臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

水戸済生会の外来研修

2023.05.09
カテゴリー: 初期研修

初期研修で外来研修が必修化されていることはあなたもご存じだと思います。この外来研修はなかなか大変で、導入当初はどこの研修病院の担当者は準備に苦労しました。これは、今まで日本の医学教育で外来診療はまともに教えられてこなかったからだと思っています。

 

ちなみにカリキュラムの中では外来研修は、「症候・病態について適切な臨床推論プロセスを経て解決に導き、頻度の高い慢性疾患の継続診療を行うために、特定の疾病に偏ることなく、原則として初診患者の診療及び慢性疾患患者の継続診療を含む研修を行う」とされています。そして、研修目標として「コンサルテーションや医療連携が可能な状況下で、単独で一般外来診療を行える」ことが掲げられています。

 

編集長の聞く限り、多くの病院では地域研修でクリニックなどに行った際に外来をやらせてもらっていて、自分の病院で外来研修をしているのは少数のようです。地域研修の際に外来をやるのは集中してできる反面、1か月の地域研修中に同じ一人の患者さんを診察するのは1回きりのことが多く、外来で何度かフォローして自分の判断が正しかったのかを知ることができないという弱点があります。

 

そこで水戸済生会の外来研修では、当初から一般内科外来を1年間を通して行う並行研修で行っています。具体的にはJ1の秋からJ2の秋までの1年間をかけて、他の診療科をローテーション中でも週1回の曜日を固定した外来を継続する、というものです。

 

当院のようなスタイルで外来研修を行っている施設はほとんどないと聞きていますが、メリットとしては一人の患者を最大で1年間フォローできるので、高血圧や糖尿病といった慢性疾患の治療を経験できることや、良く分からない・診断がつかない患者が最終的にどうなったかを知ることができます。これはERや入院患者では経験できない点です。

 

一方でデメリットは、当院では内科の初診外来医が指導医となりますが、どうしてもその指導医の専門分野に症例が偏りがちになることです。例えば月曜日の指導医が消化器内科だと、月曜日の研修医は消化器疾患が多くなり、他の疾患を診察する機会が少なくなってしまいます。

 

こうした点を改善するために、昨年11月から外来研修を始めたJ2は、開始から半年が経過した今月から曜日の入れ替えを行い、幅広い疾患を経験できるようにしています。目論見通りいくかはこれからですが、貴重な外来研修をより充実させたいと思っています。

 

最後に外来研修について一つだけアドバイスすると、外来診療では「時間を味方につける」ことがポイントになります。ERと違って、その場で検査を全部やって、診断を付けなくともよいのです。それから、長い経過を見ていくことが重要です。何てことないと思っていた胸部レントゲンの影が半年後には肺がんだったということもあります。

 

当院の外来研修では1年間にわたって長く患者をフォローして、あなたの臨床能力の向上を目指しています。

(編集長)

 

これはERでの診察風景

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