臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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紫斑のみかた・・・徳田先生のカンファレンス2023秋
徳田安春先生をお迎えしての症例検討会が11月28日に開催されました。
この企画は茨城県が主催しているもので毎年恒例となっています。徳田先生が県内の各臨床研修病院をまわって症例検討会を行うもので年に2回開催されています。前回は6月でしたが、今回は2回目でした。
徳田先生は著書も多数あり、あなたも知っているかと思いますが、当院とは徳田先生が水戸協同病院に赴任した16年前からのお付き合いになります。
今回もJ1の二人が症例提示をしてくれました。まずは平尾先生が汎血球減少の症例を、そして福本先生が紫斑を伴う腎不全の症例を提示してくれました。二人ともスライドが分かりやすく良くまとまっていて、徳田先生からお褒めの言葉も頂きました♪
今回は福本先生の発表からシェアします。
症例は60歳代の男性。1か月前から両足背に紫斑が出現し、発熱と腹痛を主訴に近医を受診したところ、腎機能低下を指摘され紹介入院となりました。診断はIgA血管炎なのですが、これは後日改めてシェアするとして、今回は決め手になった紫斑について。
【紫斑のみかた】
まず、紫斑と紅斑を区別します。
・紫斑とは、血管から血液成分が漏れ出したもの → スピッツ等で押しても消えない
・紅斑とは、血管の拡張、充血によるもの → スピッツ等で押すと消える
紫斑と判断したら、触診をしてみます。
・紫斑部分が若干盛り上がったように触れるとき
‐炎症細胞が血管外に漏出している
‐まずは壊死性筋膜炎と感染性心内膜炎を除外
‐これらが除外できれば血管炎を考えていきます。
ANCA関連血管炎、IgA血管炎、抗GBM抗体関連、クリオグロブリン血症、リウマチ、
SLE、シェーグレン症候群、感染(HBV、HCV、梅毒)、薬剤性
・触れないとき
‐出血だけと考える
‐血小板の問題(抗血小板薬、ITP)
‐凝固の問題(抗凝固薬、DIC、肝機能低下)
‐血液疾患(血友病、白血病、再生不良性貧血)
‐その他(尿毒症、壊血病、老人性、薬剤性)
あなたも紫斑を見たら、触ってみて、この記事を思い出してください!
(編集長)
徳田先生とディスカッション中
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