臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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喘息の話(5)・・・吸入薬の指導
井上先生の呼吸器レクチャーからです。
前回は喘息の長期管理について紹介しました。
その中に「服薬アドヒアランスは良好か?吸入手技が正しいか?」というチェック項目がありました。喘息でもCOPDでも吸入薬が治療の中心となりますので、正しく吸入できているかは大変重要なポイントです。そこで10月に続いて、11月も井上先生に吸入指導についてのZoomレクチャーをお願いしました。
喘息やCOPDで使われる吸入薬にはICS(吸入ステロイド)、LABA(長時間作用型β刺激薬)、LAMA(長時間作用型抗コリン薬)がありますが、単剤のものやICS+LABAやLABA+LAMAの2剤合剤、今ではICS+LABA+LAMAの3剤合剤があり、非専門家にはとても覚えられません。しかも、ご覧の通りいろいろなタイプのデバイスがあります。
井上先生の診察室にある吸入器たち
使い方をきちんと指導して、患者さんができるようにならないと・・・
・ふたを開けないで吸入する
・タンクを装着しないで使用している
・吸入剤に息を吹き込んでしまう
・吸入剤のカプセルを飲んでしまう
・吸入剤の粉末を水に入れて飲んでしまう
・吸入剤を部屋に噴霧している
などと、笑い話のようなことがホントに起こってしまっています。
どんなに「エビデンスがある」とか「効果が強い」と言っても、個々の患者さんが吸入できなければ意味がありません。井上先生も「吸入できる薬剤であることが絶対条件」と何度も強調していました。
井上先生の吸入剤の使い分けのポイントとして
・吸入を自分のタイミングしたい・・・DPI(ドライパウダー吸入)
・吸入力が弱い・・・pMDI、ソフトミスト
・吸入した感覚が欲しい・・・音、味がある
・吸入の違和感が嫌・・・粒子が細かい
・手先が不自由・・・力がいらないもの
・介護が必要・・・外から見て吸入が分かる
といったことを挙げていました。
次回はそれぞれの吸入剤の特性について紹介します。
*なお、それぞれの吸入剤の使い方やピットフォールについても、もちろん教えてもらいましたが、ここでは割愛しました。もし興味のある方はお問い合わせフォームからご連絡ください。動画を閲覧できるようにいたします。
(編集長)
相変わらず分かりやすい話でした!
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