臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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3カ月未満の発熱 その1・・・・第4回水戸医学生“小児科”セミナーより
水戸医学生“小児科”セミナーの
ミニレクチャーから紹介します。
小児の発熱は、ERでよく遭遇します。
発熱があっても、子どもが元気そうなら
ほとんどの場合大丈夫です。
でも、ERで遭遇したら、
必ず小児科医にコンサルトを
しなければいけない発熱がある
のを知っていますか?
それは、生後3カ月未満の発熱です。
小児科セミナーでの、2つ目の
ミニレクチャーでは、こども病院の
池邉先生から3カ月未満の発熱に
関してまとめてもらいました。
なぜ、3カ月未満の発熱に遭遇したら
小児科医にコンサルトしなければ
いけないのかというと・・・・、
そもそも、出生時から生後6カ月頃
までは、乳児に母親からの移行抗体が
残っています。
→母親の持つ抗体で抵抗できる
ものには感染しにくい。
また、生後数カ月間は基本的に
家の中で過ごすことが多いので、
Sick contactが少ない。
→流行性のウイルス感染などに
罹患することが少ない。
一方で、
・自身の免疫機能は未発達のため、
感染に対する防御策に乏しい。
・移行抗体はIgGのみのため、
気道粘膜などIgAなどが関与する
局所防衛が弱い
・気道が狭いため、感染症による
症状が重症化しやすい
・血液脳関門による防御システム
が未発達、などの理由から
→気道感染が重症化しやすい。
→敗血症・髄膜炎などの重症
感染症を起こしやすい。
さらに、
月齢が低いと、症状が分かりにくい。
→重篤な状態なのかどうか判断が
しにくい。
と言うことで、生後3カ月未満の
発熱では、重症疾患の可能性を
考慮し、見逃しがないように十分な
検査を行う必要があります。
重症細菌感染症の頻度は10~15%と
され、発熱以外の症状がはっきり
しない場合も多く、身体所見では
除外困難です。
このため、特に1か月未満では
全例でSepsis work upを行います。
具体的には、血液検査、胸部レントゲン、
尿検査、髄液検査、血液、尿、
喀痰(咽頭)、髄液の各種培養の
すべてのサンプルを採取します。
(編集長)
メディカルラリーでの
PALSステージ
勉強したはずなのに、
なかなかできません!
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