臨床研修ブログ

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アルドステロン症の見つけ方  その4

2017.12.28
カテゴリー: カンファレンス循環器

 前回までアルドステロン症のスクリーニング

と機能検査について紹介しました。

カプトプリル負荷試験などの機能検査で

アルドステロン症と診断されれば、

次の病型診断に移ります。

 

実はアルドステロン症の病型分類は

下の表のように10個もあります。

でも実際に覚える必要はなく、片側病変か

両側病変かを判断することがポイントに

なります。何故かというと、片側病変なら

手術を、両側病変なら内服治療となるから

です。

 

そのためにまずやるべき検査はCTです。

一般に片側性であるAPAの腫瘍サイズは

平均12㎜程度と小さいので、CTでは1㎜

スライスで撮影する必要があります。

 

またアルドステロン症はコレステロールが

豊富な腫瘍なので、単純CTでは腫瘍が

Low densityになっています。このため

単純CTでも十分にあたりはつけることが

出来ます。ただし、副腎静脈サンプリング

(AVS:Adrenal venous sampling)をする際

には造影CTでの副腎静脈の同定が役に

立ちます。

 

注意点は、片側に径が10㎜程度で

Low densityの腫瘍を認めれば、かなり

疑わしいのですが、径が6㎜以下の微小腺腫

がAPAの約半数を占めていることや、腫瘍

病変の無いUAHやUMNがあるので、

CTで副腎に異常がなくともAVSで局在診断

が必要となります。

 

             (編集長)

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