押さえるポイントは4つです。
1、 総輸液量
2、 Na量
3、 K量
4、 カロリー
まず、総輸液量ですが、患者さんの
体内に入る水分量と考えてください。
輸液の維持量は1日あたり30~40ml/kg
(つまり、体重50㎏の人なら1500~
2000ml/日なので、点滴3~4本と
なります)
心不全なら、これより少ない量に
しますし、術後でドレーンなどからの
排液が多ければ、これより多くします。
この時の注意点は、抗菌薬などの
溶解液、いわゆる「おかず」の分を
忘れないようにすることです。
例えば、ペニシリン系の抗菌薬
であるABPC/SBTは1日4回投与
なので、生食100mlで溶解していると
すると抗菌薬だけで、1日400mlに
なります。
これを忘れていると、例えば体格の
小さい高齢者では、輸液過多に
なって、浮腫や心不全を呈することも
ありますので注意してください。
次回も続きます。
(編集長)
今日はベンチレーターの使い方講習会
—–