臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

右か?左か? その2

2018.09.20
カテゴリー: 初期研修

前回の続きです。

「ペースメーカー植え込みは

左が多いですが、CVポートは何で

右が多いのですか?」

という研修医からの質問。

 

一つの答えは、ペースメーカーは

「利き手と反対側にする」ので

左鎖骨下に植え込むことが多く

なります。

 

ではCVポートはなぜ右が多いのか?

あなたはどう考えましたか?

 

CVポートの役割を考えてみると、

抗がん剤や輸液をするために

植え込みます。植え込む際の合併症を

避けるのはもちろんですが、

植え込み後もそのまま体内にあるので、

それに伴う合併症が起こることは

極力避けねばなりません。

 

例えば、血栓でカテーテルが閉塞すれば

使えなくなります。カテーテル先端で

血管損傷を来せば、血胸や心タンポナーデを

起こす可能性もあります。

(静脈壁は薄いので起こってしまいます)

 

植え込む位置などは各施設で決めている

ことが多いと思いますが、あなたが

担当するならカテーテルの先端位置に

注意しましょう。

 

下記のように、カテーテルの先端

位置を3つの領域に分けると、

どの位置がイイでしょう?

右からアプローチした場合は

カテーテルの先端はAが望ましいと

されています。血流が速く血栓ができにくい、

カテーテル先端が血管壁に無理な形で

当たりにくいので血管損傷を来しにくい

のが理由です。

 

Bでも構いませんが、ここで血管損傷を

起こすと心嚢内に位置しているので

心タンポナーデになります。

  

では左からアプローチではどうでしょう?

Aの位置は図のように、カテーテル先端が

血管壁に先端が当たりやすく、穿孔や

閉塞のリスクがあります。

Cの位置では図のように、先端が血管壁に

当たりやすく閉塞のリスクがあります。

このため左からだとBの位置までしっかり

挿入した方がトラブルは少なくなります。

 

こう考えてみると、カテーテルを右から

入れた方が、安全な先端位置の範囲が

広くなり、トラブルが少なくなりそうです。

 

もちろん左から植え込むのがダメでは

ありません。患者さんの状態で左からの

アプローチしかない場合もあり得ます。

ただし、いろいろな合併症のことは

理解しておく必要があります。

 

ちなみに当院では右内頚静脈から

血管内にカテーテルを挿入し、皮下

トンネルを経由して右鎖骨下にポートを

植え込んでいます。やはり鎖骨下は

ポートが安定するので穿刺しやすく、

感染も少ない部位とされています。

さらにカテーテル先端のトラブルも

少なくできるのが理由です。

 

臨床では右か?左か?という選択は

よくあります。それなりに理由があっての

ことですので、その背景やメリット、

デメリットを理解しておくと応用が

利きますよ。 

(編集長)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆当院の内科専門医プログラム説明会

 平成30年9月21日 19時~

 平成30年9月27日 19時~

  当院 3階第一会議室

 

参加をご希望の方はこちらからご連絡ください

 ↓

 http://www.mito-saisei.jp/resident/contact.html 

 

◆病院見学や、その他のご質問・お問い合わせは

こちらからご連絡ください。

http://www.mito-saisei.jp/resident/contact.html 

 

 

◆感想やコメントはFacebookページから

 お願いします!

https://www.facebook.com/mitosaiseikai/

—–