臨床研修ブログ

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【周産期センター】産婦人科と脳外科がコラボする症例②

2021.12.04
カテゴリー: 周産期センター

こんにちは。遅くなりましたが、、、チームさんばです。続編の症例をご紹介します。

 

院外で突然起こった救急事案。救急隊の方が妊婦さんだからどうしていいか、通常よりもずっと神経を使ったとおっしゃってました。前回の院内発生の場合と違い、こういった患者さんを受け入れるときは搬送依頼があったときから救急科に前面にたって対応していただくので実際私たちはサポートに徹するのですが(^^;)

 

1例目は妊娠40週、自宅にて意識の無い状態で発見され救急要請。前医産婦人科に到着後分娩が進行していたため鉗子分娩にて児娩出。弛緩出血(1400ml程度)あり、意識回復せず痙攣も出現、血圧上昇もあったことから子癇発作と考えマグネシウム製剤を投与、降圧薬投与など治療開始したところCPAになった?ため蘇生挿管後、待機していた救急車に収容されすぐ当院へ搬送。この場合、前医からの情報のみで対応するため緊急輸血の準備、開胸心臓マッサージの準備をして待機するのです。想定は子癇発作、出血性ショック。到着時、循環呼吸は管理されていましたが意識レベル低下が続き鎮静呼吸管理、輸血開始し精査。腹腔内は異常所見無し。頭部CT、MRIで下垂体出血!(病変どこかわかりますか?)

 

 

 

大量出血後に下垂体虚血が起こりシーハン症候群と言われる病気があることは産婦人科でも有名なのですがまさか出血が起きるとは。と言う症例でした。(採血結果からHELLP症候群がベースにあると考えられました)

 

2例目は30歳、妊娠11週、頭痛を訴えた後に意識障害,瞳孔不同,全身硬直を認め当院にドクヘリで搬送。CT撮ったら衝撃でした。

 

 

両側の側脳室から第3脳室,第4脳室に及ぶ広範囲の脳室内出血と,それによる脳室拡大を認め,急性水頭症に対して脳室ドレナージの方針となりました。(もやもや病がベースにありそう)今後復活できるのか?妊娠継続できるのか?実は産婦人科は声がかかったものの母体の生命管理が最優先で妊娠については見守るのみでした(^^;)

 

脳外科とのコラボシリーズ、実はいろいろあり、常に助けられていると痛感する症例提示でした。脳外科の先生たちは常にこのような症例と向き合っているんですね。

 

どんな病気であっても妊娠しているといろいろな科と連携することになるため感謝の心を忘れないチームさんばでした。

(チームさんば)

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