臨床研修ブログ

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喘息の話(5)・・・吸入薬の指導

2021.11.25
カテゴリー: カンファレンス 内科

井上先生の呼吸器レクチャーからです。

 

前回は喘息の長期管理について紹介しました。

その中に「服薬アドヒアランスは良好か?吸入手技が正しいか?」というチェック項目がありました。喘息でもCOPDでも吸入薬が治療の中心となりますので、正しく吸入できているかは大変重要なポイントです。そこで10月に続いて、11月も井上先生に吸入指導についてのZoomレクチャーをお願いしました。

 

喘息やCOPDで使われる吸入薬にはICS(吸入ステロイド)、LABA(長時間作用型β刺激薬)、LAMA(長時間作用型抗コリン薬)がありますが、単剤のものやICS+LABAやLABA+LAMAの2剤合剤、今ではICS+LABA+LAMAの3剤合剤があり、非専門家にはとても覚えられません。しかも、ご覧の通りいろいろなタイプのデバイスがあります

 

井上先生の診察室にある吸入器たち

 

使い方をきちんと指導して、患者さんができるようにならないと・・・

・ふたを開けないで吸入する

・タンクを装着しないで使用している

・吸入剤に息を吹き込んでしまう

・吸入剤のカプセルを飲んでしまう

・吸入剤の粉末を水に入れて飲んでしまう

・吸入剤を部屋に噴霧している

などと、笑い話のようなことがホントに起こってしまっています。

 

どんなに「エビデンスがある」とか「効果が強い」と言っても、個々の患者さんが吸入できなければ意味がありません。井上先生も「吸入できる薬剤であることが絶対条件」と何度も強調していました。

 

井上先生の吸入剤の使い分けのポイントとして

・吸入を自分のタイミングしたい・・・DPI(ドライパウダー吸入)

・吸入力が弱い・・・pMDI、ソフトミスト

・吸入した感覚が欲しい・・・音、味がある

・吸入の違和感が嫌・・・粒子が細かい

・手先が不自由・・・力がいらないもの

・介護が必要・・・外から見て吸入が分かる

といったことを挙げていました。

 

次回はそれぞれの吸入剤の特性について紹介します。

 

*なお、それぞれの吸入剤の使い方やピットフォールについても、もちろん教えてもらいましたが、ここでは割愛しました。もし興味のある方はお問い合わせフォームからご連絡ください。動画を閲覧できるようにいたします。

(編集長)

相変わらず分かりやすい話でした!

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