臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

2つの治療計画を考える

2020.04.09
カテゴリー: 初期研修

研修が始まって、ようやく1週間です。

 

何が何だか、わからない1週間

だったと思います。

 

とりあえず、指導医に言われた

通りに、病棟業務を覚えるのに

精いっぱい。

 

一体、担当患者さんが何人いるのか

すら、よくわからない。

 

当然、患者さんの病名も把握が

できていない・・・、

 

というかんじですよね?

 

まあ、焦ることはありません。

ちょっと肩の力を抜いてみてください。

 

とはいっても、少し慣れてきたら、

段取りよく計画を立てて、

スムーズな退院に結び付けると、

担当患者さんが増えすぎて困る

ということが無くなります。

 

今回は仕事をスムーズに進める

上でのポイントを紹介します。

 

それは2つの治療計画を考えて

置くことです。

 

どういうことかというと、1つは、

その日1日の計画。

 

例えば術後の患者さんなら、

今日はドレーンを抜くとか、

糖尿病の人なら今日中に眼科

コンサルトをするとか。ICUの患者

さんなら、何とかバイタルを安定化

させようとか、抜管しようとか、

カテコラミンをこの辺まで減量

しようとか。

 

2つ目は退院までの計画です。

例えば感染性心内膜炎と診断

されたら、4週間は抗菌薬の

投与が必要ですから、それまでに

何を済ませるとかは、時間的な

余裕がありますね。

 

ところが高齢者の肺炎なら、

抗菌剤の投与は2週間程度としても、

すぐに退院できるように、リハビリの

介入をして、ADLを落とさないように

する。退院担当の看護師さんや

ソーシャルワーカーさんと相談して、

自宅退院なのか?施設なのかを

手配しておかないといけません。

 

さらに家族にも退院に向けて、

準備してもらわないといけません。

意外とやることがあります。

 

このように病気と直接関係ない

ことも、先読みして計画を立てて、

スムーズな退院に持ち込むのは、

必須のスキルです。

 

研修医の間は指導医の先生に

言われたことを片付けようと、

必死なのは仕方ありません。

 

指導医と議論しながら、退院までの

全体の治療計画を意識して

仕事をしていくと、格段に段取りが

良くなります。

 

すぐには無理かもしれませんが、

ちょっと意識してみるといいですよ。

(編集長)

ERで先輩研修医と議論中

 

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ADLをプレゼンする時には・・・DEATHとSHAFTT

2020.04.07
カテゴリー: 初期研修

病棟での仕事が始まって1週間も

経っていませんが。この週末は

少しリラックスできたでしょうか?

 

学生実習の時とは違って、緊張の

連続だと思います。さらに水戸でも

COVID19症例がでたとの報道で

院内も慌ただしくなってきました。

通常とは大きく異なる研修の

スタートですが、一つ一つ

こなせるようになってください。

 

ちなみに当院では、今週から

J1も当直デビューの予定です。

ERでの立ち回り方など、いろいろと

覚えることが多くて大変ですが、

焦らずに頑張りましょう。

 

さて、病棟では看護師さん以外に

リハビリや栄養科、放射線科、検査科

など、いろいろな部署の人が患者さんの

ところに行っているのに気づいた

でしょうか?

 

病気を治すだけでなく、ADLや栄養状態を

悪化させないように、いろいろな職種が

関わっています。

 

そんな中で、患者さんのADLを把握

することは重要です。

 

特に高齢の患者さんでは治療方針にも

影響します。例えば、自宅に退院できる

のか?施設に行った方がいいのか?

など病気の治療と同じくらい、患者さんの

生活に大きく関わってきます。

 

そんなADLを把握するにはどうしたら

良いでしょう?

 

そんな時に使うのが

DEATHSHAFTTです。

 

DEATHとは

  • D : Dressing (衣服の脱着)
  • E : Eating (食事)
  • A : Ambulation (移動)
  • T : Toilet (排泄)
  • H : Hygine (入浴)

これらをBasic ADL(基本的日常生活活動)

と言います。

 

SHAFTTには

  • S : Shopping (買い物)
  • H : Housekeeping (掃除)
  • A : Acounting (家計管理)
  • F : Food (食事の準備)
  • T : Transportation (交通機関の利用)
  • T : Telephone (電話の利用)

こちらはInstrumental ADL(道具的日常生活活動)

と呼ばれるもので、Basic ADLを越えた、

より複雑な活動を把握する時に役立ち

ます。また、介護保険の書類を書くときにも

便利です。

 

具体的にプレゼンの時に、

「食事はセッティングで自立、おむつ着用で

入浴は介助が必要ですが、車いすへの

移動は軽介助で可能です」などと言えば、

その患者さんのADLが伝わりますよね。

ぜひ覚えておいてください。

(編集長)

ICUでの一コマ

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【お知らせ】病院見学受け入れ中止

2020.04.04
カテゴリー: 初期研修

COVID19が猛威を振るっています。

東京や大阪などの大都市はもちろん

茨城県内でも患者が増加しています。

 

先日も水戸市で感染者が確認され、

院内もいよいよかと、臨戦態勢になり

だいぶ慌ただしくなってきました。

 

COVID19の流行を受けて、いくつかの

大学から受け入れていた実習生も

実習自体が中止となっています。

 

これらの状況変化を踏まえて、

当院でも当分の間、病院見学を

中止することとしました。

 

レジナビなどのイベントも中止となる中で

当院の臨床研修を知っていただく

絶好の機会と考えていただけに、

非常に残念ですが、どうかご理解

いただくようお願い申し上げます。

 

なお、このブログでは引き続き、

当院研修医の活躍や勉強ネタを

アップしていきますので、忘れずに

チェックしてください。

(編集長)

病院敷地内の桜はまだ咲いています!

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新年度スタート

2020.04.02
カテゴリー: 初期研修

いよいよ4月になり、新年度がスタートしました。

COVID19の影響で、当院でも辞令交付式や

オリエンテーションは大幅に簡素化されました。

 

この影響で、例年なら4月3日あたりから

研修医たちは病棟デビューするところを、

早速、1日の午後から病棟デビューを果たし

ました。

 

緊張しながらも、ちゃんと看護師さんたちに

挨拶して、J2の先輩たちにくっついて院内を

歩く姿はこの時期しかみれません(笑)。

 

さて、ご承知の通り東京を中心にCOVID19の

患者が日に日に増えている状況です。

例年は4月に、いろいろ院内イベントが

ありますが、残念なことに4月3日に予定して

いた、山中克郎先生のカンファレンスも

延期せざるを得ないと判断しました。

編集長も、研修医たちも楽しみにしていた

ので、非常にがっかりです。

 

COVID19はこれからが正念場で、いつ収束

するのかは分かりませんが、落ち着いたら

山中先生にお越しいただくことを約束していた

だいたので、楽しみはその時に取っておいて、

毎日の仕事(=研修)に取り組んでいきましょう。

(編集長)

 

昨年の山中先生カンファの一コマ

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水戸済生会総合病院の臨床研修は

総合診断能力を有する

スペシャリスト

を目指します

 

病院見学に来ませんか?

 

・どこで研修したらいいのかイメージが

 分からない。

とりあえずどうしよう?

 

あなたはこんな悩みを持っていませんか?

そんな悩みには、実際に病院見学に行って、

研修医から直接に話を聞くのがベストです。

 

見学に行くと、想像以上に雰囲気が違う

ことに気づくでしょう。

 

ぜひ当院へ病院見学にお越しください。

 

あなたの目でリアルな研修生活を

のぞいてみて下さい。

 

病院見学をご希望の方は、

こちらからご連絡ください。

https://recruit-mito-saisei.jp/entry

 

なお、COVID-19の流行状況によっては

病院見学をお断りする場合があり

ますのでご了承ください。

 

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