臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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3か月未満は要注意・・・第26回鑑別診断道場より

2018.11.22

前回はFeverphobia(発熱恐怖症)を

紹介しました。

 

発熱を主訴にERを受診する小児の親は

とにかく「発熱自体が悪い」と考えて

しまっていることを、あなたも認識して

おく必要があります。

 

ではERで小児の発熱患者が受診したら

除外すべき疾患は何でしょう?

 

・3か月未満の発熱

・細菌性髄膜炎

・咽頭膿瘍、喉頭蓋炎

・菌血症

・尿路感染症

・肺炎

・心筋炎

・腹膜染

・化膿性関節炎(足を動かさない)

・(川崎病)

 

髄膜炎に関しては、ヒブや肺炎球菌

ワクチンの接種歴を必ず聞きましょう。

最近では接種しているので小児の

細菌性髄膜炎は激減しているそうです。

 

尿路感染症では、「尿が少ない」

「臭いがヘン」が疑うきっかけになります。

 

化膿性関節炎は「足を動かさない」

という訴えがヒントになります。

 

そして、3か月未満は要注意です。

なぜなら、重症細菌感染症の頻度が

10~15%あるとされています。

しかも、発熱以外の症状がはっきりしない

ことが多く、身体所見では除外が困難です。

良くわからないけど「何となく元気がない」

ことが唯一の危険なサインかもしれません。

 

実際のところ、

1か月未満は全例でFull sepsis work up、

1~3か月でも多くはSepsis work upが必要です。

(つまり血液培養や髄液検査など全部

やるということです)

 

さて、ここで出てきた「何となく元気がない」

これは小児診療で非常に重要なポイントです。

 

ただ何となくではなく、見るべきポイントがあり、

をこれをPAT(Periatric assessment triangle)

と呼んでいます。次回はこのPATを紹介します。

(編集長)

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