臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
尿糖のはなし2
前回の続きです。
尿定性検査を用いて、境涯型を含む
糖尿病の診断する際の感度は20~64%
特異度は98~99%と言われています。
(ただし、大量のビタミンC(アスコルビン酸)
を摂取すると偽陰性になります)
血糖が正常なのに尿糖が認められる
腎性尿糖には、Fanconi症候群のような
重篤なものもあるものの、ほとんどは
ブドウ糖の再吸収が不十分なために
おこります。
一定の血糖値を超えると急に尿糖が
認められるタイプと、血糖上昇と共に
徐々に尿糖が増加するタイプがある
そうですが、いずれも病的な意義は
ありません。
他に尿糖が陽性になるものとして
・妊娠
・胃切後
・甲状腺機能亢進症
を覚えておきましょう。
・妊娠
妊婦では糸球体ろ過量が増えるので
糸球体で処理しきれなくなって、血糖が
正常であっても、尿糖を認めることが
あります。正常妊娠の15%に認められた
との報告があります。
・胃切後
食事をとった直後に高血糖になります。
でも、速やかに血糖は改善するので
糖尿病の診断基準は満たしません。
でも、胃切後患者の約4割に尿糖が
認められたとの報告もあるそうです。
・甲状腺機能亢進症
糖尿病の診断基準を満たさないものの
甲状腺機能亢進に伴い高血糖になり、
その結果尿糖を認めることがあります。
他には、近年使用される頻度が多く
なった糖尿病薬のSGLT2阻害剤を
服用中だと、血糖が70~90mg/dlから
尿糖を来します。
(編集長)
研修医部屋でのおしゃべり。
楽しそうですが・・・、あごマスクもアウトです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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尿糖のはなし1
外来をやっていると、時々こんな
患者さんに遭遇します。
「健診で尿糖がひっかかりました。
私は糖尿病なんですか?」
ところが採血してみると、HbA1cは
5.6%と高くありません。
「じゃあ、「腎性尿糖」ですね。」
と終わりにしていないでしょうか?
確かに腎性糖尿は、特に治療も
不要です。でも、患者さんは
将来糖尿病になるのか?とか、
以前に尿糖を言われたけど、
今回は引っかからなかった、
など、混乱するかもしれません。
今回から外来で患者さんを不安に
させないように、尿糖について
まとめておきましょう。
そもそも、健常人では尿中にブドウ糖は
検出されないはずです。それは、糸球体
でろ過された原尿は血清と同じブドウ糖
濃度ですが、SGLT(ナトリウム/グル
コース共輸送体)により再吸収される
からです。でも、ネフロンごとに再吸収の
程度にばらつきがあるので、血糖が
180mg/dlを超えると、尿糖が出現して
きます。
ところが、高血糖を伴わないのに
尿糖を認めるときに「腎性尿糖」と
呼びますが、これは診断名ではなく、
病態のことを指していることに注意
しましょう。
(編集長)
徳田先生のカンファ風景
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血尿の原因は?
70歳台の男性。狭心症でPCI歴があり、
抗血小板薬を長期服用していました。
狭心症は落ち着いていましたが、
市の住民健診で血尿を指摘され、
外来で相談を受けました。
外来で再検した尿所見は
比重 1.016
pH 8.0
蛋白(±)
糖 (-)
ケトン体(-)
潜血(2+)
ウロビリノーゲン 正常
ビリルビン(-)
白血球(-)
赤血球 50-99/HPF
さて、鑑別は何を考えますか?
↓
↓
↓
血尿の原因はいろいろありますが、
症例のような顕性血尿に遭遇したら
・尿管結石
・尿路感染
・悪性腫瘍
・糸球体性血尿
まず、この4つをおさえましょう。
いわゆる血尿の4大原因です。
まず、尿路結石や尿路感染は
イメージしやすいと思います。
悪性腫瘍は、男性で喫煙者に多くなり
ます。症例のように、抗血小板薬を
服用中でも、高齢の男性なら尿細胞診
をチェックする必要があります。
糸球体性血尿では、赤い血尿というより
コーラ色といった感じになります。他に
赤血球円柱た尿たんぱく、変形赤血球
があると糸球体性血尿を考えさせる
所見になります。
冒頭の症例は、細胞診でClassⅣで
泌尿器科に相談したところ、膀胱がんと
判明しました。
(編集長)
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ベンチレーターは触って覚える!
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おしっこの色
だいぶ前に紹介した記事ですが、
先日の回診中に、おしっこの色が
話題に挙がったので、ベイマックスの
記事を再掲します。
患者さんや看護師さんにスラスラと
説明できるとカッコいいと思いますよ。
(編集長)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おしっこの色ってまじめに考えたこと
ありますか?
ベッドサイドで導尿カテーテルから
出ている尿が紫だったらどうします?
こういう時にびっくりしないように色に
ついての知識も持っておきましょう。
①黄色
正常の尿はウロクロームが尿中に
存在するために黄色になります。
脱水などで濃くなった場合には色調が
濃くなることもあります。
②淡黄色
希釈尿の場合にみられます。利尿剤の
使用、高Ca血症、糖尿病、尿崩症など
でも見られます。
③乳白色
脂肪尿か乳び尿です。まれに重症の
尿路感染症で白血球が混じると乳白色に
なります。ネフローゼ症候群でも高比重の
リポ蛋白が中心の脂肪が含まれること
により、この色になることがあります。
乳び尿は外傷などでリンパ管と尿路が
交通することで生じます。ICUでよくある
のはプロポフォールの使用によるもの
が多いです。
④(淡)赤色
1ℓの尿に1mlの血液が混入するだけで
尿は淡赤色になります。腎から下部尿路
までどこからの出血でもなりえます。
糸球体性の血尿か非糸球体か凝固異常
によるものか・・・など鑑別が必要になり
ます。また、色素を含む食物と尿のpHの
組み合わせで赤色尿がでることがあります。
具体的には、赤ビーツやブラックベリーと
酸性尿、ダイオウとアルカリ尿などで
みられます。ほかにも、アドリアマイシンや
フェノチアジンなどの色素を含む薬物で
生じることがあります。
⑤赤褐色
尿にヘモグロビンやミオグロビンの酸化物が
含まれると赤褐色を呈します。鑑別としては
溶血性疾患と筋損傷が重要です。
溶血性疾患ではLDHの上昇やハプト
グロビンの低下など、筋損傷では挫滅、
過度の運動、電撃症、敗血症、甲状腺
機能低下症、低K血症、スタチン系による
横紋筋融解などが考えられます。
また、メトロニダゾールでも起こります。
慢性糸球体腎炎の血尿とは、尿の定性での
潜血反応と尿沈渣での赤血球数との
かい離で鑑別することは有名ですね。
⑥橙色
リファンピシンの内服や、直接ビリルビンに
よりみられることがあります。閉塞性黄疸では
尿は橙色になるが、便は白色になります。
⑦青から緑色
緑色は青色の色素とウロクロームが混合
されてみられます。インドメタシンや
トリアムテレンなどの医薬品や洗口剤の
リステリンでも報告があります。
プロポフォール投与中の患者でも緑色が
みられることがあります。緑膿菌の感染症
では菌由来のピオシアニンにより尿が緑に
なることがあります。慢性の閉塞性黄疸では
ビリルビンの酸化物であるビリベルジンが
排泄され尿の色調変化をきたすことが
あります。
⑧紫色
導尿カテーテルが長期留置されている
患者の尿バッグが紫色になることがあり
ます。腸内でトリプトファンが細菌により
インドキシル硫酸に変換され、尿中に
排泄、尿バッグで再び細菌によりインジゴと
インジルビンの色素に変換されて生じます。
便秘を伴う長期臥床患者や吸収不良
症候群、トリプトファン代謝障害のHartnap病
でみられることもあります。
⑨灰色から黒色
チロシン代謝経路の酵素欠損症である
アルカプトン尿症では、尿に大量に排泄
されるホモゲンチジン酸が酸化し、黒色を
呈します。悪性黒色腫や一部のアジソン病
では体内で産生されるメラニンが排泄され
黒色になることがあります。
降圧薬のα-メチルドーパは、代謝物の
α-メチルドーパミンなどにより尿が灰色
から黒色になります。
以上、おむつのCMのような色の尿も
あり得るというお話でした。
(腎臓内科のベイマックス)
さて、これから回診!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆昨年に続き、山中先生の
レクチャーを開催します!
ドクターGにも出演されたことのある
福島県立医大会津医療センター
総合内科教授の山中克郎先生が、
昨年に引き続き、当院にお越しに
なります。
昨年好評だったベッドサイドでの
身体診察や、レクチャーを予定して
います。
院外からの参加も歓迎しますので、
ご連絡ください!
平成31年4月12日(金)午後~
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P(リン)のお話・4
今までPの話をしてきましたが、
今回は症例をもとに考えてみましょう。
【症例】
70歳台独居の男性が数日前から
食事摂取ができず、家の中を倒れて
いるところを近所の人が発見し
救急搬送されました。
体温36.0℃、脈拍102/分、血圧98/66
生化学:TP5.7g/dl、Alb2.3 g/dl、
Na134mEq/dl、K2.9 mEq /dl、
Cl94 mEq /dl、BUN19㎎/dl、
Cr1.32㎎/dl、Ca7.0㎎/dl、P2.4㎎/dl
このような症例の診療で注意すべき
点はなんでしょうか?
当院の透析室
本症例では低Alb血症や低K血症、
低P血症を認めるため、ある程度の
期間低栄養状態が続いていたものと
考えられます。
また、頻脈傾向で血圧も低いことから
循環血漿量の減少が予想されます。
よく脱水の際にBUN/Crの上昇が
みられると思いますが、低栄養が
過ぎる場合にはBUNの上昇を
伴わないこともあります。
独居の高齢男性が脱水になった原因の
検索が重要だと思います。また脱水や
栄養状態の補正をする際には、
KやPなどの電解質の補正も併せて行う
必要があります。
こういう患者さんにブドウ糖を含む輸液を
行うと低Kや低P血症を助長する可能性
があり、低Kによる心室頻拍(VT)や
心室細動(VF)、低Pによる横紋筋融解や
肝機能障害を呈する危険が高くなるので
注意が必要です。
(腎臓内科のベイマックス)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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P(リン)のお話・3
今回は低P血症に関してです。
前々回のPの体内動態から考えて
わかるように、低P血症の原因も
①腎臓からの排泄増加
②腸管からの吸収低下
③細胞内への移行
に分けて考えることができます。
①腎臓からの排泄増加
副甲状腺機能亢進症
先天性疾患(骨軟化症、X連鎖性低P血症性くる病など)
腎移植後
薬剤(利尿剤、抗がん剤、グルココルチコイド、
アセトアミノフェン、フェジン®)
Fanconi症候群
②腸管からの吸収低下
経口摂取低下
ビタミンD不足
慢性下痢
P吸着剤
慢性飲酒
③細胞内への移行
呼吸性アルカローシス
Hungry bone syndrome
糖尿病性ケトアシドーシスの治療中
栄養失調やアルコール依存者への栄養補給
白血病
テオフィリン
などが挙げられます。
薬剤性のものとしてアセトアミノフェン
とありますが、こちらは中毒の際に
起こる可能性がある程度です。
フェジンでの低P血症に関してはPTHの
活性型ビタミンD産生作用の低下や
尿細管での再吸収の抑制が考えられて
います。
糖尿病性ケトアシドーシスの場合、
細胞内からPが細胞外へ移動して
いるため、濃度は正常に見えるが
体内のPが減少しています。その状態で
治療することにより低P血症を起こす
ことがあります。
急激なPの低下は横紋筋融解などを
引き起こす可能性もあるため、Pを補充
しながら治療することが必要です。
また外来で見かける軽度の低P血症の
中には、食後採血で細胞内にPが取り
込まれているだけのものもあるので
正確なPの値としては、空腹時が望ましい
とされています。
治療としては経口での摂取になります、
その際、乳製品などを積極的に摂取して
もらうように指導を行うこととなります。
1.0㎎/dl未満の高度の低P血症の場合には
リン酸Naなどを使用して経静脈的に
補正することになります。
ICUなどで高カロリー輸液などを行う際に
低P血症に気づかず行ってしまうと
肝機能障害などを起こすことがあるため
注意が必要です。
(腎臓内科のベイマックス)
—–
P(リン)のお話・2
今回は高P血症についてです。
ほとんどは低Ca血症に伴うもの
と言われていますが、高P血症の
原因としては
①腎臓からの排泄低下
②腸管からの吸収亢進
③細胞内からの移行
④偽性高P血症
に分けることができます。
①腎臓からの排泄低下
腎機能低下
副甲状腺機能低下症
偽性副甲状腺機能低下症
末端肥大症
ビスホスホネート製剤
②腸管からの吸収亢進
経口摂取の増加
ビタミンD過剰
③細胞内からの移行
二次性副甲状腺機能亢進症
呼吸性アシドーシス
腫瘍崩壊症候群
④偽性高P血症
高γ―グロブリン血症
高ビリルビン血症
脂質異常症
溶血
以上のような鑑別が挙げられます。
副甲状腺機能低下症と二次性
副甲状腺機能亢進症があるので
混乱があると思いますが、
副甲状腺機能低下症の場合には
腎臓からのP排泄にかかわるPTHが
不足するため高P血症となります。
一方、二次性副甲状腺機能亢進症
の場合には腎機能が廃絶している
ためPが排泄されず、PTHの作用
により骨からPが遊離するために
起こります。
臨床でよく見かける内服薬として
ビスホスホネート製剤もありますが、
こちらは近位尿細管からのP吸収を
増大させる作用があるため起こります。
治療としては食事からのP制限と
P吸着薬が基本となります。
食事のP制限に関しては乳製品や
たんぱく質を多く含むものの制限が
必要になることが多く、いつも
栄養士さんが良く指導をしてくれます。
おなじ肉でも鶏肉のほうが牛肉より
Pの含有率が低いなど食材の工夫も
必要になります。
P吸着薬に関してはいくつか種類が
あり、Ca系、Fe系、ポリマー系、Rn系
などがあります。透析をしているか
どうか、Caやi-PTHなどのホルモンも
含めて個々の患者さんに合わせて
どの薬剤を選択するのかを検討する
必要があります。
またP低下作用の強さや副作用なども
それぞれ違いますし、内服のしやすさ
なども検討する必要があります。
次回は低P血症について紹介します。
(腎臓内科のベイマックス)
病棟での一コマ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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P(リン)のお話・1
久しぶりに腎臓内科のベイマックスが
記事を書いてくれました。ニッチな
ネタかもしれませんが、臨床では大事
です。ぜひご一読ください!
(編集長)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ICU管理中の患者さんのPが低い・・・
透析患者のPが高い
・・・
あなたが、看護師さんからこんなこと
言われたらどうしますか?
今回からP(リン)のお話です。
ヒトの体の中には約600gのPが
存在し、そのうち85%は骨に存在
しています。
Pは体内ではcAMPやcGMPなどの
情報伝達のメッセンジャーやATPなどの
エネルギー、補酵素、リン脂質などで
使用されています。
そのためPが体内から少なくなると
エネルギーや情報伝達などがうまく
働かなくなります。また、Pが多くなると
動脈硬化につながります。
ヒトの体内ではどのように摂取され、
どのように調整を受けているのでしょうか?
まず、食事(乳製品やたんぱく質の多い
もの、保存料など)に含まれるPは
十二指腸や小腸で吸収されます。
この時にビタミンDの作用を受けて
吸収が良くなります。(ビタミンDが
十二指腸などにあるⅡb型Na-Pi共輸送体
の働きを高めるためです。)
余分なPは腎臓から排泄されます。
まず糸球体で濾過されたPの80%は
近位尿細管で再吸収されます。
腎臓でのP排泄を調節する因子としては
PTH、活性型ビタミンD、FGF23、
細胞外液量の増加、グルココルチコイド、
ドパミンなどがあります。
またP排泄を抑制する因子としては
成長ホルモンやインスリンがあります。
次回は、これらが異常を見た時に
どのような病態を考えるべきか?
について紹介します。
(腎臓内科のベイマックス)
救急搬送患者の対応中
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なぜアメリカへ?
当院で初期研修を行い、引き続き
腎臓内科医として活躍中の郡司先生が、
3か月という短い期間でしたが
アメリカに留学してきました。
郡司先生は腎臓内科医のはずですが、
透析のシャント(=VA:Vascular access)
に精通しており、医師向けの講習会で
タスクフォースを務めるなど若手ながら
活躍中です。
そんな郡司先生が、VAのことをもっと
勉強するためにアメリカに行ってきました。
これから何回かに分けて郡司先生の
記事をアップしていきますが、
「コネなしからどうやってアメリカに
行けたのか?」とか、「アメリカの病院の
ホントのところ」など、面白い内容に
なっています!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私はミズーリ州セントルイスという
アメリカの真ん中あたりにある、
Washington University(WASU)に
Observershipという形で短期滞在
してきました。
日本では腎臓内科なのですが、こちらには
血液透析に必要なvascular access(VA)の
管理や手術などをみるために移植外科に
行きました。
学生のころから、海外にいくことなど
みじんも思っていなかった自分なので、
もちろん英語もYoutubeであいさつを
覚えるくらい。またUSMLEも持っていません。
ただ、自分の今後を考えたときに、
人生において海外を見る機会は今しか
ないのではないかと思ったのです。
日本の中での研鑽はこれからも
していかなければなりませんが、
海外に関しては、若いうちに見ておいた
方が自分にとっても良いのではないかと
考えました。そして、周囲の方々の
本当に理解のある応援もあり、
幸運にもWASUに行くことができました。
みなさんに本当に感謝しかありません。
VAの管理や手術成績などに関しては
日本が一番成績がよいとされています。
日本では中心静脈カテーテルを使用した
透析患者さんは世界と比べて少なく、
自己血管を使用したVAの比率も高く、
開存成績もよいのです。
しかし、アメリカは人工血管を使用した
VAや中心静脈カテーテルを使用した
VAが多く、社会的にも問題となり自己血管
によるVAを推奨する運動も行われている
くらいです。
このような状況なのに、なぜ自分は
アメリカを見てみたいと思ったのか
というと、今でも多くの外科系の医師は
アメリカに渡り研鑽を積まれる方がいる
ほど技術的には高いはずなのに、
なぜ開存成績なども含めて違いが
できてしまうのかを実際に見てみた
かったのです。
治療法、管理の仕方、スタッフ、患者の
理解度など、文献を見ているだけでは
伝わってこない実際を見てみたくなり
ました。
(郡司)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次回はどうやってWASUに行くことに
なったのかを紹介します。
お楽しみに。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆病院見学に来ませんか?
どうやって研修病院を決めたらいいのか
分からない・・・。
それには病院見学をするのが一番です。
さらに直接研修医から話を聞くのがベストです。
実際に見学に行くと、想像以上に雰囲気が
違うことに気づくでしょう。
ぜひ冬休みを利用して、当院へ見学に
お越しください。あなたの目でリアルな
研修生活をのぞいてみて下さい。
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低ナトリウム血症の対処8
すこし間が空いてしまいましたが、
前回まで低Na血症の鑑別の進め方
そしてSIADHの診断、原因疾患、
治療についてまとめてきました。
今回は低Na血症の鑑別に、
もう一つ加えておいて欲しいものを
紹介します。
入院患者さんにみられる低Na血症の
原因にはSIADHが多いのですが、
治療として水分制限を行っても
改善しないケースがあります。
特に高齢者に多くみられることから
鉱質コルチコイド反応性低Na血症
(MRHE:mineralocorticoid-responsive
Hyponatremia of the elderly)
と呼ばれます。
(Endocr J 43 : 101―108, 1996.)
診断はSIADHにほぼ一致していますが、
SIADHは体液量が正常(脱水も浮腫もない)
であることが前提ですが、MRHEは
軽度の脱水があることがポイントになり、
SIADHの治療である水分制限でも
改善がないのが特徴です。
診断基準としてSIADHの診断基準に
加えて、下記3項目を追加したものが
提唱されています。
① 60歳以上
② SIADHの診断基準に合致し、
さらに下記2項目を満たす
・水制限で低Na血症が悪化する
・臨床的に脱水所見を認める
③ 鉱質コルチコイドの使用で
低Na血症が補正される
(Nephrol Dial Transplant 2014;29 (suppl 2):ii1–39.)
MRHEとSIADHは鑑別困難な場合があり,
じつは8月に開催された徳田先生との
症例検討会でMRHEであった可能性が
高い症例を討論しました。
SIADHの診断基準を満たしながらも
水制限で改善されない低Na血症では
MRHEを鑑別に挙げてみましょう。
(編集長)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆第3回
小児救急はこわくない
~こども達の未来を救おう~
2018年12月15日(土)
当院で開催します!詳細はこちらから!!
↓
http://www.mito-saisei.jp/resident/mitoigakuseiseminar201812.html
すでに定員の半分が埋まっています!
お早目にお申し込みください!
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