臨床研修ブログ

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透析患者のHbA1cを鵜呑みにするな

2026.02.26
カテゴリー: カンファレンス 内科

前回の記事では、糖尿病患者を把握する時に、最近のコントロール、具体的にはHbA1cを確認しましょうと紹介しました。ところが、実はこれには例外があります。具体例を見てみましょう。

 

糖尿病で維持透析中のある患者さんの採血データをみると、HbA1cが5.9%と正常範囲でした。ところが、コントロールがむしろ良すぎる状態なのに、内服薬を確認するとDPP4阻害薬を服用していました。

 

なぜなのでしょうか?

 

糖尿病のコントロールの際に、HbA1cは過去1~2か月の平均血糖値を反映する指標として、広く使用されるのはご存じの通りです。ところが、一般的に透析患者さんはHbA1cが低くなって、平均血糖値と解離することが知られています。

 

この理由は、赤血球の寿命に関係があります。HbA1cとは、分かりやすく例えると、砂糖漬けのヘモグロビンの割合のことです。なので、赤血球の寿命が短い時、具体的には出血や溶血性疾患、肝硬変のときには、砂糖漬けになっている時間がないので低値になります。

 

透析患者では、透析による失血(回路内の残血など)や出血、エリスロポエチン製剤による幼弱赤血球の増加などの

影響でHbA1cが低値、つまり実際の平均血糖値よりも過小評価になるのです。

 

参考文献:糖尿病治療ガイド2024

 

そんな透析患者さんの血糖コントロールに役立つ指標がグリコアルブミン(GA)です。

 

グリコアルブミンは血清アルブミンの糖化産物のことで、半減期約17日。つまり約2週間の平均血糖を反映しています。基準値は11~16%。血糖の管理目標としては20%未満が目標とされています。

 

冒頭の患者さんに戻ると、HbA1cは5.9%でしたが、GAは20.1%とやや高めでしたので、DPP4阻害薬の継続が必要なことが理解できます。

 

あなたも透析患者さんではHbA1cの値を鵜呑みにしないようにご注意ください。

(編集長)

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