臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
「せん妄」と診断するには・・・CAM
前回はせん妄を見た時に鑑別すべきポイントを紹介しました。
せん妄は一言でいえば、「いつもと様子が違うこと」と捉えておけばOKですが、実際にせん妄かもと思ったときに、せん妄と診断するには、どうすればいいでしょうか?
せん妄診断のゴールドスタンダードとしてDSM-5が用いられますが、これは現場ではちょっと使いにくく(文末参照)、ベッドサイドではCAMを利用するのが良さそうです。
CAMとはConfusion assesment methodのことで、せん妄のスクリーニングにも、診断にも使われるツールの一つです。感度94%、特異度89%と早期発見に役立つもので、世界で広く使われています。さらにICU用、ER用、ナーシングホーム用のCAMも開発されています。
CAMでは、下記4項目のうち、①と②を満たし、③か④のどちらかが該当すれば、せん妄の診断となります。
①急性発症と変動性の経過:Acute onset and fluctuating course
②注意散漫:Inattention
③支離滅裂な思考:Disorganized thinking
④意識レベルの変化:Altered level of consciousness
看護師さんも使えるので、入院患者さんがちょっと様子が違うと思った時に、このCAMを使って情報共有してみてください。
ちなみにDSM5の診断基準を載せておきます。

(参考文献:あめいろぐ高齢者医療)
(編集長)
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
総合診断能力を有するスペシャリスト
を目指します
◆病院見学に来ませんか?
当院の研修医がどんなふうに仕事しているのか?どんな生活を送っているのか?
あなたの目で確かめてみてください!
病院見学をご希望の方は、下のフォームからご連絡ください。
なお、病院見学がむずかしい時は、Zoomで個別説明会を行っていますので、
下のフォームに「Zoom希望」と記入してご連絡ください。
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「せん妄かも?」と思ったときの鑑別診断
あなたも経験したことがあると思いますが、高齢者が入院すると想像以上にせん妄症状が出る人が多く、さらに激しい症状の人が多いのに驚かされると思います。逆にせん妄症状が出ない人の方が少なく、それだけコモンな疾患です。
せん妄は3つのパターンがあって、
・行動にあらわれるような過活動性せん妄(Hyperactive delirium)
・症状が分かりにくい低活動性せん妄(Hypoactive delirium)
・その2つがあらわれる混合型せん妄(Mix delirium)
に分けられますが、一言でいえば「せん妄とは、いつもと様子が違うこと」と思えばOKです。
それだけ頻繁に遭遇する高齢者のせん妄ですが、「せん妄かも?」と思ったときの鑑別診断の覚え方として、「DELIRIUM」で覚えておくと良いと思います。
D : Drug / Withdrawal (抗コリン作動薬、ベンゾジアゼピンからの離脱など)
E : Electrolyte / Endocrine (電解質、血糖、甲状腺機能など)
L : Line (点滴、心電図モニタ、尿道カテーテル、身体拘束など)
I : Infection (感染症)
R : Retention (尿閉、便秘)
I : Intracranial (脳梗塞、硬膜下血腫など)
U : Uremia (脱水)
M : Mortality (心筋梗塞や肺塞栓などの致死性急性疾患)
すぐに薬剤や身体拘束で対応せず、これらを素早く確認して、できるものは対応を変えていきましょう。
(参考文献:あめいろぐ高齢者医療)
(編集長)

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基本的臨床能力評価試験2026
毎年この時期の恒例行事となっていますが、先週は当院の研修医らはテストがありました。
このテストは、初期研修医の客観的な臨床能力の実力を知るためのもので、日本医療教育プログラム推進機構(JAMEP)というNPOが行っている基本的臨床能力評価試験(GM-ITE)というものです。
CBT方式で研修医部屋の自分の机で受験するうえ、全員そろって受けるわけでもないので、あまりテストという雰囲気を感じさせないものですが、みんな真面目に臨んでいました。
基本的臨床能力試験と言っても、試験の内容は幅広い分野から出題され、総合診療をやっている病院には有利な感じがします。英文の問題もボリュームがあって、早く終わる人は少なく、試験時間が終わるまで取り組んでいました。おそらく、毎日の臨床で経験したことや、そこで生じた疑問をこまめに振り返って解消しておけば、そこそこできる問題かと思います。
初期研修中はホントに自分は実力がついているのか?と不安になることがあります。自分の実力を知る方法としては、他の研修病院に行った同期の研修医と会話した時に「自分の方が結構できてるかも」と勝手に心の中でマウントをとるくらいしかありません(笑い)。でも、このテストを受ければ自分の実力が全国でどのあたりなのかが分かるので、とても良い機会だと思っています。
さて、今年の成績がどうなっているか、編集長的にはすごく楽しみです♪
(編集長)

テスト中の一コマ
(各机に個性があるのはご容赦ください)
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【御礼】レジナビにご参加有難うございました!
1月20日に「レジナビFairオンライン2026 東日本Week ~臨床研修プログラム~」に登壇しました。
年が明けて、春休みに向けてのレジナビでしたが、有難いことに我々の予想を超える50名以上の医学生にご参加いただきました。しかも全国の大学だけでなく、海外の大学の医学生も複数参加いただいていたようで、どうも有難うございました!
ご承知の通り、研修病院探しではレジナビは完全に定番となっています。20分という短い時間ですが、司会がいて上手に進行してくれるので、沈黙する時間がなく、我々もとてもやりやすいのが特徴です。
いつも通り前半は病院説明、後半の質疑応答ではJ1の宮田先生とJ2の中尾先生の2人が加わってくれました。J2はもうすぐ2年間の初期研修が終わる時期ですから、全体を俯瞰したコメントを、J1も1年前から成長した実感のこもったコメントをしてくれていました。
普段から言っていることなのですが、今回のレジナビのようなWebでの情報収集をして、あなたも必ず病院見学に足を運んで下さい。Webではわからない病院ごとの雰囲気の違いに気づくはずです。そして病院見学では指導医からの話は半分程度に聞いておき、研修医から直接話を聞くのが大事なポイントです。
すぐに春休みの記事になりますので、水戸済生会にも病院見学にお越しください。見学を希望される方は下記のリンクからお申し込みください! お待ちしています!!
(編集長)

今回はこの二人♪
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国試前の過ごし方2026
(リンリン)

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多数傷病者がいる時・・・MCLS
おかげさまで、第25回水戸医学生セミナーは定員に達しましたので、締め切らせていただきました。
ご応募いただき有難うございました!
当日お会いできることを楽しみにしています!
さて、水戸医学生セミナーでは2日目にメディカルラリーを行います。現在はラリーのシナリオ作成にとりかかっていますが、過去の水戸医学生セミナーでは内因性疾患をベースにACLSを行うシナリオと、外傷患者にJATECやMCLS対応を行うシナリオの、2つのパターンがありました。
ここで出てくるMCLSとは、Mass Casualty Life Supportという大規模災害や多重事故など、多数傷病者への対応標準化トレーニングコースのことです。
あなたもERに患者さんが3名以上いると、どの患者さんに何をやっているのか混乱した経験があると思いますが、外傷や災害などでもっと多数の傷病者がいる場合は、通常の臨床と異なって日常臨床からスイッチを切り替える必要があります。これにはMCLSの考え方とトレーニングが必要で、2011年の東日本大震災を経験してから、我々も必要性を実感して医学生セミナーのラリーでもMCLSを取り扱うようにしたという経緯があります。
今回は、このMCLSのキモである「スイッチを入れてCSCATTT」について紹介します。
スイッチを入れて:ここは災害現場、通常とは違うと自分にスイッチを入れる
C: Command & Control 指揮と統制
S: Safety 安全
C: Communication 情報伝達
A: Assesment 評価
T: Triage トリアージ
T: Treatment 治療
T: Transport 搬送
そして、災害現場で収集すべき情報が「いざ!危機管理!」です。
い:いつ? どんな?
ざ:座標、正確な場所
き:危険な状況、危険物
き:緊急機関、応援要請
かん:患者数、重症者数
り:利用経路
この中で一番大事なのが最初の「スイッチ」です。繰り返しになりますが、MCLSは通常の臨床とは異なりますので、「これは災害だ!多数傷病者事案だ!」と認識して、自分とチームと本部にスイッチを入れる必要があります。スイッチを入れることで、通常の病院での診療ではない、少ないリソースしかない、災害モードで活動することが一緒にいるスタッフにも周知されます。
災害医療は自分には関係ないと思うかもしれませんが、こればかりは分かりません。ぜひともあなたの頭の片隅にでも覚えておいてください。
(編集長)

第24回医学生セミナーでのラリーの一コマ
(こんな感じで複数の傷病者役がいます)
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外傷のときは・・・「MIST」と「おいも」
あなたがERで日勤をしていると救急隊からの搬送要請が入りました。ちょうど指導医の先生が処置中だったので、あなたがホットラインに出ると、30歳代男性のバイクの単独事故とのこと。
こんな外傷患者の時には、救急隊からどんな情報を得て、どんな準備をしたらよいでしょうか?あなたは準備ができていますか?
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こでのポイントが「MIST」です。
MISTとは
M:Mechanism 受傷機転
I:Injury 受傷部位
S:Sign バイタルサイン
T:Treatment 治療・処置
これらの情報をある程度得られたら、次は受け入れ準備です。
スタッフの召集と情報共有を行い、カルテがあれば過去の状況を確認しましょう。モニター類の準備や感染防御も大事です。そして加温された輸液やエコー、ポータブルレントゲンの準備まで出来ると完璧です。
いよいよ救急車が到着しました。救急車を降りて、ERのストレッチャーに移すまでの間も無駄にしません。出迎えたら、ストレッチャーで搬入される患者さんに話しかけます。
話かけながらABCDの異常が無いかをざっと確認(第一印象)します。
・発語の有無 → Aの評価
・息遣い → Bの評価
・意識状態 → Dの評価
・皮膚と脈をみる+外出血の有無 → Cの評価
細かくなくてOKですから、これらを15秒以内で行います。そして、ここで得られた第一印象をもとにしてスタッフに指示を出します。
具体的には、
①アンパッケージ
外傷患者はバックボードに固定されて運ばれてきますので、頸椎の保護をしながら頭側から固定を解いていきます。
②おいも
「お」はOxgen酸素投与、「い」はivライン(静脈)確保、「も」はモニター装着 をスタッフに指示します。そして全身観察できるように衣類の除去もしていきます。
外傷患者では、救急隊からの情報収集「MIST」と、ERに到着してからの第一印象、そしてスタッフへの「おいも」の指示というスピーディーな動きが大事になります。実際のERでは、分かっていても声が出ない、動けないことは良くあります。繰り返し練習と実践することが大事になります。
今回紹介したのはJATECのほんの一部ですが、水戸医学生セミナーではこんな外傷患者の対応も学べて、メディカルラリーで体験できます。そんな水戸医学生セミナーの参加者を募集中です。定員まで、あと僅かとなりましたので、参加を迷っている方は、今すぐお申し込みください!
(編集長)

第24回医学生セミナーでの一コマ(@水戸済生会)
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
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◆第25回水戸医学生セミナー
~内科と救急のエッセンスを体験しよう~
2026年2月28日(土)、3月1日(日)に開催します。
JATEC,MCLSなどの内容を盛り込んだメディカルラリーに挑戦してください!
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CTまでは必要なかった・・・
病棟から「患者さんが胸痛を訴えています」とコールがありました。
あなたは、心電図を電カルの画面で確認しましたが、少なくとも明らかな異常はなさそうでした。患者さんは40歳代の男性で、多くの冠危険因子を持っている人だったので、当然ながら急性冠症候群を疑って、採血と心エコー、そして冠動脈CTもすぐに撮影してもらえるとのことで撮影してもらいました。
画像を確認すると、心エコーも正常で、CTでも冠動脈に狭窄は見当たりません。大動脈解離もありません。ちょっと自信がなかったので、ベテランの放射線の技師さんにも見てもらいましたが、大丈夫とのこと。採血でもトロポニンの上昇はありませんでした・・・・。
一通り検査結果が出たところで患者さんのところに行ってみたら、そんなに具合悪くなさそうですが、やはり胸が痛いと言いながら、指1本で左胸の胸肋関節のところを触っていました。診察すると、その胸肋関節部に圧痛があって、深呼吸とか体をねじった時など、体動に伴って痛みが強くなるので、気になって看護師さんに言ってみた・・・。
先に患者さんのところに行って話を聞いて、簡単に身体診察をしておけば、わざわざCTなんて必要なかった・・・。あなたには似たような経験はないですか?
身体診察で全ての診断ができる訳ではありませんが、鑑別診断をかなり絞り込めます。そして検査の手間やノイズに振り回されることなく診断に最短でアプローチできる必須のスキルです。
水戸医学生セミナーの初日に水戸協同病院で行われる身体診察と鑑別診断では、日頃流してしまいがちな身体診察をじっくり勉強します。その身体診察の所見を踏まえて、鑑別診断を進めていくという企画です。
五感をフルに使って身体診察に取り組み、講師役の研修医から詳細なフィードバックを受けると、ベッドサイドに行っても怖くなくなります。あなたも身体診察のみで、どこまで診断に迫れるのか?ぜひ挑戦してみて下さい。
そんな水戸医学生セミナーの参加者を募集中です。定員まで、あと僅かとなりましたので、参加を迷っている方は、今すぐお申し込みください!
(編集長)

第24回医学生セミナーでの一コマ(@水戸協同病院)
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
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◆第25回水戸医学生セミナー
~内科と救急のエッセンスを体験しよう~
2026年2月28日(土)、3月1日(日)に開催します。
JATEC,MCLSなどの内容を盛り込んだメディカルラリーに挑戦してください!
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全身性毛細血管漏出症候群(SCLS)【ケースで学ぶ初期対応】
こんにちは。ドタバタ研修医のテラメガネです。
前回の「入院患者がショックバイタルを示したとき、現場でどう対応するか?」の続きです。
前回はバイタルや所見からは敗血症性ショック+循環血液量減少性ショックが考えられるものの、Covid19以外で感染示唆する所見なく、輸液も十分にしているにもかかわらず、尿量が得られないという症例を紹介しました。ひとまず輸液と昇圧薬でバイタルは落ち着いたものの、ショックの鑑別を絞り切れないままICUへ転床したところ、某ICU長の先生がこんなことをおっしゃっていました。
「これSCLSじゃない?」
当時は何もわかりませんでしたが、調べるとそれっぽく、最終的にその診断となったのでSCLSについて紹介したいと思います
【全身性毛細血管漏出症候群(Systemic Capillary Leaking Syndrome ;SCLS)について】
SCLSは血管内皮バリア機能の一過性破綻を本態とし、血管内皮細胞間接着分子の機能障害や、患者血清中の可溶性因子による内皮透過性亢進が関与すると考えられている致死的疾患です。
古典的三徴は
①Hypotension(低血圧)
②Hemoconcentration(血液濃縮)
③Hypoalbuminemia(低Alb血症)
とされており、いずれも急速に進行します。
その一方で臨床症状は、発熱、倦怠感、筋肉痛と非特異的なため、よく敗血症性ショックや循環血症量減少性ショックと間違われるそうです。
SCLSは以下のような二相性の臨床経過を辿る疾患です。
漏出期:血漿が血管外へ大量に漏出
回復期:血管透過性が急速に正常化し、血管内に再分布
主な死因としては
漏出期→ショックによる多臓器不全
回復期→Refillingによる肺水腫→呼吸不全
この疾患は再発を繰り返し、因果関係は不明ですが80%程度の方でM蛋白陽性となります。
この疾患の本質は血管内皮細胞そのものの破壊や炎症ではなく、可逆的な血管透過性亢進です。つまり、血管炎とは違い、内皮細胞は保たれたまま細胞間結合が一過性に機能不全となっています。その結果、Alb含む血漿成分がすべて漏れる一方で赤血球など大きい物質は血管内に残ります。そのため、上記三徴や臨床経過を辿ります。
特にVE-cadherinの機能低下や、RhoA/Rac1経路を介した細胞骨格再編成が示唆されているようですが、特定の自己抗体は同定されておらず、病態は未だ完全には解明されていないそうです。
僕が経験した症例もSCLSを疑って、免疫グロブリンの投与を行ったところ、びっくりするくらい速やかに改善して、独歩退院できました。後日、M蛋白も検出されてSCLSと診断しましたが、初期対応から含めて、非常に印象に残る症例でした。
参考文献
Idiopathic systemic capillary leak syndrome (Clarkson disease)
Druey KM, Parikh SM.J Allergy Clin Immunol. 2017より引用)
(ドタバタ研修医のテラメガネ)

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心停止時の鑑別は?・・・6H6T
現在、「第25回水戸医学生セミナー」の参加者を募集中です。
今回は、その医学生セミナーで扱う内容からのシェアです。
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ある夜に、あなたがERをやっていたところ、救急要請が飛び込んできました。
「50歳台の男性のCPA(心肺停止)症例です。自宅で胸痛を訴えたあとに突然意識を失いました。」
10分かからないうちに救急車は病院に到着しました。救急隊員が車内で点滴ルートを確保してくれて、胸骨圧迫を続けいていますが、まだ自己心拍は再開していません。あなたもERの看護師さんらとともに、手際よく胸骨圧迫を代ったり、薬剤投与を行います。
でも、この時にあなたには、もう一つやらなければいけないことがあります。
それは何でしょう?
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それはCPAの原因を探ることです。なぜCPAに至ったのか、その原因がわからなければ同じことを繰り返してしまい、せっかくROSC(自己心拍再開)しても、その心拍をつなぎ留めておくことができなくなってしまいます。
蘇生と同時に、蘇生する先の「なぜ」を探る必要があります。その鑑別が「6H6T」です(5H5Tと言われることもあります)。
6H6Tとは、
Hypovolemia(循環血液量減少)
Hypoxia(低酸素)
Hydrogen ion(アシドーシス)
Hypo/Hyperkalemia(カリウム異常)
Hypoglycemia(低血糖)
Hypothermia(低体温)
Tamponade(心タンポナーデ)
Toxins(毒)
Tension pneumothorax(緊張性気胸)
Thrombosis coronary(冠動脈疾患)
Thrombosis pulmonary(肺動脈血栓)
Trauma(外傷)
この鑑別を常に頭の中に入れ、心肺蘇生法を行いながら、採血、レントゲン、エコーなどを並行して行っていきます。蘇生の先を見据えて行動することで、救命~社会復帰を手繰り寄せることができるのです。
なお、冒頭の症例はROSC後に冠動脈造影を行い、左冠動脈主幹部の閉塞を認めて急性心筋梗塞と診断されました。PCIとECMO+Impella管理で改善し、無事退院して社会復帰できました。
(編集長)

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